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さすがに令和だし……と思ったらまだ生き残ってる! 中国名物「パクリカー」は健在だった

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さすがに令和だし……と思ったらまだ生き残ってる! 中国名物「パクリカー」は健在だった

 この記事をまとめると

■かつて中国のモーターショーでは日本車や欧州車を真似たコピー車が数多く出展されていた

「雷克薩斯(レクサス)」「馬自達(マツダ)」「森林人(フォレスター)」! 上海ショーに行ったら中国名物の「当て字の漢字表記」が減りつつあってちょっと寂しいぞ!!

■上海モーターショー2025でも数多くのコピー車を見かけた

■日本で人気の高い日本車のコンセプトであれば中国でも通用すると考えられているようだ

 いまだ中国のモーターショーにはコピー車の出展が数多い

 その昔、中国のオートショーといえば日本車ベースが多く、コピー車(パクリ)ばかりで「万国ビックリショー」のようになっていた。民放の夕方のニュースショーや、ワイドショーではこぞってそのコピーぶりを楽しく報じていた。聞いた限りでは本物の日本車の設計データをどこかから手に入れて製造していたとの話もあるので、それは似ていて当たり前というもの。

 当時から日本メーカーのエンジニアのヘッドハンティングは盛んに行われていた。収入面の金額が破格なだけでなく、転職して在職している間はタワーマンションにメイドさん、ハイヤーなどがつき、金銭面以外の待遇も破格なものとなっていたようだ。中国で聞いた話ではそんな夢の転職生活に憧れたある日系メーカーの現地駐在エンジニアが、自社車両の設計データをもって就活していたなどという話も聞いたことがある。

 そもそも設計データのもち出しとなると大ごとになるが、転職してエンジニア個々の頭のなかにあるものをアウトプットして車両開発に使うということはよくあったようだ。数年もすればアウトプットするネタも枯渇するので、転職するほうも短期勝負(短期間でお役御免になる)で新天地に移動していたようだ。

 データやエンジニアの入手ができなくとも、ショーに展示してある日本車などを3Dスキャンするという手法もコピー車あるあるで、筆者も欧米など場所を選ばずに熱心に会場で3Dスキャンしている人物を目にしたことがある。

 なぜ積極的にコピーしていたかというと、当時の中国メーカーの幹部はまさに中国がコテコテの共産主義の時代から成りあがったひとがほとんどで、海外駐在経験なども乏しいひとが多いので、単純に欧米や日本の有名なモデルとそっくりな車両を作ればいいじゃないかということだったようだ。独自のコンセプトを打ち出して開発するよりも「欧米の人気車をパクれば売れるだろう」みたいな結論になっていたようだ。

 そこから時代は流れ、企業幹部も欧米や日本への留学経験も豊富になり、英語をはじめ語学堪能な世代へと時代は移り変わり、また欧米や日本から積極的にエンジニアを招聘し、独自の開発能力を高めることで、中国メーカーは20年ほどで世界的にも注目される中国系ブランドがいくつも現れるようになったのである。

 聞いたこともないメーカーの名前も知らないコピー車

 それではコピー車はなくなったのかというとそうでもない。2025年4月末から5月上旬に開催された上海モーターショー(上海国際汽車工業展覧会)会場でも、そっくりそのままというレベルとまではいかなくとも、エッセンスをちょうだいし”程度のものを感じる展示車には出会うことができた。

 まずは、さんざん会場内を歩きまわった夕方遅く出会ったのが、奇瑞汽車の「風雲A8L」である。車名自体も聞いたことがあるのだが、実車を見たときはかなり歩き疲れていたこともあり、「ここってアウディブース」と錯覚してしまった。シングルフレームグリル風のフロントグリルだけならまだしも、ヘッドライトも含めた顔つき全体はまさにアウディを感じずにはいられなかった。グリルセンターにフォーリングスをつければ、中国限定のアウディ車といわれても妙に納得してしまうだろう。

 ここまであれっと思うモデルは筆者の記憶では風雲A8Lぐらいであったが、中国にはショーに出てこないようなメーカーが全土に無数にあるので、まだまだコピー車というものは注意深く探せば結構いそうである。

 日本の軽自動車をオマージュしたようなモデルも数多く展示されていた。背が高くスライドドアを採用したモデルなどは、日本の軽自動車からヒントをもらっているのではないかと考えてしまう。

 ボディサイズこそ日本の軽自動車規格ではないものの、ジムニーのような存在感を見せるオフロードSUVスタイルのBEVもいたるところで見かけた。

 拡大解釈すれば、高級商務車とも呼ばれる大型のラグジュアリーミニバンは、いまや多くの中国メーカーでラインアップしているが、これもトヨタ・アルファードからヒントを得ていることは否定できないはずだ。

 北京汽車ブースに行くと、北京汽車系の「極狐汽車(ARCFOX)」の「考拉(カオラ)」というモデルが置いてあった。少々背の高いコンパクトモデルで、リヤドアがスライド式となっていた。最初はトヨタ・シエンタに近いのかと思ったのだが、2列シートとなっていたのでトヨタ・ルーミーやスズキ・ソリオからヒントを得たのではないかと考えられる。、当該WEBサイトをみると、ママのクルマ的なコンセプトで構成されていた。このように、意外なほど日本車からヒントを得ているのかなという印象も受けるモデルを見かけた。

 前出した風雲A8Lはかなりやっちゃった感はあるものの、やはり同じ東アジアという地域で生活しているだけに、日本で人気の高い日本車のコンセプトは中国でもイケると考えているのかもしれない。

 政治体制こそ違うが、日本よりはるかに速いペースで少子高齢化が進んでいるともいわれている中国なので、自国のクルマ文化の今後を考えると、日本にヒントがあると考えているのかもしれない。

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みんなのコメント

25件
  • ima********
    いくらEV生産率トップやロボット大国とか言っても、先進国と言われないのはこういうところだろうね。
  • dlc********
    日本も戦後はアメリカのパクりばっかだったからね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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