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【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・アルテオン 広く快適 走りは穏当 PHEVの利点は小さい

掲載 更新 5
【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・アルテオン 広く快適 走りは穏当 PHEVの利点は小さい

はじめに

今回のテスト物件は、世界で2番目に大きい自動車メーカーのまさしくフラッグシップにあたるクルマだ。価格的にみれば、フォルクスワーゲンにはアルテオン・シューティングブレークより上位のモデルもある。プラグインハイブリッド(PHEV)のSUV、トゥアレグRの本体価格は7万7195ポンド(約1081万円)と、テスト車の4万1330ポンド(約579万円)を大きく上回る。

【画像】写真で見るフォルクスワーゲン・アルテオンとライバル 全15枚

とはいえ、目を引くという点や、おそらく興味深さでは最上級。また、構造的にみれば、これぞトラディショナルなフラッグシップにふさわしいと思える、4ドアサルーン系統のボディタイプだ。

アルテオンが誕生したのは2017年、まずは3ボックス的なフォルムで登場した。当時、これは単なるパサートCCの後継モデル以上のクルマだと感じられた。2016年にラインナップから落ちた、フェートンの穴を埋める狙いが感じられたのだ。メルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズの対抗馬でありながら、それら競合車ほどユーザーの関心を得られなかった、フォルクスワーゲンの最上級サルーンに代わる存在というわけだ。

もちろん、アルテオンはフェートンのポジションやメカニズムをそのまま継承するわけではなく、精神的後継というほうが正しい。1セグメント半くらい下位のサイズ感で、価格も安い。エンジンはベントレーと共用する6.0LのW12ではなく、2.0Lの直4だ。

スタイリングもフェートンとの関連性はない独自のもので、スペース効率とほどほどの豪華さ、そしてなにより、GT的なモデルとしては手頃な価格をあわせ持っていた。

しかし、結局は中途半端な生焼け感のあるクルマだった。われわれの結論は「おもしろみはあるが、やや差別化や訴求に本腰を入れていないような印象」というもの。その後、このクルマはインパクトを与えるのに苦戦してきた。

4年を経た今、アルテオンは新たなチャンスを得た。われわれがふたたびこれをロードテストの遡上に載せようと思うに至ったのは、エキゾティックなルックスのシューティングブレークだけではなく、経済性とパンチを兼ね備えるプラグインハイブリッドパワートレインがが加わって、このクルマのスペックのバーサタイル性が引き上げられたからだ。

はたしてこのアルテオン・シューティングブレークeハイブリッドは、フォルクスワーゲンのフラッグシップというステータスにふさわしいクルマなのか。それを確かめてみたい。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

ボディ後半の形状変更によって、このワゴン版アルテオンは全高が19mm引き上げられたが、全長やオーバーハングはそのままだ。そのため、このフォルクスワーゲンの大型モデルは、ファストバックでもワゴンでも、BMWの3シリーズより大きく5シリーズより小さい。

フォルクスワーゲンがこのクルマをエステートやステーションワゴンではなくシューティングブレークと呼んだのは、上下幅が薄く傾斜したリアウインドウによるところだろう。Dピラーに深く食い込んだガラスハウスもそうだが、メルセデスのX218こと2代目CLSシューティングブレークを思わせるデザインだ。

そのスタイリングは十分にドラマティックで、この荷室を拡げたアルテオンを、パサート・ワゴンなど一般的なワゴンモデルと見間違える心配はない。リアに回ると、LEDのテールライトは、マイナーチェンジを行ったファストバック2021年モデルのデザインが反映されている。

アルテオンのマイナーチェンジだが、基本的に、MQBをベースにしたメカニズムに大きな変更は加えられなかった。エンジンは、MTのみの1.5Lガソリンと、DCTを組み合わせる2.0Lのガソリンとディーゼルをキャリーオーバー。ただし、パンチはあるが音が不自然な240psのツインターボディーゼルは外された。

残ったエンジンは、主にエミッション関連の小規模な改修が施された。出力は150~200psで、200ps版の2.0 TDIは4WD専用、それ以外はFFのみの設定だ。また、現時点では未発表だが、280psの2.0 TSIもふたたびラインナップに顔を連ねるはずで、これにはクラッチを用いるハルデックス式4WDが組み合わせられることになるだろう。

大きな変更点はふたつ。まずは、今回テストするeハイブリッドの追加だ。基本的にはゴルフGTEと同じPHEVパワートレインだが、出力はゴルフ版の245psに及ばない218ps。アルテオンのほうがゴルフより重いのに、どうしてこういうスペックになったのかは理解しがたいところだ。

その構成は156psの1.4Lガソリンターボと、DCTギアボックス内に収めた116psの電気モーターとの組み合わせ。駆動用電力は、荷室の床下に配置された13kWhのリチウムイオンバッテリーから供給される。EV走行可能距離は、シューティングブレークが公称56km、より流線型のフォルムで1kg軽いファストバックは60kmだ。

もうひとつは、よりエキサイティングなヴァージョンだ。Rモデルがアルテオンにも加えられたのである。最高出力は320psで、最新のゴルフRと同じトルクベクタリング機構を備えた4WDシステムを搭載した。写真を見る限り、ルックス面の存在感も不足はなさそうだ。

内装 ★★★★★★★★☆☆

アルテオンには3グレードが設定される。エントリーグレードがSEナビで、その上にはエレガンスとRライン。上位2グレードの価格はほぼ同じで、ラグジュアリー仕様とスポーティ仕様だ。

実際のところ、その差はわずかで、どのグレードでも質感に文句はない。8代目ゴルフでやや悪化したが、それ以前のフォルクスワーゲンはこの水準にあった。アルテオンはクオリティが落ちる前に登場したモデルだ。

ステアリングホイールはやや扱いにくいフラットな操作パネルを備える最新のアイテムとなったが、それ以外はほぼこれまでどおり。ラインはハードで、表面にはツヤがあり、メタル調のトリムが多用され、テスト車には見栄えのいいユーカリのウッドパネルがダッシュボードなどに張られている。

キャビンは質感だけでなく、広さも立派なものだ。座面が高めの前席からは、目の前のスカットルもベルトラインもスッキリ低く感じる。パノラミックルーフを追加すれば、開放感は増すばかりだ。

後席のレッグルームは、相変わらずクラストップレベルといっていい。3シリーズやCクラス、プジョー508といった一般的なDセグメントのライバルより、ファミリーユースには使いやすいはずだ。

ラゲッジルームの容量は、ファストバックの563Lに対し、シューティングブレークでは565L。差が小さいのは、1Lのブロックを積み上げて、パーセルシェルフの高さまでを計測するVDA法による数値だからだ。さらに高く荷物を積めば、この数字以上に違いが出るはずだ。

とはいえ、eハイブリッドはその公称値より110L目減りしてしまう。というのも、駆動用バッテリーが荷室の床下に積まれるからだ。もっとも、eハイブリッドでなくてもフロアの高さ調整機構はなく、積み込み口の段差は大きい。もっといえば、ワゴンとしてより実用性の高い荷室の広さを求めるなら、パサートを選ぶことをおすすめする。

走り ★★★★★★★☆☆☆

軽快さや速さ、そしてスタイリッシュさを感じさせるアルテオン・シューティングブレークのようなクルマなら、エンジンを縦置きするレイアウトや6気筒の搭載などを期待したいところだ。

しかしながら、このクルマのベースとなっているMQBプラットフォームは、4気筒の横置きにしか対応していない。しかもこのeハイブリッドの場合、排気量はたったの1.4Lで、最高出力は156psにすぎない。

それゆえ、パフォーマンス面に過度の期待は禁物である。たとえ、エンジンと電気モーターをあわせ持ち、システム総合での出力が218psに達するといってもだ。

メーカー公称のミニマムなウェイトは1734kg、50Lの燃料タンクを満タンにしたテスト車の実測重量は1783kg。このクラスではひどく重いというほどではないが、それでも無視できない重さだ。馬力荷重比は126ps/tで、せいぜいセアト・レオン2.0 TSI 190あたりの、大衆車ブランドのやや速いハッチバックと同レベルにとどまる。

トランスミッショントンネル上の専用スイッチを押し、エンジンとモーターを最大限使うGTEモードを選ぶと、0−97km/h加速は7.1秒をマーク。0-100km/hの公称値が7.8秒なので、それよりは実測値のほうが上だが、競合するPHEVの水準からすれば遅いほうだ。

少なくとも発進は歯切れよく、駆動力のデリバリーはおおむねリニア。これに貢献するのが、フルスロットル時になめらかなシフトアップをする6速DCTだ。それらが相まって、アルテオンeハイブリッドは、エキサイティングさこそないが、楽に走れるものとなっている。

もちろん、日常使いにおけるパフォーマンスの質はむしろ適切といえるもので、その点では全体的に魅力度は高い。デフォルト設定ではEVモードで発進し、電気モーターだけのトルクを伝達するときのシフトチェンジはそれほどスムースではないが、EVとしてみればドライバビリティは良好だ。

モアパワーが必要な場合も、エンジンの掛かり方は上品で、穏やかに介入しはじめる。その際、駆動力のデリバリーの乱れもきわめて小さい。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

アルテオンのディスカバー・メディア・ナビゲーションシステムは、フォルクスワーゲンのインフォテインメントシステムが内製プログラムになる前のことを思い出させる。はっきりいうなら、ひどいことになる前を、だ。

新型ゴルフに搭載された同種のシステムは、不調や待ち時間に悩まされ、ベンチレーションや音量調整までタッチ操作式だったので、直観的でなく、ときにレスポンスが悪いこともあった。フォルクスワーゲンはこの新型システムの悪癖を修正するべく動いているが、ソフトウェアのアップデートで改善できることにも限度はある。

幸いにもアルテオンのインフォテインメントシステムは、グラフィックが鮮明でメニューはシンプル。また、重要な機能には実体スイッチが割り振られている。ハイブリッド仕様には専用の情報表示も用意され、そこでバッテリーの充電に関するセッティングもできる。走行中はエンジンを用いて充電することも可能だ。

難点は、携帯電話のワイヤレス充電器が設定されていないこと。そして、10.3インチディスプレイを用いたデジタル計器盤が、それほどシャープな表示ではないことだ。

燈火類

テスト車には1180ポンド(約16.5万円)IQライトことマトリックスLEDヘッドライトが装備されていた。高価だが、標準装備の自動レベル調整ライトより優れた選択だ。

ステアリングとペダル

アルテオンは、ドライビングポジションにMQB使用モデルらしさが出ている。ズレなく整えられているが、それほど低くはなく、ルックスから期待するような軽いスポーティなフィールはない。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

アルテオン・シューティングブレークには、DCCことアダプティブダンパーが標準装備される。これが、シャシー性能の幅を広げてくれる。とはいえ、実際にはデフォルトのセッティングであるコンフォートからほかへ切り替えるべき理由はほとんど見出せない。

スポーツモードにして、減衰力を高めることの利点が必要になるのは、運動性のスイートスポットを超えて走らせる場合くらいだろう。というのも、これは安定したロードホールディングと正確で整然とした方向転換を重視するクルマだ。BMWやメルセデス、そしてプジョーの一部に期待するような、アジリティやハンドリングの冴えは二の次だといっていい。

サイズのわりには俊敏で、山間路などもいいペースで走れるとはいえ、このシャシーにはスロットルでのアジャスト性には欠け、狭い道で車体が小さく感じられるような運転しやすさもない。ハードに走らせることを求めてはこないし、それをする甲斐もない。

とはいうものの、パサートよりは走り志向のドライバーに訴えかけるものがあり、スコダのオクタヴィアやシュパーブより運動性を味わえる。A級道路やB級道路では走りのプロセスを楽しめて、フロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを配したサスペンションはバタつくことなく路面に追従し、極端に浮き上がることもない。

ピレリPゼロによるグリップは、攻めた走りをしても限界を超えそうもないレベルにある。ステアリングの手応えの均一さは、残念なものがあるとはいえ、それは想定内。速度感応式の電動アシストは、少なくとも正確で一定に効くようチューニングされている。

コーナーへの進入は難しくなく、アンダーステア寄りのセッティングは明らかだが、狙ったラインから逸脱することもない。シャープさはまったくないが、信頼性は高い。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

運転席のエルゴコンフォートシートに、問題はほとんどない。気になるのは、座面がやや高いことくらいか。ちなみに、助手席側は運転席側ほどのアジャスト性が備わっていない。

BMWやプジョーのシートは、フォルクスワーゲンより座面が低く、サポート性が高く、全体的にスポーティだ。とはいえ、リラックス志向がライバルより強いアルテオンには適切だ。キャビンの広さも、330eツーリングや508SWハイブリッドを上回る。

エレガント仕様は、Rライン仕様のような20mmローダウンスプリングを装着せず、サイドウォールの厚みが十分ある18インチタイヤを履く。ところが、テスト車は19インチタイヤにインチアップしているので、しなやかさでは最高レベルから一歩後退している。

それでも、速度が上がれば乗り心地はだいぶなめらかだ。ただし、市街地ではバンプでの衝撃と無縁とはいかない。また、ライバルの中には、これより洗練されたサスペンションの動きをみせるものもある。

さすがに、激辛仕様の508SWプジョースポール・エンジニアードのようなことにはならないはずだ。あちらは20インチの超低扁平タイヤを履き、路面スレスレまで車高を落としている。それよりは、英国の路面状況に広く対応してくれるに違いない。

少なくとも、フランスのチューンドワゴンと比べれば、静粛性が高いのは明らかだ。総じてアルテオンは、ツーリング向きのクルマだといえる。速度を上げても穏やかで、エルゴノミクスに優れ、広いキャビンではくつろいで過ごせる。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

PHEVワゴン市場は、価格帯の幅が広い。トップエンドは、パフォーマンスに特化したプジョー508SW PSEやボルボV60ポールスター・エンジニアードで、6万ポンド(約840万円)近い。逆にボトムエンドはスコダ・オクタヴィアiVエステートなどの実用モデルで、3万5000ポンド(約490万円)を下回る。

アルテオン・シューティングブレークのPHEV版は、エレガント仕様が4万1330ポンド(約579万円)で、だいたい真ん中くらい。テスト車はそれにナッパレザーシートやパノラミックルーフ、そしてIQレイトと呼ばれるハイテクなヘッドライトなどのオプションが加わり、4万6820ポンド(約655万円)となる。

これほど大きく快適で、ふたつのパワーソースを持ち、そのうえ雰囲気もあるのだから、法外な値付けだとショックを受けることはない。とはいえ、BMW 330e Mスポーツ・ツーリングと比較すると、説得力は弱まってしまう。

3シリーズ・ツーリングのPHEVは、およそ4万3000ポンド(約602万円)からで、室内はアルテオンより高級感がある。速さでも余裕で上回り、縦置き4気筒によるネイティブFRならではのキャラクターも備える。われわれの価値基準に照らせば、荷室容量が10%ばかり小さくても、ハンドリングの冴えとパフォーマンスの優位性を備えたクルマのほうを高く評価するのが常だ。

最新の中型PHEVの常道どおり、EV走行での航続距離は短く、現実的な数字は40km程度だ。1.4Lエンジンの経済性も突出していいというわけではないので、頻繁に充電できる環境がない、もしくは税制優遇のメリットを重視しないのであれば、購入はエンジン単体モデル優先で検討してもいいだろう。

とくに長距離走行を重視するなら、ディーゼルは見逃せない。66Lの燃料タンクを満タンにすれば、ツーリングでの航続距離はだいたい1450kmほどに達する。

スペック

レイアウト

ファストバックとシューティングブレークを揃えるアルテオンだが、いずれもMQBモジュラープラットフォームがベース。エンジンはフロント横置きで、FFと4WDを設定する。

しかしeハイブリッドは、ライバルの多くと異なり、四輪駆動は用意されない。ダウンサイジングエンジンとトランスミッションに組み込まれた電気モーターは、前輪のみを駆動する。

13kWhのバッテリーパックが荷室フロア下に搭載されることで、53:47という良好な前後重量配分を実現している。

エンジン

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1395ccターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:-
ボア×ストローク:φ74.5×80.0mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:156ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.4kg-m/1550-5500rpm
ハイブリッドアシスト:交流同期電動機
モーター最高出力:116ps
モーター最大トルク:33.6kg-m
システム総合出力:218ps/5000-6000rpm
システム総合トルク:40.8kg-m/1750-3500rpm
馬力荷重比:126ps/t
トルク荷重比:23.5kg-m/t
エンジン比出力:111ps/L

ボディ/シャシー

全長:4866mm
ホイールベース:2835mm
オーバーハング(前):-mm
オーバーハング(後):-mm

全幅(ミラー除く):1871mm
全幅(両ドア開き):3680mm

全高:1462mm
全高:(テールゲート開き):2030mm

足元長さ(前席):最大1110mm
足元長さ(後席):780mm
座面~天井(前席):最大990mm
座面~天井(後席):960mm

積載容量:455~2091L

構造:スティールモノコック
車両重量:1734kg(公称値)/1783kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:8.0Jx19
タイヤ前・後:245/40 R19
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(ランフラット)

変速機

形式:6速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.50/9.8
2速:2.77/15.9
3速:1.85/24.0
4速:1.02/33.5
5速:1.02/43.5
6速:0.84/52.8   
最終減速比:3.75:1(1速、4速、後退)/2.885:1(2~3速、5~6速)

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:15.9km/L
ツーリング:18.6km/L
動力性能計測時:8.5km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:87.0km/L

燃料タンク容量:50L
駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー、13.0kWh(グロス値)/10.0kWh(ネット値)
EV走行可能距離:35km
エンジン走行可能距離:792km
現実的な航続距離:約805km
CO2排出量:27g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、アダプティブダンパー
後:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.1回転
最小回転直径:11.9m

ブレーキ

前:312mm通気冷却式ディスク
後:300mmディスク
制御装置:ABS、EBA
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(センターコンソールに設置)

静粛性

アイドリング:-dB
全開時(3速):73dB
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:67dB

安全装備

ABS/ESC/BAS/EBD/ESR/EDL/XDS/レーンアシスト
Euro N CAP:5つ星(2.0 TDI)
乗員保護性能:成人96%/子供85%
交通弱者保護性能:85%
安全補助装置性能:82%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):3.0秒
0-40(64):4.1秒
0-50(80):5.4秒
0-60(97):7.1秒
0-70(113):9.0秒
0-80(129):11.4秒
0-90(145):14.3秒
0-100(161):18.2秒
0-110(177):23.3秒
0-402m発進加速:15.5秒(到達速度:151.1km/h)
0-1000m発進加速:28.1秒(到達速度:183.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
プジョー508 ブルーHDi 180 GT オート S&S(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.6秒
0-50(80):6.6秒
0-60(97):8.8秒
0-70(113):11.6秒
0-80(129):14.6秒
0-90(145):18.6秒
0-100(161):23.4秒
0-110(177):29.5秒
0-402m発進加速:16.7秒(到達速度:137.4km/h)
0-1000m発進加速:30.1秒(到達速度:179.0km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.1秒(2速)

30-50(48-80):2.4秒(2速)/3.1秒(3速)/4.3秒(4速)

40-60(64-97):2.9秒(2速)/3.2秒(3速)/4.4秒(4速)/5.8秒(5速)

50-70(80-113):3.6秒(3速)/4.6秒(4速)/6.0秒(5速)/7.4秒(6速)

60-80(97-129):4.3秒(3速)/4.8秒(4速)/6.3秒(5速)/7.9秒(6速)

70-90(113-145):5.1秒(3速)/5.3秒(4速)/6.8秒(5速)/8.6秒(6速)

80-100(129-161):6.7秒(4速)/7.9秒(5速)/9.4秒(6速)

90-110(145-177):9.0秒(4速)/9.9秒(5速)/11.7秒(6速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.6m
50-0マイル/時(64km/h):23.2m
70-0マイル/時(80km/h):46.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.74秒

ライバルの制動距離プジョー508 ブルーHDi 180 GT オート S&S(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):22.7m
70-0マイル/時(80km/h):44.6m

各ギアの最高速

1速:57.9km/h(6000rpm)
2速:96.6km/h(6000rpm)
3速:143.2km/h(6000rpm)
4速:201.2km/h(6000rpm)
5速:222.1km/h(5111rpm)
6速:(公称値):222.1km/h(4209rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2135rpm/2440rpm

結論 ★★★★★★★☆☆☆

客観的な目を向ければ、アルテオン・シューティングブレークは強く批判するべきところを見出せない。

このフォルクスワーゲンのフラッグシップは、このクラスの基準に則した賢明な価格設定だが、室内の広さはひとクラス上のクルマと渡り合える。間違いなく印象に残るであろうエクステリアのデザインをまとって、このシューティングブレークは主な要件をすべて満たした。

しかも今回のプラグインハイブリッド版は、洗練性ときわめて低い日常使いでの燃費を実現しうるポテンシャルを持つ。ただし、どちらも比較的小さい駆動用バッテリーを頻繁に充電できるかどうかに左右されるが。それができないなら、通常のICEモデルを選んだほうがいいだろう。

しかし、主観的な要素ではやや問題が見えてくる。スポーティで魅力的なルックスのわりには、走り志向のドライバーを夢中にさせるような運動性が備わっていない。またeハイブリッドは、エンジンと電気モーターを兼ね備えていながら、パフォーマンスは迫力に欠ける。

快適で、人目を引き、実用性にも優れたクルーザーではあるが、エキサイティングさはこれっぽっちもないクルマだ。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーンもっと大容量の駆動用バッテリーがほしい。100km近いEV航続距離があれば、使い方が変わってくる。旧世代のMQBプラットフォームなので、それはできなかったのかもしれないが。

マット・ソーンダース期待したよりもちょっとよそよそしいクルマだという印象を禁じ得なかった。たしかに存在感はあるのだが、キャラクターがイマイチ明確でないのだ。Rモデルはもっと心惹かれるものであるといいのだが。

オプション追加のアドバイス

このアルテオンは、ゆったり走るクルーザータイプのクルマだ。となれば、Rライン仕様は避けたい。ローダウンサスペンションのスプリングが、乗り心地を多少なりとも悪化させるからだ。おすすめはエレガンス仕様。パノラミックルーフは装着したい。また、ユーカリのウッドパネルもいい感じだ。

改善してほしいポイント

・EV走行距離はもうすこし引き上げてほしい。現実的な使い方で40kmでは短すぎる。
・パワーはもう少し引き上げてもいい。クルマのキャラクターを変えることなく、プレミアムな部類のファミリーカーとしての魅力を引き上げるはずだ。
・ゴルフと同じようなドライビングポジションは快適だが、GT的なクルマとしては座面が高い。

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みんなのコメント

5件
  • 名前変えたら。
    もっとVWらしい親しみやすい名前の方が良い気がします。
    アルテオン、なんかゴルフ、ポロみたいな愛着がわかないんだよね。
  • 数年前、どうして知り合いの、バリアントの天井が、めくれ落ちてきたのかな、理由の説明が無かったか、BMWの買い替えたと言う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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