現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > “ピンクのポルシェ”に抜擢された注目女性ドライバーの本音「ル・マンに目を向ける勇気はなかった」

ここから本文です

“ピンクのポルシェ”に抜擢された注目女性ドライバーの本音「ル・マンに目を向ける勇気はなかった」

掲載
“ピンクのポルシェ”に抜擢された注目女性ドライバーの本音「ル・マンに目を向ける勇気はなかった」

 女性ドライバープロジェクト『アイアン・デイムス』の一員として、今季WEC世界耐久選手権LMGT3クラスにデビューを飾ったセリア・マルタンは、「毎レース、着実に進歩している」と現状を語った。

 33歳のマルタンは、開幕戦カタール1812kmレースにおいて、85号車ポルシェ911 GT3 RのブロンズドライバーとしてWECデビューを果たした。彼女がラインアップを組むのは、長年同陣営に所属するラヘル・フレイとミッシェル・ガッティンだ。

“1杯のビール”から巻き返しなるか。トヨタ小林可夢偉「予選結果の割にはポジティブな雰囲気」/第3戦決勝直前

 今季のマルタンは、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも同プロジェクト(チーム)から、ガッティン、サラ・ボビーと組んで参戦している。


■キャリア開始は2018年。ニュル24時間ではクラス優勝も

 マルタンのレーシングキャリアは2018年にニュルブルクリンク北コースでスタート。NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)とニュルブルクリンク24時間レースの両方に参戦した。

 特筆すべきは、2021年のニュル24時間でクラス優勝を果たしていることだ。彼女は、キャリー・シュライナー、2度のIMSA GTDチャンピオンに輝いたクリスティーナ・ニールセン、そしてインディ500に複数回参戦したピッパ・マンととに、Giti Tire Motorsport by WS RacingのアウディR8 LMS GT4をドライブした。

 その後ADAC GT4ドイツに参戦し、昨年はミシュラン・ル・マン・カップにアイアン・デイムスから参戦した。

 そんなマルタンは、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われている『スパ・フランコルシャン6時間レース』でWEC参戦3レース目を迎えた。

 5月9日に行われた予選で、マルタンは13番手となった。ハイパーポール進出ラインにはコンマ5秒強、届かなかったことになる。なお、同じくポルシェ911 GT3 Rを使うマンタイ・ファースト・フォーム92号車のライアン・ハードウィックは、マルタンより1秒以上速いタイムを刻み、2番手でハイパーポールへと進出した。

 予選後マルタンは、「WECは非常にレベルが高く、すべてが重要で、すべてが影響する。だからこそ、ハイパーポールをコンマ数秒差で逃すのは悔しい」と語った。

「でも、ある意味、それは良いことでもある。なぜなら、常に向上し続け、すべてをまとめるためには、常に努力しなければならないからだ。スパではそれが簡単ではない」

「私は毎ラウンド、進歩している。最終的に重要なのは、一貫性と進歩だ。正直に言って、シーズンをもっと良い形で終えられるといいなと思っている」

 ここまで、ハイパーポールへの出場権はまだ獲得していないものの、マルタンはWECデビューシーズン序盤の予選で着実な進歩を見せており、スパでの13番手は自身最高位となった。彼女はシリーズデビューとなったカタールで15番手、第2戦のイモラでは14番手に終わっていた。

「予選はレースのアプローチとは全く異なるので、理解し、慣れていく必要がある」と彼女は語った。


■ELMSにも並行参戦。走行時間を稼ぐ

 WECとELMSのデュアルプログラムについて、多くの走行時間が得られるため、2年目のGT3シーズンでの学習プロセスを加速できるという大きなメリットがあると、マルタンは言う。

「(スパの)FP2とFP1は少し混乱していたので、ELMSでも追加の走行時間があるのは良いことだ」

「もちろん、(オペレーションする)チームが違うというだけの話。私の場合はプロトンとマンタイなので、慣れるのに少し時間がかかる」

「でも、結局マシンは幸運なことにどちらもポルシェなので、そう、走行時間はある。このように成長を続けられる機会を得られたことに、とても感謝している」

 自分のドライビングでもっとも改善すべき点は何かと聞かれると、マルタンは「すべてを、少しずつ」と答えた。

「時には、それは単にプロセスの問題であったりする」と彼女は言った。

「予選はまったく異なるもの。トラックリミットを犯すことはできないし、良いラップを、ミスなく走らなければならない」

「レースとは違う。レースは限界に挑戦するものだが、限界の種類が違う。だから、それはプロセスの問題だ」

「ドライビングテクニックに関しては、より正確になってきていて、運転もどんどん良くなってきている。それから、メンタル面でも、週末に向けたプレッシャー、そしてル・マンが迫っている中でのアプローチがある。だから、いろいろなことが少しずつできてきている」

「正直に言うと、GT3に参戦することが私にとって最大の夢だったので、ル・マンに目を向ける勇気はなかった」

「だから今、ル・マンに参戦できる可能性があるなんて、まだ信じられない気持ちだ。すごくワクワクしているし、まだ完全には実感できていいない。実際に参戦したら、また違った何かが得られるのだと思う」

[オートスポーツweb 2025年05月10日]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

780円でこのボリューム!! 思わずリピートの「朝限定メニュー」 バイクで行く高速道路グルメ 東関道「湾岸幕張PA」
780円でこのボリューム!! 思わずリピートの「朝限定メニュー」 バイクで行く高速道路グルメ 東関道「湾岸幕張PA」
バイクのニュース
自衛隊も買った! F-35戦闘機用の「必須装備」一見ただの筒 じつは新戦術に大貢献「パイロットの負担軽減にも」
自衛隊も買った! F-35戦闘機用の「必須装備」一見ただの筒 じつは新戦術に大貢献「パイロットの負担軽減にも」
乗りものニュース
トヨタ新型「カローラクロス」何が変わった? 内外装以外に「日本初の画期的システム」採用! カローラのSUVを徹底解説!
トヨタ新型「カローラクロス」何が変わった? 内外装以外に「日本初の画期的システム」採用! カローラのSUVを徹底解説!
くるまのニュース
2024年から登場した、スタイリング良すぎなヤマハのネオレトロ125ccといえば?
2024年から登場した、スタイリング良すぎなヤマハのネオレトロ125ccといえば?
WEBヤングマシン
“マニュアル離れ”なんて言葉はもう関係ない!?  6速MTのみでも人気のホンダ「シビックRS」登場から半年 販売店への反響とは
“マニュアル離れ”なんて言葉はもう関係ない!? 6速MTのみでも人気のホンダ「シビックRS」登場から半年 販売店への反響とは
VAGUE
EVポールスター、伝説的公道レース「ミッレミリア」の電動車部門に参戦
EVポールスター、伝説的公道レース「ミッレミリア」の電動車部門に参戦
レスポンス
映画『F1/エフワン』主演のブラッド・ピットがF1初ドライブ。2023年型マクラーレンでオースティンを走行
映画『F1/エフワン』主演のブラッド・ピットがF1初ドライブ。2023年型マクラーレンでオースティンを走行
AUTOSPORT web
忘れちゃイヤ! 絶妙サイズのマツダCX-30が「隠れた高コスパSUV」と呼ばれる理由
忘れちゃイヤ! 絶妙サイズのマツダCX-30が「隠れた高コスパSUV」と呼ばれる理由
ベストカーWeb
【ホンダドリームスーパースポーツCB72TypeI/TypeII比較試乗】意外なほどキャラクターが違う2つのエンジン!
【ホンダドリームスーパースポーツCB72TypeI/TypeII比較試乗】意外なほどキャラクターが違う2つのエンジン!
モーサイ
《MERCEDES-BENZ GLC試乗》買い得仕様の実力チェック
《MERCEDES-BENZ GLC試乗》買い得仕様の実力チェック
グーネット
マレリの再建、スポンサー候補のSVPなど外資連合が初コメント「財務再構築を強く支持する」
マレリの再建、スポンサー候補のSVPなど外資連合が初コメント「財務再構築を強く支持する」
日刊自動車新聞
ドヴィツィオーゾ、ヤマハと2025年から3年契約を締結。テストライダー兼パフォーマンスアドバイザーに就任/MotoGP
ドヴィツィオーゾ、ヤマハと2025年から3年契約を締結。テストライダー兼パフォーマンスアドバイザーに就任/MotoGP
AUTOSPORT web
【Auto Bild 4WDアワード2025】読者や編集部が今年最高の4WD車9台を選出!そのうちの4台が日本車だ!
【Auto Bild 4WDアワード2025】読者や編集部が今年最高の4WD車9台を選出!そのうちの4台が日本車だ!
AutoBild Japan
国道249号「輪島市の最後の区間」7月末に一般車両通行OKに 地震と豪雨から復旧
国道249号「輪島市の最後の区間」7月末に一般車両通行OKに 地震と豪雨から復旧
乗りものニュース
フェラーリとの明暗くっきり、プロトンの戦いは「ワンマンショー」とジャニ。ポルシェに情報提供を求める
フェラーリとの明暗くっきり、プロトンの戦いは「ワンマンショー」とジャニ。ポルシェに情報提供を求める
AUTOSPORT web
新時代の「ワーゲンバス」ついに日本発売、価格は888万9000円から
新時代の「ワーゲンバス」ついに日本発売、価格は888万9000円から
レスポンス
ヨコハマタイヤ パイクスピーク出場20チーム以上にアドバンシリーズを供給
ヨコハマタイヤ パイクスピーク出場20チーム以上にアドバンシリーズを供給
Auto Prove
道路の掲示板に「みどりの三角」点灯! 意味は何ですか? 知らないと損ですよ! 「赤の三角」もある? 実は「ムダ時間」「イライラ」ゼロにする「スグレモノ表示」だった
道路の掲示板に「みどりの三角」点灯! 意味は何ですか? 知らないと損ですよ! 「赤の三角」もある? 実は「ムダ時間」「イライラ」ゼロにする「スグレモノ表示」だった
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村