「そう言えば乗っていない」
きっかけは、「そう言えば乗っていない」と気がついたことだった。日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015(COTY)を受賞した、ホンダ・フリードの話である。
【画像】今回試乗したホンダ・フリード、アコード、そして2012年にアメリカで撮影したアキュラTSXスポーツワゴン! 全61枚
実のところ、COTY受賞車に(しっかりと)乗ったことがないというのは、今に始まった話ではない。細かくは書かないが、今調べたところここ10年で受賞した10台中5台は、それなりの距離を乗れていなかった。
趣味車に特化した前職時代ならさて置き、現職の立ち位置においてこれはよくない……と思い、フリードに加え、これまた乗れていないアコード、そして試乗会で乗れなかったシビックのハイブリッドという3台を、約1週間ずつ取材させて頂くことになった次第だ。
現在の日本国内におけるホンダの新車ラインナップを見ると、そのほとんどが軽自動車、ミニバンやSUVのいずれかで、セダンはシビックとアコード、スポーツカーはシビック・タイプRのみとなる。これを寂しく思うのは筆者だけではないだろうが、時代の流れと納得している。
先日出席したホンダの『2025ビジネスアップデート』のプレゼンで代表取締役社長の三部敏宏さんは、「2021年の就任以来、総合モビリティカンパニーとして移動の喜びを提供してきた」と述べた。そして、「2050年までに全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルと、交通事故死者ゼロを実現するという目標達成に向けたフロントランナーになると掲げている」ことも、強調している。
全ての取材を終え、今思っているのは、そういう前提でホンダ車を見る必要があるということだ。それでは、取材の時系列順に振り返ってみたいと思う。
フリードはホンダのベストセラーカー
まずはフリードから。今回お借りしたのは、『ホンダ・フリードe:HEVエアーEX』の7人乗りで、ボディカラーはシーベットブルー・パールである。念のため書いておくと、同グレードは7人乗りがFFのみ、6人乗りにFFと4WDが用意される。クロスターと呼ばれる、アウトドアイメージのグレードがあるのも特徴だ。
フリードは、日本自動車販売協会連合会が公表している2014年の乗用車ブランド通称名別順位において、8万5368台で5位に入っている。これはトヨタ・カローラ、ヤリス、シエンタ、日産ノートに続くもので、ホンダのベストセラーカーだ。参考までに同じホンダでは、ヴェゼルが7万5424台で9位に入っている。
確かに、筆者が住んでいる静岡県東部で周囲を見渡すと、フリードやシエンタはかなりの台数が走っている印象だ。やはり6~7人が乗れるミニバンで5ナンバーに収まっているのは強くて(クロスターは3ナンバーだが)、写真のような狭い道が多いところでこのパッケージは魅力的。取材車の325万6000円という価格も、手が届きやすい範囲と言える。
高速を中心とした長距離を乗っていると、クルマの上屋が重く感じたり、シートの座面が薄く感じたり、足まわりも少しバタつく感じがしたりと、個人的には気になる部分がいくつかあった。
しかしその間、燃費は20km/L以上をシレッと記録し、改めてナンバープレートを見て「これ、5ナンバーか!」とそのサイズに驚き、アレンジが簡単な3列目シートに感心。そしてこのボディカラーがかなり気に入っていて、室内の素材感も良好。だんだんと、売れるクルマの雰囲気が各部から伝わってきた。
ご存知のように、ホンダには昔から『M・M思想』と呼ばれる、『マン・マキシマム/メカ・ミニマム』、すなわち『人のためのスペースは最大に、メカニズムのためのスペースは最小に』という考え方がある。なるほど、フリードは現代におけるM・M思想体現車なのか……と妙に納得してしまった。
アコードはアメリカ人好みの雰囲気
続いてはアコード。お借りしたのは『ホンダ・アコードe:HEV』で、ボディカラーはプラチナホワイト・パールである。
アコードといえば、個人的にはリトラクタブルヘッドライトの3代目が一番好きだが、2012年に初めてデトロイト・ショーの取材へ行った時に『アキュラTSXスポーツワゴン』、つまり先代アコード・ワゴンをお借りして乗ったのが忘れられない。
当時のカー・マガジンで私は、『フラットな乗り心地は本当に素晴らしいデキで、NSXと合わせてすっかりアキュラ・ファンに』と書いていた。NSXの話は稿を改めるとして、「きっとこういうクルマをアメリカ人は好きなんだろうなぁ」と思ったのを今でもよく覚えている。
雑な書き方になるが、乗り心地がソフトでフワフワしたよさがあるアメリカ車と、時にはハードに感じるしっかりとした足まわりの欧州車、その中間にあるように感じたのだ。後に登場するキャデラックCTSあたりがまさにそういうクルマで、今回試乗した現行アコードもフラットな路面に強い乗り心地など、まさに先代譲りとなるアメリカ人好みの雰囲気があった。
また、デザインもサイドプロポーションが伸びやかで、フロントマスクはアメリカから逆輸入してきたと言われても信じそうな雰囲気。そして一番いいと思ったのは、2L直列4気筒+モーターとなるハイブリッドの走りだ。
エンジンは147ps/18.6kg-m、モーターは184ps/34.2kg-mあり、数字から想像できるように結構パワフルだ。『自分が思っているより1~2割は速く走っている』イメージで、ハンドリングも意外とスポーティで気持ちよく走ることができる。これが『ホンダらしい』部分? と感心しつつも、559万9000円という価格に驚いてしまった……。
というところで、長くなってきたので、このホンダ話は次回へと続きます。
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みんなのコメント
今は本家日本が衰退し海外、ホンダだと北米市場が一番のマーケットで会社の勢いがある。他メーカーも含めほぼ設計から海外が主流となりましたね。