嬉しさ悔しさ入り交じるフェネストラズのもてぎ戦。予選で坪井超え5番手と健闘も課題残す「ハッピーだったよ……決勝まではね！」｜スーパーフォーミュラ第3戦

　スーパーフォーミュラ第3戦もてぎで、サッシャ・フェネストラズ（VANTELIN TEAM TOM’S）は復帰後初となる8位入賞を果たした。ただ過去にシリーズ2位を獲得した経験のあるフェネストラズにとってはまだまだ満足のいく結果ではなく、改善点が多くあるとコメントした。

　宮田莉朋、坪井翔と2年続けてチャンピオンを輩出した一方で、もう1台のマシンが苦戦してきたVANTELIN TEAM TOM’S。今季加入のフェネストラズがその悪い流れを断ち切れるかに注目が集まる中シーズンを迎えた。フェネストラズは鈴鹿での2レースでは入賞を逃したが、もてぎでの第3戦では予選5番手を獲得してみせた。

　担当する大立健太エンジニアも、ジュリアーノ・アレジ、笹原右京らと結果が出ない苦しい日々を送ってきたひとり。アレジと言えば2021年の雨のオートポリス戦でのポールポジションも印象深いが、「ドライで言えば、2020年に（中嶋）一貴さんがここもてぎで5番手をとって以来（の好結果）ですね」と安堵の表情を見せた。

　今回の予選に向けては、フェネストラズが久々にもてぎを走るということも考慮し、チームメイトである坪井のセットアップをベースにしつつ、レースウィークを進めてきたとのこと。「95％坪井のセットアップ（フェネストラズ談）」をフェネストラズ向けに調整した結果、「それがなんとかハマってくれた（大立エンジニア談）」というのが予選の顛末だという。

「予選はここ数年難しい状況だった37号車のみんなにとっても良かった。僕たちはハッピーだったよ……レースまではね！」

　そう語るフェネストラズ。決勝ではスタートに失敗しポジションダウンしてしまった。それでも入賞は果たしたが、追い上げて上位陣に食らいついていくほどのペースはなかった。

　スーパーフォーミュラにおけるスタートの成否は、ドライバーのクラッチ操作の良し悪しではなく、事前の“バイトポイント（クラッチの繋がるポイント）”の設定にかかっていると言われる。フェネストラズ曰く、KONDO RACING時代は自分で設定していたが、TOM'Sではチームがセッティングするという点で違いがあるとのこと。「ウォームアップでは『ちょっと（設定を）攻めすぎだから、アンチストールに気を付けないと』と言ったんだけどね。自分で設定するならミスがあっても自分のせいと割り切れるんだけど……」と残念がった。

　ストールがなければ5位や6位でフィニッシュできた可能性はあるものの、12番手スタートから4位でフィニッシュした坪井と比べ、タイヤの性能劣化にも悩まされたというフェネストラズ。「まだ改善すべき点がたくさんある。ショウとの違いを分析して明日に向けてどうするかを考える必要がある」と語った。