2023 AUTOBACS SUPER GT第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』)(1周5807m×77周)の決勝レースが8月27日(日)に灼熱の鈴鹿サーキットで行われた。スタートの時点で気温は33℃、路面温度は50℃まで達していた。
ポールポジションからスタートした#16 ARTA MUGEN NSX-GTは快調に後続車とのリードを広げていく。6周目にはポイントリーダー#3 Niterra MOTUL Z、8周目に7位スタートの#8 ARTA MUGEN NSX-GTが早くも上位を狙う作戦で最初のピットインを行う。
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その後トップの#16 ARTA MUGEN NSX-GTは11周目にGT300クラスのマシンがコースアウトしてしまうアクシデントが発生し、FCY(フルコースイエロー)が宣言されるのだが、その寸前にピットレーンに入ることに成功。ピット作業を終えてピットアウトする。
一方#24リアライズコーポレーション ADVAN Zも#16同様ピットレーンに滑り込んだが、FCYが宣言されたあとのピットインと判定され、60秒のペナルティストップを受けてしまった。それによって大きく順位を落としてしまう事になる。
GT500全チームが1回目のピット作業を終えた時点でも#16は2番手に大量リードをつけることに成功。27周目まで引っ張りピットインを行なった#17Astemo NSX-GTはピットアウト後、早めのピットインを行い、ペースが思うように上がらない#3Niterra MOTUL Z3に数週行く手を阻まれる。さらに、15周目に最初のピット作業を行なった12番手スタートの#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraにオーバーテイクされてしまう。
その後、29周目に#36 au TOM'S GR Supraが入り全車が最初のピットを終え、その時点でのオーダーは#16 ARTA NSX GT、#23 MOTUL AUTECH Z、#3Niterra MOTUL Z、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、#14 ENEOS X PRIME GR Supraとなる。その一方でポイントリーダーでサクセスウエイト等課されている#3Niterraのペースが上がらず、ポジションを下げていく。
40周目前後#3 Niterraを皮切りに各チーム2回目のピットストップを次々と行う。その後、全車が最後のピットを終えた時点でのオーダー#16 ARTA NSX GT、#23 MOTUL AUTECH Z 、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraなった。
レース終盤になると、#37 Deloitte TOM'S GR Supraと#8号車ARTA NSX GTがヘアピンで接触し、#8のマシンは接触が原因か車体が路面に当たり、火花を上げながら130Rでコースオフ。コース復帰は叶ったものの3度目のFCYが出された。FCYはすぐに解除され、その後#16 ARTA MUGEN NSX-GTが後続に10秒045の差をつけ見事ポールトゥウインを達成した。
2番手は#23 MOTUL AUTECH Zだったが、レース後の車検でスキッドブロック(最低地上高を確保するパーツ)が規定以上に削れていたため、違反と判定されて失格となってしまい、後続車とのバトルを制し、3位でゴールした#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが2位に。4位でゴールした#14 ENEOS X PRIME GR Supraが3位となった。
Rd,4時点でのポイントリーダー#No.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正 / 高星明誠)は結局13位でノーポイントだったが49ポイントでトップをキープ。ランキング2位の#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔 / 宮田莉朋)も10位となり45ポイントとなり2位をキープとなりドライバーズランキングのトップ2の変動はなし。今回優勝した#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺 / 大津弘樹)が37ポイントで3位に浮上してきた。
GT300クラスもNSXが勝利
GT300は、ポールポジションからのスタートとなった#61 SUBARU BRZ R&D SPORTは1周目からスタートダッシュを決め、後続車とのリードを拡げていく。2番手には#96 K-tunes RC F GT、3番手に#4 グッドスマイル 初音ミク AMG、4番手に#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3と続く。
レギュレーションで5周目までは2回のピットイン義務が消化できないがその5周目を過ぎると、5番手を走っていた#50 ANEST IWATA Racing RC F GT3、#5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号、#7 Studie BMW M4、#2 muta Racing GR86 GTらが早速1回目のピットインを行う作戦に出た。
快調にトップを走る#61 SUBARU BRZ R&D SPORTに続き、14周目には#4 グッドスマイル 初音ミクAMGがペースの上がらない#96 K-tunes RC F GT交わし2位に浮上。さらに#96は、#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3にも先行を許してしまう。
その後、トップを走る#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが16周でピットイン、2位の#4 グッドスマイル 初音ミク AMG18周でピットインを行う。これでほぼ全車が1回目のピットインをし、レース中盤の時点でトップに立ったのは早々と5周目にピットインした#2 muta Racing GR86 GTだ。2位には6周目にピットインした#31 apr LC500h GT。しかしその後、早めにピットインしたチームに対し、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTや、#88 JLOC ランボルギーニ GT3らの1度目のピットインを少し遅めにしたチームが、早々にピットインを行なったチームの車両を続々とオーバーテイクしていく。#61 SUBARU BRZ R&D SPORTは#88 JLOC ランボルギーニ GT3に並び掛けられるも、その後すぐ41周目に2回目のピットインに向かい、ピットアウト後に2回目のピットインを37周目を行なっている#2 muta Racing GR86 GTに迫る。
この時点でレース終盤まで2度目のピットインを引っ張っていた#88JLOC ランボルギーニ GT3、#4 グッドスマイル 初音ミク AMG、そしてサクセスウエイトを100kgを積む#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3、そして#18 UPGARAGE NSX GT3の上位5チームが2回目のピットインをいつ行うかに注目が集まっていた。
そして45周目になんと12位から着々とポジションを上げていた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが130Rの手前で右リヤタイヤが外れ、コースアウトし130Rでクラッシュ。大きなクラッシュではなかった為、ドライバーも無事で何よりであったが、このクラッシュにより2回目のFCYが導入される事に。そして、このFCY導入前のピットインに成功したのが#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3、#18 UPGARAGE NSX GT3だ。
#18 UPGARAGE NSX GT3はその後、#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3の前に出る事に成功し、トップに躍り出た。
これでレース終盤は、このチャンスをものにした#18UPGARAGE NSX GT3、#87 bamboo Airways Lamborghini GT3で争われるかと思いきや、その後のGT500クラスのアクシデントで導入されたFCY解除後にポジションを徐々に取り戻してきた#61 SUBARU BRZ R&D SPORTがトップ2台を猛追していたが順位は変わらず、#18 UPGARAGE NSX GT3 が#87 Bamboo Airways Lamborghini GT3のバトルを制しトップチェッカーを受け、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが3位となった。
16位スタートから優勝を勝ち取った#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志 / 小出峻)が今季2勝目を飾りドライバーランキングが、#7 Studie BMW M4の荒聖治と同点だが、優勝回数で上回っておりトップに立った。
早くも今シーズンも残り3戦となり、次戦は9/16-17に宮城県のスポーツランドSUGOでRd.6が開催される。チャンピオン獲得を賭けた壮絶バトルが今から楽しみで仕方ない。是非脚を運んでこのド迫力レースを生で観て欲しい。
Photo/Text:Hisao Sakakibara
【筆者の紹介】 Hisao sakakibara モータスポーツフォトグラファー。レーシングカー好きが高じて、サーキット通いに明け暮れる。モータスポーツの撮影取材を始めて25年のベテランフォトグラファー。
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