専用輸送機材を新開発したことでJAL旅客便にクルマが積める!
今年もSUBARUが挑戦したニュルブルクリンク24時間レース。そのレースに参加するためにマシンがドイツに向けて送られるのだが、今年の「SUBARU WRX STI 2018」は、多くの搭乗者を乗せたフランクフルト行きのJAL407便に載せられての出発。貨物便ではなく、旅客便で送られたマシン。その模様をマリオ高野がリポート!
「インプレッサGV/GR編」注意すべきメンテナンスのチェックポイント7つ
マシンと一緒に飛んだり愛車を積むことも可能になった
すでにご存知の人も多いと思うが、今年のニュル参戦マシンは貨物便ではなくJALが開発した専用輸送器材(新パレットタイプ)により旅客便の貨物室に搭載して運ばれた。新パレットでは航空機の進行方向に沿ってクルマを搭載できるようになり(従来は横向きにしか積めなかった)、航空機胴体の横幅による制限を受けず、多様な車種の安全かつ高品質な輸送が可能になった。SUBARUチーム辰己監督も、ニュルのマシンが飛行機に搭載される様子を見るのは今回が初めてということで、現地でのレース本番に向けて気持ちがより引き締まったと語っていた。すでにSUBARU車の車両輸送実績は国際線で7台もあるが、今回は初のレーシングカーなので、これまでのクルマより搭載するまでに時間がかかった様子だ。リアウイングと天井のクリアランスがギリギリで、見ている方は少しハラハラしたが、車体はパレットによって確実に固定されているので、飛行中の揺れなどでマシンが損傷するようなことはないという。時間とお金があれば大急ぎでフランクフルト行きのチケットを買ってJAL407便で一緒に飛び立ちたかったが、来年以降、どの便で飛び立つのかがわかればマシンと一緒にドイツへ行くことができるかもしれない。このサービスは一般でも利用できるので、自分の愛車を搭載してもらうことも可能。ドイツだと片道300万円ほどかかるらしいが、是非富裕層の皆さんは贅沢な旅として利用していただきたいと思う。搭載後は成田空港の展望デッキへ移動し、ニュル号を積んだJAL407便が離陸して飛び発っていくのを見送ることができたのも貴重な体験となった。
市販車ベースとはいえレースカーは車高が極端に低いマシンのため、フロントバンパーは外され、単体で積み込まれた。
マシンが運ばれてきたときはベールに包まれた状態だった。メディア公開がなければこのまま積まれた模様。
現状では最大で全高163cmまでなので背の高いSUVを積むことはできないが、タイヤを外すなどの工夫次第で可能となるかもしれないとのこと。
マシン搭載後は操縦席の窓から機長が手を振られ、辰己監督も「よろしくお願いします!」と応えていた。
【JAL J SOLUTION WHEELを利用】
回転する専用パレットが機内への積み込みを可能にする
船積みなどでの自走(あるいは手押し)で運ぶのは損傷リスクが高いが、専用パレットに固定すれば安全。作業員がクルマ本体に触れることもなく展開でき、スペース効率も高いという。全長5140mmまでのセダンならOK。
(TEXT/マリオ高野)(リポート/SUBARUマガジン編集部)
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