2017年、M5は6代目となるF90型で新しい次元に突入する。注目はM5史上初めて4WDシステム(M xDrive)を採用したこと。またMステップトロニックと呼ばれる8速トルコンATが使われたことも、それまでのM5のイメージを覆すものだった。30年以上にわたるM5の歴史の中で、この新型はかつてなく変貌を遂げたモデルとして記憶されることだろう。
あのM5に4WDシステムとトルコンATを組み合わせるとは
6代目F90型M5の最大のポイントは、初めて4WDシステムが採用されたことだろう。モータースポーツへの参戦、サーキット走行を念頭に置いたクルマ作りを進めてきたBMW M社にとって、M5に4WDシステムを組み込むことに違和感を抱いた人も多いことだろう。
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しかし、アウディRSだけでなく、メルセデスAMGやアルピナも積極的に4WDシステムを採用し始めた今、それを躊躇う状況ではなく、また増大するパワーを路面に効率よく伝えるためにはもはやなくてはならないものとなってきたわけだ。
その独自の4WDシステム「M xDrive」は、基本的に前後0:100のトルク配分からスタートし、必要な時に必要なだけ前輪にトルクを伝えるというう考え方から生まれたメカニズム。基本的な重量バランスも前後50:50となっているので、アンダーステアが強く出ることはない。むしろ「M xDrive」を搭載することで、様々な路面状況での最大限のトラクション性能をサポートすることが可能となった。
走らせてみると、サーキット走行でこそ、その4WDシステムが威力を発揮。DSCオフでは、必要に応じた「4WD」モード、前輪への駆動力を配分するタイミングを遅らせる「4WDスポーツ」モード、0:100完全後輪駆動に固定する「2WD」モードの3種類を選べるほか、リアが滑り出すのを先読みして前輪に駆動を伝える制御もある。
もうひとつのポイントは、これまでは2ペダルといってもMTをベースとしていたトランスミッションに、8速ATをベースに強化を加えたMステップトロニックを採用したこと。いわゆるトルコン式で、これまた生粋のMモデルファンからは指摘を受けそうだが、先代よりも40psもアップしたパワーをスムーズかつ効率よく伝えている。走行状況に応じてカスタマイズ可能なドライブロジックが付いている。
エンジンはバンク内にターボチャージャーを配する4.4L V8ツインターボで、基本デザインは先代と同じだが、中身は最新世代へとバージョンアップされており、最高出力は600ps、最大トルクは750Nmまで高められている。
これらに加えて徹底した軽量化も施され、0→100km/h加速は3.4秒、最高速はリミッターを解除すれば軽く300km/hをオーバーする。まさに凄まじい性能を持ったスーパーセダンとして登場しているわけだ。
また5シリーズと同様の精緻なADAS(先進運転支援システム)を装備、快適でイージーなドライブも楽しめる二面性は、これまでのピュアなハイパフォーマンス車両として快適装備には積極的ではなかったM5の変貌として語り継がれることだろう。
2018年にはM5はさらに高性能化、4.4L V8ツインターボは625psまでアップして、0→100km/h加速3.3秒のM5コンペティションが登場している。
BMW M5(2018年)主要諸元
4WD●全長:4965m
●全幅:1903mm
●全高:1473mm
●ホイールベース:2982mm
●車両重量:1855kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●排気量:4395cc
●最高出力:600ps/5600-6700rpm
●最大トルク:750Nm/1800-5600rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:8速AT
●0→100km/h加速:3.4秒
●最高速:305km/h
※欧州仕様
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みんなのコメント
1.6トンくらいにしてほしい。
いくら、デバイスつけても最後はごまかしきれない。
特に滑りやすいところでは