フォーミュラEの2024-2025年シーズン第3戦ジェッダE-Prixで、ピットブーストが初めて導入された。このレースを優勝したマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)は、「チャンピオンシップにとって素晴らしい追加要素となった」と高い評価を下したが、他のドライバーの多くは、そのシステムの導入に依然として慎重な構えを見せている。
今回のジェッダE-Prixでは、全てのドライバーに1回のピットストップが義務付けられていた。そこでバッテリー容量の10%分の急速充電を受け、コースに復帰する。この急速充電に要する時間は30秒であり、その前後2秒、合計34秒間ピットガレージ前に停車する必要がある。
■まさに圧勝。日産のローランドが大差をつけて今季2勝目!:フォーミュラEジェッダE-Prixレース2
このレースをポールポジションからスタートしたギュンターは、レース序盤は快調なペースをキープし、後続を引き離していった。しかしセーフティカーが入りリードが消えると、11周目にはオリバー・ローランド(日産)に首位を譲り、エネルギーを節約しながら2番手を走っていた。
その後各車がピットブーストを終えると、ギュンターは8番手までポジションを落とした。ピットアウトした時に他車の真後ろというポジションになってしまったことも、このポジションダウンに影響を及ぼした。
ただギュンターはその後2回目のアタックモードを起動し、次から次へと順位を上げていった。そして最終ラップに入る時には2番手に復帰した。
首位を行くローランドは、ギュンターよりも1周遅くアタックモードを起動させていたが、バッテリー残量が心許なく、ペースが上げられない。そのため、アタックモード中のローランドに、アタックモードが切れたギュンターが追いつくことになった。
そして最終ラップの最終シケインで、ローランドのエネルギー残量がゼロに。アクセルを踏み込めず、その隙を突いてギュンターが首位奪還。劇的な逆転優勝を果たした。
「こういう異なるタイプのレースがあるのは、本当にクールなことだと思う。考え方が大きく異なるため、ピットストップ無しとは全然別のレースを見ることができる」
ギュンターはピットブーストについて語った。
「これはフォーミュラEの技術面での進歩を占めるものだ。30秒で10%も充電できるというのは、競争が激しい中では信じられないことだ」
「これは素晴らしいよ。ファン、マシンに乗っている僕たち、ガレージにいるエンジニアやチームに新しい興奮の要素をもたらす。チャンピオンシップにとって、素晴らしい追加要素だと思うよ」
今回はセーフティカーがレース序盤に出動したこともあり、全てのピットブーストがグリーンフラッグ下で行なわれた。なおこのピットブーストは、いずれのマシンもバッテリー残量が60%以下になった場合にピットウインドウが開く規則になっている。
なお勝利を逃したローランドは、今後ピットブーストは、運の要素が大きくなるはずだと考えている。
「今回はとてもクリーンなレースだったから、見応えが増したと思う」
そうローランドは言う。
「フルコースイエローやセーフティカーがピットストップ中に出ると、いくつかの問題が発生すると思う。でも将来的には、どれだけ長くピットストップするかに応じて、充電するエネルギー量を戦略的に増やしたり減らしたりすることに使えるようになれば、かなり興味深いことになるだろうね」
なお問題が皆無だったわけではない。クプラ・キロのダン・ティクトゥムは、ピットストップ中にバッテリーの故障に見舞われ、マシンを完全にリセットする必要に迫られた。これがなければ、入賞できたはずだとティクトゥムは嘆く。
「充電できなかったんだ。何らかの問題があってエラーが出てしまい、バッテリーに充電されなかった。それにより、マシンをリセットしなければいけなかったんだ」
「このテクノロジーは非常に興味深いと思う。毎回しっかり機能しなければいけないが、まだ準備ができていない場合は、先送りする必要がある。それはシンプルなことだ」
「バッテリーをそれほど速く充電でき、発火しないというのは、市販領域でも非常に重要なテクノロジーになるはずだ。その点では素晴らしいと思う。でもそれがレースを台無しにしてしまうのであれば、僕は興味はないよ」
なお2月15日(土)行なわれたジェッダE-Prixのレース2では、ピットブーストは使われなかった。次は、5月のモナコE-Prix、そしてその後の東京E-Prixでも、ピットブーストが使われる予定になっている。
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