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580psを後輪のみで御す漢気仕様! マセラティ ギブリ トロフェオとギブリ ハイブリッドをサーキットで振り回す

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580psを後輪のみで御す漢気仕様! マセラティ ギブリ トロフェオとギブリ ハイブリッドをサーキットで振り回す

Maserati Ghibli Trofeo / Ghibli Hybrid

マセラティ ギブリ トロフェオ/ギブリ ハイブリッド

プレミアムEVは主流になるか? メルセデス・ベンツ EQCとジャガー Iペイスの試乗を通じて考察【Playback GENROQ 2020】

帰ってきたプレジャー

マセラティのサルーンラインナップにあって、コンパクトなボディとスポーティな走りが魅力のギブリ。そのギブリに初めてV8エンジンとハイブリッドの2機種が追加された。ラグジュアリースポーツサルーンの新境地を試した。

「ギブリ トロフェオは超高出力エンジンに後輪駆動という過激なパッケージング」

CO2排出量削減やエミッション対応で勢いこそ鈍ったが、エンジンの高出力、大トルク化はもはや青天井だ。つい最近まで500ps超えはスーパースポーツの証と思っていたが、今やラグジュアリーサルーンやSUVまでその数値を標榜している。今回試乗したマセラティ ギブリ トロフェオのスペック表にも、580psという途轍もない最高出力が明示される。

2013年に登場したギブリは、レヴァンテが登場するまで近年マセラティを支えてきたEセグメントラグジュアリーサルーンだ。昨年8月クアトロポルテとともにトロフェオグレードが加わり、最高出力580ps、最大トルク730Nmを発揮するマラネッロ製3.8リッターV8ツインターボが搭載された。組み合わされるトランスミッションはZF製8速ATで最高速度326km/hを誇る。0-100km/h加速4.3秒はレヴァンテの3.9秒より遅いが、これは駆動方式の違いだろう。そうギブリ トロフェオは超高出力エンジンに後輪駆動という過激なパッケージングなのだ。

「徹頭徹尾、後輪のみで580psを御する走りが求められる」

同じくEセグメントのメルセデスAMG E 63 S 4マティック(612ps)やBMW M5コンペティション(625ps)がAWDでありながら、なかば余興的にRWDモードを選択できるのに対し、こちらは徹頭徹尾、後輪のみで580psを御する走りが求められる。試乗が袖ヶ浦フォレストレースウェイでよかった。

すでにピットにはトロフェオが臨戦体勢で用意されていた。外観上の識別点はボンネットフードに2つのエアスクープがあいている他、マセラティのデザインアイコンであるフロントフェンダー左右の3連サイドエアベントが赤になるなど。さらにリヤスポイラー、リヤディフューザーをカーボン製としている。ついでにブレーキもカーボンセラミック製だ。個人的にはMY19でテールランプが往年の3200GTを彷彿させるブーメランデザインとなったことが好ましい。

「手なずけられたハイパワーサルーンを物足りないと思う武闘派には最高の選択肢」

アイドリングからして、すでにその凶暴性がにじむトロフェオだが、スポーツモードを選択して、アクセルを踏み込むと、鋭いレスポンスで期待どおりの爆発的加速を見せた。試乗車は国際試乗会に供されたプリプロダクションモデルで、走行距離はすでに8000kmを超えているがヤレ感はなくシャキッとした印象だ。

気をよくしてコルサモードに変えるとESCの警告灯が点灯しオフになった。これで存分に機械式LSDによるクリーミーなドリフトが堪能できる。V8ツインターボはますます鋭く吠え、変速スピードが早まり、ダンパーの減衰力もさらに硬くなった。ホイールベース3mのサルーンでこんなに楽しめるとは。ギブリ トロフェオはマセラティ量産車最速モデルという期待に十分応えてくれた。ただし7250rpmのレッドゾーンまできっちり回してペースを高めると、以前は枕詞でもあったトランスアクスルではないこともあって重量配分はややフロント寄り。つまり鼻先は軽くない。それでも、いとも簡単にテールを振り出してくれるハードボイルドさは他にない唯一無二の魅力だ。手なずけられたハイパワーサルーンを物足りないと思う武闘派には最高の選択肢といえる。なお試さなかったがACCなどADASも備わる。

「ハイブリッドは優れた重量バランスが好印象」

今回の試乗会にはマセラティ初のハイブリッドモデルであるギブリ ハイブリッドも用意されていた。ディーゼルモデルの廃止に伴い、次世代パワートレインの軸となるグレードだ。搭載されるエンジンはアルファロメオにも採用されるFCA製の2.0リッター直4ターボをベースに、モデナでチューニングしたもの。識別点はやはりフロントフェンダーの3連エアダクトでこちらは青になる。BSG(ベルト・スターター・ジェネレーター)とボルグワーナー製eブースターを組み合わせた最近流行の48Vハイブリッドシステムである。

しかしそこはマセラティだ。単にエコ志向であるはずもなく、3000rpmから十分なトルクを発揮し、ステアリングコラムに固定されたパドルによるシフト操作がトロフェオ同様に気持ちいい。48Vシステムのバッテリーはトランク床下に積まれており、前後重量バランスはむしろトロフェオより優れるかもしれない。スポーツモードでテールが出ても穏やか。トロフェオのようなやんちゃ感はないがこちらも好印象だった。

REPORT/吉岡卓朗(Takuro YOSHIOKA)
PHOTO/MASERATI JAPAN

MAGAZINE/GENROQ 2021年5月号

【SPECIFICATIONS】

マセラティ ギブリ トロフェオ〈ハイブリッド〉

ボディサイズ:全長4971 全幅1945 全高1461mm
ホイールベース:2998mm
車両重量(Kerb):1969〈1950〉kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ〈直列4気筒DOHCターボ〉
ボア×ストローク:86.5〈84〉×80.8〈90〉mm
総排気量:3799〈1998〉cc
最高出力:427〈243〉kW(580〈330〉ps)/6750〈5750〉rpm
最大トルク:730〈450〉Nm(74.4〈45.9〉kgm)/2250-5250〈4000〉rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
最高速度:326〈255〉km/h
0-100km/h加速:4.3〈5.7〉秒
燃料消費率:12.3-12.6〈8.5-9.6〉L/100km(WLTC)

【問い合わせ】
マセラティコールセンター
TEL 0120-965-120

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みんなのコメント

8件
  • アルファのクアドリフォリオもFRのみの設定ですけど、この話には混ぜていただけなかったようで…
  • レクサスは、トヨタ品質でこういう妖艶さを出せば、今のように「高いトヨタ」的な批判も減ると思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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