世代を超えて響く「マッチのマーチ」という記号
2026年1月17日、快晴の日産スタジアムで開催された恒例のリレーマラソン「イイコトチャレンジ」の会場に、ひと際注目を集める1台のコンパクトカーがあった。かつて一世を風靡した伝説の「マッチのマーチ」。年初の東京オートサロンで公開され話題となったモデルだが、これは単なる懐古趣味ではない。近藤真彦氏が現代に問う、クルマと人の原初的な関係性へのアンチテーゼだ。
【画像21枚】「イイコトチャレンジ2026」の会場で展示された「マッチのマーチ」と、近藤真彦氏が語ったマーチに対する思い入れ
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「やっぱり世代の人たちが忘れていなかったんでしょうね。『マッチのマーチ』という響きを」
1980年代を駆け抜けた日産マーチのアイコンであった彼が、2026年の今、再びマーチと向き合っている。驚くべきは、当時のファンだけでなく、今の若い世代にもその熱が伝播していることだ。
「僕にとっては『ギンギラギンにさりげなく』のナンバー2くらいのヒット曲みたいな感覚なんですよ、自分の中では(笑)。当時はあらゆる分野で話題になっていたから、あの言葉には今も力があるのかもしれません」
執念の「ニコイチ」レストア。1000ccのアナログな歓び
目の前にあるマーチは、単に当時のマーチをレストアしただけのものではない。その製作過程には、全国の日産自動車大学校の学生たちの情熱が注ぎ込まれている。
「制作には1年近くかかりました。ベースは赤いAT車。そこに、部品取り用に買った白いMT車からパワートレイン系を移植したんです」
いわゆる「ニコイチ」によるMT化。さらに足周りは特注し、ボディのサビやヘコミは学生たちが徹底的に磨き上げ修復した。リフトアップして下回りを見れば、新車のようにピカピカに輝いているという。
「完成してから富士スピードウェイで走らせたんです。久しぶりのマニュアル操作でしたけど……いやあ、気持ちよかったですね」
近藤氏は少年のように目を輝かせる。 現代のスーパーカーやGT-Rを知り尽くした彼が、なぜ今1000ccのマーチなのか。
「今のクルマは電子制御の塊でしょう? でもこいつは違う。まさに『1/1のプラモデル』なんです。エンジン周りの構造も、僕らの世代なら全部理解できる。そのアナログ感が、たまらなく可愛いんですよ」
移動手段か、ドライビングか
話題は現代のクルマ社会へと及ぶ。近藤氏の視点は、単なる移動手段(モビリティ)へと変化しつつあるという、ある種の危機感と、ドライビング本来の愉悦に向けられている。
「今の若い子たちは移動手段としてクルマを見ている。でも、僕らにとってのクルマは、A地点からB地点へ行くだけのものじゃなかった。その間のプロセスを楽しむものだったんです」
MT車を操る楽しさ。それは、かつてマニュアル車を颯爽と運転していた女性への憧憬とも重なるという。「ヨーロッパに行ったときにタバコをふかしながらギアチェンジする女性の姿がカッコよかった」と笑う近藤氏の言葉には、クルマが「ファッション」であり「自己表現」であった時代への愛着が滲む。
「イイコトチャレンジ」とこれから
この日開催された「イイコトチャレンジ2026」もまた、彼のライフワークだ。ガチンコのレースではなく、笑顔でタスキをつなぐリレーマラソン。「みんな笑顔で走れる。それがいいんです」と語る近藤氏の表情は、ステアリングを握る時と同じく、純粋にその瞬間を楽しんでいるように見えた。
今後、この「新生マッチのマーチ」は、2026年2月から横浜の日産グローバル本社ギャラリーで展示されるほか、京都のディーラーを行脚する予定だという。
「自分の街にも来てほしい、という声が多いんです。だったら、僕自身がこれを運転して全国を回ろうかな、なんてね(笑)」
最新のスーパーカーもいい。しかし、自らの手でギアを選び、エンジンの鼓動をダイレクトに感じるピカピカに仕上がった赤いマーチには、数値では測れない「豊かさ」が詰まっている。
【画像21枚】「イイコトチャレンジ2026」の会場で展示された「マッチのマーチ」と、近藤真彦氏が語ったマーチに対する思い入れ
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まさに1/1プラモデル。