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エイドリアン・ニューウェイがデザイン! アストンマーティンがルマン24時間レース復帰のために仕立てたハイパーカー「ヴァルキリー」を発表。

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エイドリアン・ニューウェイがデザイン! アストンマーティンがルマン24時間レース復帰のために仕立てたハイパーカー「ヴァルキリー」を発表。

WECとIMSAの両方に参戦

このたびアストンマーティンが開発したレーシングマシンは、公道仕様のヴァルキリーをベースにしたもので、FIA(国際自動車連盟)のハイパーカー・レギュレーションに従った最初のレーシングカーだ。
FIA世界耐久選手権(WEC)と、米国を主戦場とするIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の両方に参戦する。今シーズンのWEC開幕戦となる2月28日のカタール1812kmに、ワークスチームであるアストンマーティンHeart of Racingチームが2台のヴァルキリーを投入し、世界的レースのデビューを飾る。
アストンマーティン・ラゴンダのエイドリアン・ホールマークCEOは次のように語る。
「これはアストンマーティンにとって誇るべき瞬間です。ル・マン24時間レースに復帰して総合優勝を目指して戦うことは、私たちの核となる価値観であり、当社のモータースポーツのヘリテージにおける重要なマイルストーンです。公道から生まれた唯一のハイパーカーとして、WECとIMSAというスポーツカーレースの最高峰に挑戦するヴァルキリーは、私たちの不変のスポーツ精神を体現するもので、100年以上にわたってブランドを定義しています」

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アストンマーティンはル・マン24時間レースに2台のマシンを投入し、1959年のDBR1以来の総合優勝を目指す。
WECとIMSAの両シリーズともHeart of Racingが指揮。このチームは、以前はアストンマーティン・ヴァンテージGT3で両シリーズに参戦していた。
「スポーツカーレースに携わってきた者にとって、アストンマーティンという最高の車、しかも世界で最も美しい車のひとつとして認知されており、唯一、ロードカーの血統を継ぐ車を走らせることは本当に名誉なことです。このプログラムを任されることは、私のキャリアの中で最高の経験です」とチーム代表のイアン・ジェームズは語る。


公道仕様と多くのDNAを共有

参戦マシンは、V12エンジンをはじめ、公道仕様のヴァルキリーと多くの点でDNAを共有しているという。
シャシーはレース用に最適化したカーボンファイバー製。標準仕様で最高回転数1万1000rpm、最高出力は1000bhp(約1014ps)を超える驚異的なコスワース製の自然吸気式6.5リッターV型12気筒エンジンのリーンバーン版を搭載する。トランスミッションは、パドルシフトによるギアチェンジで操作するセミオートマチックのXtrac 7速シーケンシャルだ。
開発時の重要なポイントは燃費。アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者であるアダム・カーター氏は、「高燃費の、少ない搭載燃料で必要なエネルギー量を得ることが重要です。それほどパワーを必要としないため、エンジンは本来の性能よりも低速で運転します。レギュレーションが定めるパワーリミットよりも低いことで、チャンスが生まれます。トルクカーブを調整し、エンジン速度を落として摩擦損失を低減し、燃費を向上させることができます」と述べている。


空力デザイン開発はエイドリアン・ニューウェイ氏が参加

空力については、FIA公認レースに出場できる認可を得ることを目指して開発。これを可能にしたのは、ロードカーをルーツとする強固な基盤だ。そして、これはアストンマーティンのマレク・ライヒマンCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)と、エイドリアン・ニューウェイ氏の2名のデザイナーの功績によるもの。ニューウェイ氏は、2025年3月にF1チームのマネージング・テクニカル・パートナーとしてアストンマーティンに加わる。
「信じられないことです。史上最も偉大なレーシングカーデザイナーの一人であるエイドリアンが車をデザインするのです。しかも、レースに出場することを考えずにです」とカーター氏。
レース用サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン形式で、プッシュロッド式トーションバー・スプリング、調整可能なサイドダンパーとセントラルダンパーを組み合わせる。タイヤはハイパーカー・レギュレーションで義務付けられている18インチのミシュラン・パイロットスポーツタイヤを装着する。


「アストンマーティンのレースカーはすべて、究極的には、非常に高性能な車を対象に、その特性と能力をレギュレーションの条件に合わせて調整し、その中でパフォーマンスの可能性を最大限に引き出します。私たちは、世界的知名度のあるアストンマーティンのデザインスタジオと、開発の主導的役割を担うアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズと協力し、このすべての作業を行いました」とカーター氏は説明している。
2024年7月に最初のテスト走行を実施。その後Heart of Racingは幅広い評価プログラムに着手し、1万5000kmを超える距離を走った。テスト走行は英国のドニントンパークとシルバーストーンで開始し、その後ヴァレルンガ(イタリア)、ヘレス(スペイン)へと移動し、さらにバーレーン、カタール、ロード・アトランタ、セブリング、デイトナと続き、デュアルレースプログラムに適切な様々なコースでテストを重ねてきた。


ドライバーは、トム・ギャンブル選手とマルコ・ソーレンセン選手。トム選手は、アストンマーティン・オートスポーツBRDCアワードを受賞し、LMP2とGTの両方の経験を持つドライバー。2022年にはハート・オブ・レーシングチームで、デイトナ、セブリング、ロード・アトランタで開催されたIMSAの耐久レースに参戦した。
一方、マルコ選手はアストンマーティンで最も活躍している現役レーシングドライバー。WEC GTクラスで3回のチャンピオンを誇り、2022年にはル・マンでクラス優勝に輝いている。
WECは全8戦で争われる。開幕戦のカタールに続き、欧州のレースはイモラ(イタリア)とスパ・フランコルシャン(ベルギー)、6月にはル・マン24時間レース(フランス)、そしてブラジルのインテルラゴス、米テキサス州オースティンのCOTA、日本の富士スピードウェイ、最終戦は11月8日のバーレーンだ。
WEC「2025カレンダー」
https://www.fiawec.com/en/calendar/80


そして、IMSAのレースにはヴァルキリー1台が参戦する。Heart of Racingを象徴するブルーの特別仕様車で、3月12~15日にかけて開催されるセブリング12時間レースに参戦するため、チームの米国の拠点であるアリゾナ州フェニックスを発つ。
ドライバーは、IMSA GTD Proクラスで複数回の優勝経験を持つロス・ガン選手(英国)と、2022年のIMSA GTDチャンピオンのデ・アンジェリス選手(カナダ)。両選手ともAMRドライバーアカデミーの優秀な卒業生だ。
IMSAは全11戦。セブリング12時間レース、ロード・アトランタで開催されるプチ・ル・マン、その他ロングビーチ、ラグナ・セカ、ワトキンズ・グレン、インディアナポリス・モータースピードウェイなどで、米国の主要なレースが開催される。
IMSA「2025スケジュール」
https://www.imsa.com/weathertech/weathertech-2025-schedule/

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みんなのコメント

5件
  • 115********
    参戦発表のち撤回
    盛況だからやっぱり仲間に入れて?
    恥ずかしくないのかね
    とりあえず新参者は重量背負ってもらうのが通例な
  • セナパパ
    まず、市販車様に作られたモデルからのレーサーではハイパーカーでの活躍は厳しいだろう、シャーシもひ弱だろうしエンジンもパワーを出せるだろうか?
    話題作りでの参戦になるだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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