■ラリージャパン2023はどうだった?
WRC世界ラリー選手権2023年シリーズの最終戦を飾った「ラリージャパン2023」。
愛知県・岐阜県で2年連続の開催となりましたが、どのような大会となったのでしょうか。
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2022年に12年越しの開催となったラリージャパン。
2023年は11月16日から19日に開催され、新たに豊田スタジアム内に特設コースを作ったり、岡崎SSを高低差のある公園で開催するなど、様々なカイゼンが見られました。
競技1日目(16日)は、夕方から豊田スタジアムの特設コースを使った競技が行われ、観客からは「いつもの豊田スタジアムがこんなに変わるのは凄い。2台が目の前を凄い速さで過ぎていくという普段味わえない経験が出来て感動してます」という声も。
また各チーム関係者からは「大勢のお客の前で見てもらえるのは凄い嬉しいです。ただコースとしては難しい部分もあるので、なんとか上手く走りたいです」と声が聞かれました。
本格的な競技が始まった17日は生憎の雨となり、TGR-WRTの勝田貴元選手、ヒョンデのダニ・ソルド選手、Mスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー選手が「伊勢神トンネル 11.81km地点」でトラブルに見舞われる一面も。
3日目(18日)、4日目(19日)は天候もほぼ晴れとなり、激しいバトルが繰り広げられます。
母国ラリーとなったTGR-WRTは1位(エバンス/マーティン)、2位オジエ/ランデ、3位(ロバンペラ/ハルットゥネ)がそれぞれの順位を維持しながら戦い、最終的に表彰台をTGR一色で飾りました。
地元出身の勝田/ジョンストンは前述のトラブルが猛烈な追い上げをみせ、24位から10のSSでステージウィンを重ね5位という結果となっています。
なおTGR-WRTはすでにWRC2023年シリーズでドライバーズ、コドライバーズ、マニュファクチャラーズの3タイトル完全制覇。
そして最終戦のラリージャパン、母国日本の道での初優勝を1-2-3-5フィニッシュで飾りました。
このような結果について、TGR-WRTの豊田章男会長は次のようにコメントしています。
「優勝という結果は望んで出来る結果ではありません。
日本の地でフィンランドベースと日本のハイブリッドチームとして結果を出す、彼ら(チーム)の実力にまずは感謝したい。
それを支えた本当に多くのエンジニア、メカニック、スタッフ、1年13戦を支えて、健康に脱落者なく、1年のツアーを終えた。こんなに良いエンディングはないと思います。
トヨタが復活してから4回目、3年連続のマニュファクチャラーチャンピオン。さらに1-2-3の表彰台。
2023年はラリージャパンの最終戦を迎えるにあたって、このチームの会長、代表として色々な立場でやってきました。
プリンシパル代行(チーム代表代行)もやりました。フィンランドの拠点も自立的、カーボンニュートラルでもできる礎も作った。
こうした中で選手が応えてくれるのはありがたく、私も元気をもらえました。
2023年はラトバラもWRCに出れたし、盛り上げるためにラリー北海道にも参加してくれた。
私が見えてる部分と見えてない部分あると思いますが、よくやったと全員に伝えたいと思います」
※ ※ ※
なお前出の豊田章男会長は2年目の愛知県・岐阜県開催となったラリージャパンについて、次のように話しています。
「地元の豊田市と共にフォーラムエイトさん始め、日本的な改善で最初の3年が勝負だと思います。日本でラリーやって良かったなと。
今まではWRCといえば北海道だったが、改めてこの場所が北海道と同じ新たな聖地になるかなと。
また2年続けて見て明らかに笑顔のシェアは増えました。
まだまだ改善点は多いと思いますが、見る人、やる人、支える人、皆さんで協力する。
そうすると、こんな世界ができると多くの人に認識いただき、応援頂けるとありがたいです」
※ ※ ※
なおラリージャパン公式SNSによれば2023年11月16日-19日の4日間にわたり「有料観客席来場者数9万300人、イベント会場5万8600人、沿道応援38万8000人、トータル53万6800人」が訪れたと言い、世界最高峰のラリーに多くの人が興味を持っていたということがわかります。
事前のラリージャパン実行委員会は「有料観客席で10万人の来場見込み、消費活性効果としては約35億円から40億円だと推測」と話していました。
そうしたこともあり、今回のラリージャパンは単純に「ラリーが盛り上がった」という枠を超えて、開催地となる愛知県・岐阜県を大いに活性化させた効果もあると言えます。
3年目となるラリージャパン2024では、どのようなカイゼンが行われ、新たなドラマが生まれるのか、期待が高まります。
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