開幕まであと2週間と迫った2025年のFIA ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング選手権に向け、チェコ共和国のアウトドローモ・モストで開催された公式プレシーズンテストに新旧チームが集結。多数の王者経験者やフレッシュなマシン、そしてニューフェイスがグリッドに並び貴重な走行時間を得るとともに、ダカールラリーのヒーローでもあるマーティン・マシックが、カレンダーで8月開催の同地にてFIA ETRCのグリッドに加わることも明かされている。
昨季2024年にはシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)のトラックでテストを行い、サーキット専用モデルの性能を確かめたダカール王者は、改めてシリーズ6冠に輝くヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)の指導のもと、モストで行われたテストセッションに参加。8月30日~31日に同地で開催される第5戦に向けて微調整を行い、ダカールの砂丘からハイペースな欧州トラックレースへの挑戦に全力で取り組んでいる。
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「昨年のサーキットでの経験は本当に刺激的だった。ダカールとはまったく異なる世界だが、アドレナリンがたっぷりと放出されることは間違いないね」と振り返った、イベコ製レーシングトラック使いのマシック。
「ここへ向け一生懸命準備してきたんだ。8月のモストでファンの皆に特別な体験を提供できるのが待ち切れないね」
彼の参戦は地元チェコのファンにとって大きな励みとなり「マーティンとの協力は、我々にとって特別なもの」だと、主催団体AMKモストのメンバーであり、サーキット所有者でもあるヨゼフ・ザイチェクも期待を寄せる。
「彼の参戦はファンに喜びをもたらし、他にはない体験を提供してくれるはずだ。また、インパクトのあるイベントを通してチェコのモータースポーツを発展させるという我々の長期的な目標にも貢献してくれるだろう」
そのテストに完全な新型トラックを持ち込んだディフェンディングチャンピオンのノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)は、当初いくつかの課題を抱えていたものの、チームの雰囲気は依然として良好なままテストを終えた。
「初日はかなり順調だった。いくつか問題はあったが、もっとも重要なものはすぐに解決することができたんだ」と説明したキス。
「ラップタイムは初日から好調で2日目にはさらに向上した。2024年と比べて大きなコンセプトの変更はないけれど、いくつかの点を磨き、改善することに注力したんだ」
そしてこのオフ期間にも真新しいワークショップとガレージを建設し、前人未踏の7冠に向けてゼロから製作された真新しいレーストラックを完成させたチーム・ハーン・レーシングは、2024年型アップデート版を走らせる息子のルーカス・ハーンを伴い、父ヨッヘンが新車で初の本格的なテスト走行を実施。チームはセットアップとパフォーマンステストに注力し、全体的に「生産性の高いプログラムをこなせた」との手応えを得た。
同じくサッシャ・レンツ(SLアポロ・タイヤ・トラックスポーツ/マン)も新車でコースインし、オフシーズン中のクルーの努力を高く評価。ステファン・ファース(タンクプール24レーシング/フレイトライナー)はチームが信頼するスカニアからフレイトライナーに乗り換え、大きな変更点を初披露した。このテストは新しいパッケージに慣れ、その性能を探求することに重点が置かれ、チームは初期段階で発生した問題を克服し貴重なエンジン性能データを収集している。
一方、今シーズン新たにグリッドに加わったルパート・レーシングは、そのレンツが以前使用していたトラックをクリスチャン・ルパートに託し、クレメンス・ヘッカー(ヘッカー・レーシング/スカニア)も走行時間を最大限に活用してセットアップの調整を敢行。お馴染みのドライバーであるシリーズ紅一点のシュティフィ・ハルムも、2024年シーズンでチームが得た知見がすべてアップデートに反映され、全面改良されたイベコで勝利数積算を目指す。
そんなハルムの恩師でもあり、今季3年間のブランクを経て復帰したレネ・ラインアート(ラインアート・レーシング/マン)は、2019年にマンからイベコに乗り換え、必ずしも順風満帆だったわけではないキャリアも鑑みて、今季は改めてノルベルト・キスを4度のヨーロッパ選手権タイトルに導いたまさにその個体を入手し、レースに復帰する。
「マンは私の最初のレーストラックだった。いわば、このトラックとともに成長してきたようなものさ」と語ったラインアート。
「選択肢を検討した結果、ノルビ(キスの愛称)が4度のタイトルを獲得したマンを選ぶことにした。まさに理想的な組み合わせだし、ノルビとチームから技術面でのサポートを受けているから、強力なパッケージになっているんだ」
このオフ期間はハンガリーに滞在しレベス・レーシングとの信頼関係を構築、協力体制を調整してきたラインアートにとっても、このサポートは不可欠な要素だった。
「サポートなしでトラックを購入するなんて意味がない。グリッド上で最高のドライバーのひとりであるノルビから学ぶことも大きなモチベーションになる。数年前なら自分にプレッシャーをかけていたかもしれないが、10年間トラックレースに携わり、50歳を越えた今、物事をありのままに受け止めることを学んだんだ(笑)。以前はレース前は寝不足だったが、今はレースをもっと楽しめるようになっているよ」
そして新たな勢いをさらに加速させるべく、カラーリング、チームウェア、パドックのセッティングを刷新した、まったく新しいマシンで注目を集めたアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)は、チームカラーである白、青、赤はそのままに、大胆な黄色と赤が加わり、スペイン出身アルバセテのナショナルカラーを彷彿とさせるスキームに。
チームエンジニアたちは、今季デビュー予定だった新型レーストラック・シャシーの設計に取り組んでいたが、改めて信頼を寄せる2024年型マシンをそのまま使い続けることを決断し、微調整とアップグレードが施された新年度仕様の性能をテストしている。
[オートスポーツweb 2025年05月02日]
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