これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。
当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、ルックスだけじゃないスバルらしい造りが散見された名車、サンバーディアスワゴン クラシックを取り上げる。
こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】レトロ調ブームの火付け役「サンバーディアスワゴン クラシック」
文/フォッケウルフ、写真/スバル
■名車揃いのスバル製軽自動車のなかでも歴史に名を刻んだ名車
今でこそラインアップする軽自動車はすべてダイハツからのOEM供給を受けているスバルだが、かつて軽自動車を自社開発していたことは周知のことだ。スバル製軽自動車は名車揃いで、スバル360をはじめ、レックス、プレオ、ステラなど、54年間で延べ9車種、約796万8000台を生産されたという。
なかでも1961年に誕生し、2012年4月まで自社開発されていたロングセラーモデル「サンバー」は、RR(リアエンジン・リアドライブ)方式、シャシーフレーム構造、そして4輪独立サスペンションという基本レイアウトにこだわりながら、4気筒エンジンや3速ATの搭載、高機能なフルタイム4WDシステムなど、さまざまな技術によって性能や品質を高めることで軽商用車の理想像を追求してきた。
商用トラック&バン、ワゴンモデルのディアスをラインナップしていたが、いずれもRR+フルキャブオーバーレイアウトによる広い室内空間や、スムーズで静かな4気筒エンジンなどによる優れた快適性を持ち味とする実力派のモデルとしてスバルの歴史に名を刻んでいる。
今回クローズアップする「サンバーディアスワゴン クラシック」は、ディアスをベースに存在感を強調するクラシカルな雰囲気のエクステリアや質感の高いインテリアなど、専用の仕様や装備を施したモデルとして人気を博した。
5代目サンバーで初登場したKV3/KV4型、さらに6代目のTW1/TW2型ともに、軽キャブワゴンならではの使い勝手のいい室内空間を確保するとともに、専用のチューニングを施した4輪独立サスペンションによってハイレベルな操縦安定性を実現するなど、日常生活からレジャーユースまで幅広く活用できることを大きな特徴としている。
キャブオーバー型軽自動車であるサンバーディアスをベースにしながら、専用のフロントマスクをあしらうことで1950年代のボンネットバスをイメージしたスタイルに仕上げられている
ちなみに、サンバーディアスワゴン クラシックは、スバルが長崎県にあるテーマパーク・ハウステンボスから依頼を受けて作ったモデルで、もともと園内を走る作業用の車両であった。これが1993年の東京モーターショーに出展され、市販化を望む声が多かったことからラインナップに追加されたという経緯がある。
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みんなのコメント
何度か運転したことがあるけど、中々パワフルな印象が残っている。ダイハツかスズキしか作っていないけど時代にそぐわないかな?