■見た目はMotoGPマシン、でも車重は100kg以上も重いMotoEマシン
FIM Enel MotoE World Cup(以下、MotoE:モト・イー)は、2019年からはじまった電動バイクのチャンピオンシップです。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリに併催され、2021年は6戦7レースが予定されています。
「日本のライダーたちの希望になりたかった」小さなバイク屋さんが市販レーサーホンダ「NSF250R」で世界に挑戦した理由
MotoEはマシンもタイヤもそれぞれ単一メーカーによって供給されています。つまり、MotoEライダーは同じマシン、同じタイヤでレースを戦うわけです。
まず、MotoEのタイヤはミシュランが供給しています。決勝レースが5周から7周と短いため、熱が入りやすく短時間で性能を発揮するタイヤが必要となります。2020年はフロントタイヤのコンパウンドが変更され、リアタイヤについては2019年に比べて大幅に変わり、コンパウンド、構成などもアップデートされました。タイヤの中心部を小さく高くし、MotoGPクラスのタイヤに近いものになったのです。
そしてMotoEマシンは、イタリアの電動バイクメーカー『Energica Motor Company』(以下、エネルジカ)の電動レーサー『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』が供給されています。エネルジカによるMotoEマシンの供給は、2022年まで継続することが決まっています。
2020年型『エゴ・コルサ』は、最高速度270km/h、出力は約120kWで、最低車両重量は260kgとヘビー級です。車格としては1000ccクラスですが、MotoGPマシン(排気量1000cc)の最低重量157kgに対して100kg以上も重いことになります。軽量化は今後の課題と言えるでしょう。
また2019年型と比べると、低回転域のトルクが約10パーセント向上し、2019年型が200Nm(0から5000rpm)だったのに対し、2020年型は215Nm(0から5000rpm)となりました。オーリンズ製フロントフォークもヘビー級の車重を受け止めるために、よりゆっくり沈むよう改善されています。
さて、MotoEマシンはどのくらいの速さなのでしょうか。ここで2020年のMotoEと、Moto3クラス(4ストローク単気筒250ccレーサーで争われるクラス)のタイムを比較してみましょう。以下はグランプリで行なわれた全セッション、全ライダーの中から「最速タイム」と「最高速」を抽出したものです。
■第2戦スペインGP(ヘレス・サーキット)MotoE【最速タイム】1’47.656【最高速】228.3km/hMoto3【最速タイム】1’45.465【最高速】216.4km/h
■第3戦アンダルシアGP(ヘレス・サーキット)MotoE【最速タイム】1’47.584【最高速】227.3km/hMoto3【最速タイム】1’45.165【最高速】217.3km/h
■第7戦サンマリノGP(ミサノ・サーキット)MotoE【最速タイム】1’43.261【最高速】225.9km/hMoto3【最速タイム】1’41.899【最高速】213.0km/h
■第8戦エミリア・ロマーニャGP(ミサノ・サーキット)MotoE【最速タイム】1’42.910【最高速】224.5km/h ※2レースMoto3【最速タイム】1’41.155【最高速】213.4km/h
■第10戦フランスGP(ル・マン-ブガッティ・サーキット)MotoE【最速タイム】1’43.465【最高速】236.3km/h ※2レースMoto3【最速タイム】1’41.399【最高速】226.6km/h
MotoEの最速タイムは、Moto3クラスの約1秒から2秒落ちということがわかります。一方、最高速はすべてのサーキットでMotoEが上回っています。
電動バイクは立ち上がりの加速がとても良いのですが、車体が重いため切り返しや低速コーナーの多いサーキットでMotoEマシンを走らせるのは、より難しいそうです。
これを証明するように、ストレートが多くコーナー間の切り返しの少ない高速サーキットであるレッドブル・リンク(2019年オーストリアGP)では、最速タイムがMoto3クラスのタイムを上回りました。上記のタイム比較は「最速タイム」と「最高速」だけなので一概には言い切れませんが、おおよそのタイムや傾向として捉えることはできるでしょう。
2021年シーズンのMotoEは、3月2日から4日にかけてスペインのヘレス・サーキットで行なわれる公式テストから始動します。
シーズン3年目を迎え、電動レーサー『エゴ・コルサ』はどのような進化を遂げるのか、楽しみですね。
■2020年型『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』主要諸元モーター:永久磁石AC、油冷最高速度:270km/h最高出力:約120kWトルク:215Nm(0から5000rpm)バッテリー:高電圧リチウムイオンバッテリーパック(約20kWh)再充電:急速充電DCモード4ホイール:鍛造アルミニウムフェアリング(CRPテクノロジー):複合材料Windformタイヤ:ミシュランフレーム:スチールチューブラートレリススイングアーム:鋳造アルミニウムサスペンション:オーリンズ製フロントブレーキ:330mmスチール製Tドライブローター、ブレンボ製GP4ニッケルメッキ4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパー、Z04パッド、ブレンボ製マスターシリンダーリアブレーキ:220mmローター、ブレンボ製キャリパー
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
もう[トヨタ]が開発してるだと!!!!!!!!!!! 次期型[GR86/BRZ]は1.6Lターボ+ハイブリッドでほぼ確定か!?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
乗る人間の方もパワーと重量の重さにもてあそばれて、内燃機関のバイクには到底追いつけるようなものでは無い。
それにモーターの特性上立ち上がりが一番トルク出るので、雨天の際のアクセルコントロールも相当難しい、ブレーキやタイヤにも優しくないと思いますね。
逆にタイヤ、ブレーキなどの無駄使いになると思います。
私は乗りたくない。
立ち上がりだけ勢いがあるが速度が乗ってくると失速するようなモーター特性大嫌い。
高回転での伸びがある内燃機関の方が好みですね。