現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ロングステージ3本で争われた新生モントレーは福永が逆転優勝/全日本ラリー第6戦

ここから本文です

ロングステージ3本で争われた新生モントレーは福永が逆転優勝/全日本ラリー第6戦

掲載 更新 4
ロングステージ3本で争われた新生モントレーは福永が逆転優勝/全日本ラリー第6戦

 全日本ラリー選手権第6戦『モントレー2021』が6月11日~13日、群馬県高崎市を舞台に行われ、福永修/齊田美早子組(シュコダ・ファビアR5/THREE FIVE MOTORSPORT)が今シーズン3勝目をマークした。

 モントレーは関東エリアを舞台に開催されてきた全日本ラリー選手権の名物イベントだ。2020年大会は新型コロナウイルスの影響により中止となっており、今季は2年ぶりの開催となった。

トヨタ、ターマック連戦の集大成モントレーでGRヤリス駆る勝田範彦が4位入賞/全日本ラリー

 2021年の大会は高崎市をホストタウンとし、群馬県西部地域を舞台とする新生ターマックイベントとして開催されることに。なお、同イベントでは国際格式のJSRジャパン・スーパーラリー・シリーズも併催された。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、ラリーは無観客で開催され、11日の金曜日には選手権としては初めて受付前に抗原検査が実施されていた。ラリーフォーマットも12日(土)の午前中にレッキと車検、午後にレグ1としてSS1、13日(日)にレグ2としてSS2、SS3を設定するなど短期集中型のスケジュールを採用。
 
 一方、レグ1のSS1“Grandma.Kimura”は21.92km、レグ2のSS2およびSS3の“Ghost Tunnel”は19.65kmと、WRC世界ラリー選手権に匹敵するロングステージを採用したこも今大会のポイントと言えるだろう。いずれもハイスピード区間と中低速コーナー、ダウンヒルとアップヒルを併せ持つ路面の荒れたターマック(舗装路)ステージとなっており、国内屈指のスペクタルなステージを舞台に激しいタイムトライアルが展開されることとなった。

 12日のレグ1は好天に恵まれ、16時48分にSS1がスタート。ここで幸先の良い立ち上がりを見せたのが、CUSCO RACINGの柳澤宏至/保井隆宏組で、シュコダ・ファビアR5を武器にSS1でJN1クラスのベストタイムをマークした。

 トップから3.5秒の2番手につけたのは、トヨタGRヤリスを駆るNUTAHARA Rally teamの奴田原文雄/東駿吾組で、同じくGRヤリスを駆るTOYOTA GAZOO Racinggの勝田範彦/木村裕介組が7.8秒差の3番手でレグ1をフィニッシュ。
 
 シュコダ・ファビアR5を武器に2連勝を果たしている福永/齊田組はトップから8.6秒差の4番手、開幕戦の新城ラリーで負傷しながらも3戦目の丹後ラリーで復帰を果たしたittz RALLY TEAMの鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX)が14.8秒の5番手で続く一方で、スバルWRXで新城ラリーを制したSUBARU TEAM ARAIの新井敏弘/田中直哉組はステージ途中でパンクに祟られ、トップから1分59秒遅れのクラス最下位に低迷することになった。

■初日首位の柳沢が痛恨のスピン

 JN2クラスではトヨタ86CS-R3を武器に2勝を挙げているヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(Rally Team AICELLO)がレグ1をトップでフィニッシュする。JN3クラスではスバルBRZを駆る竹内源樹/木村悟士組(スバルBRZ)がコースアウトを喫し、SSを塞いだことから赤旗でステージキャンセルとなり、以降に出走した選手には規定タイムが与えられることになった。

 明けた13日は曇天のなかレグ2がスタート。ドライコンディションで行われたSS2でベストタイムをマークしたのは福永だった。だが、トップの柳澤も3番手タイムをマークし、総合順位では首位をキープする。福永が3.1秒差の2番手に浮上し、2番手タイムをマークした鎌田が総合3番手に浮上するなど、レグ1で出遅れていたマシンが猛追をみせた。

 SS2の終了後に雨が降り出したことから、最終SSとなるSS3はフルウエットのなかで実施される。雨を見越して2本のウエットタイヤを搭載していた首位の柳澤/保井組はコンスタントな走りを披露していたが、なんと終盤でスピンを喫しタイムを失ってしまう。

 この結果、「柳澤のスピンがあったので逆転できましたが、それでも3連勝できたことはいい流れだと思います」と福永が語るように、福永/齊田組が逆転を果たし、シリーズ最高峰のJN1クラスで3連勝を達成した。
 
 柳澤/保井組は惜敗の2位。鎌田/松本組がRJ車両の最上位となる総合3位で今季初の表彰台を獲得した。以下、GRヤリスを駆る勝田、奴田原が続く一方、新井はSS2でマシントラブルに見舞われ3戦連続でリタイアとなっている。

 JN2クラスではSS2、SS3でベストタイムをマークするなど、レグ2でも圧倒的なスピードを見せたコバライネン/北川組がクラス3連勝を達成。JN3クラスではトヨタ86を武器にSS2、SS3でベストタイムをマークした長崎雅志/秋田典昭組(名古屋トヨペットNAVUL)が今季初優勝を飾った。
 
 スズキ・スイフトで2回のステージウインを果たした西川真太郎/本橋貴司組(スマッシュラリーチーム)がJN4クラスで今季3勝目をマークした一方、JN5クラスはドライコンディションのSS2でトヨタGRヤリスを駆る天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機 RALLY TEAM)がベストタイムをマークするものの、ウエットコンディションと化したSS3ではトヨタ・ヤリスを駆る渡部哲成/橋本美咲組(MATEX-AQTEC RALLY TEAM)がベストタイムをマークし、逆転での今季初優勝を決めた。
 
 JN6クラスではトヨタ・ヤリスを駆る吉原將大/佐野元秀組(MATEX-AQTEC RALLY TEAM 吉原)がSS2、SS3でベストタイムをマークし開幕4連勝を達成した。同時開催のJSRではトヨタC-HRを駆る青山康/加勢直毅組(CUSCO RACING)が勝利を手にしている。

 今戦の終了をもって前半のターマック連戦にひと区切りがついた2021年シーズンの全日本ラリー選手権、次戦第7戦は7月2~4日、北海道で開催されるグラベル(未舗装路)ラリーの『2021 ARK ラリー・カムイ』だ。

関連タグ

こんな記事も読まれています

四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
くるくら
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
くるまのニュース
バイクの水平対向2気筒エンジン、転倒の際にエンジンが壊れたりしないの?
バイクの水平対向2気筒エンジン、転倒の際にエンジンが壊れたりしないの?
バイクのニュース
トヨタ「ハイエース」を完全DIYカスタム! 3型にこだわるオーナーの見た目と実用性にもこだわった作り込みとは
トヨタ「ハイエース」を完全DIYカスタム! 3型にこだわるオーナーの見た目と実用性にもこだわった作り込みとは
Auto Messe Web
米国運輸省道路交通安全局、ホンダCR-Vとアコードの衝突被害軽減ブレーキを調査
米国運輸省道路交通安全局、ホンダCR-Vとアコードの衝突被害軽減ブレーキを調査
日刊自動車新聞
レクサスLMもびっくり!! 26年度に東海道新幹線で個室復活 N700Sはどこまで変わる
レクサスLMもびっくり!! 26年度に東海道新幹線で個室復活 N700Sはどこまで変わる
ベストカーWeb
新型マツダCX-80、堂々登場!──GQ新着カー
新型マツダCX-80、堂々登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
レスポンス
高速道出口にある「青いスラッシュ」何の意味? 実は重要なコト! 覚えておくべき「補助標識」の役割とは
高速道出口にある「青いスラッシュ」何の意味? 実は重要なコト! 覚えておくべき「補助標識」の役割とは
くるまのニュース
EV車は重いって聞くけど......電動バイクは?
EV車は重いって聞くけど......電動バイクは?
バイクのニュース
東海理化、トヨタ・プリウス向け後部ドアスイッチのリコール 関連費用で110億円
東海理化、トヨタ・プリウス向け後部ドアスイッチのリコール 関連費用で110億円
日刊自動車新聞
スバルが新型「最上級SUV」発表! オシャブルー映える「新ガイザー」! 約900万円のタフ仕様「アウトバック」伊に登場
スバルが新型「最上級SUV」発表! オシャブルー映える「新ガイザー」! 約900万円のタフ仕様「アウトバック」伊に登場
くるまのニュース
「カワサキコーヒーブレイクミーティング」 アップデートされたファン参加型イベントを聖地オートポリスで開催
「カワサキコーヒーブレイクミーティング」 アップデートされたファン参加型イベントを聖地オートポリスで開催
バイクのニュース
フェラーリ移籍控えるハミルトン、今は勝利目指して全力「そのうちウルフ代表と話す必要がある」
フェラーリ移籍控えるハミルトン、今は勝利目指して全力「そのうちウルフ代表と話す必要がある」
motorsport.com 日本版
日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
レスポンス
特別な文字「J」を与えられしたった10台のスペシャルモデル! ついにファイナルを迎えるランボルギーニ・ウラカン「STJ」が登場
特別な文字「J」を与えられしたった10台のスペシャルモデル! ついにファイナルを迎えるランボルギーニ・ウラカン「STJ」が登場
WEB CARTOP
札幌市、2024年度のEV補助金を一律10万円へ 軽EVは5万円 より多くの購入者に支給
札幌市、2024年度のEV補助金を一律10万円へ 軽EVは5万円 より多くの購入者に支給
日刊自動車新聞
発表後わずか1週間でモデル名変更 アルファロメオの新型SUVの名前は「ミラノ」から「ジュニア」へ 一体何があったのか?
発表後わずか1週間でモデル名変更 アルファロメオの新型SUVの名前は「ミラノ」から「ジュニア」へ 一体何があったのか?
AutoBild Japan

みんなのコメント

4件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村