初回 CクラスとEクラスのクーペを融合
メルセデス・ベンツのモデルラインナップは、更新が激しい。ここ数年は、エンジンで走る従来の選択肢が削減されつつ、新モデルが追加され続けている。自動車市場の変化を表すように。
【画像】プレミアム・ラグジュアリー メルセデスのCLE クーペとカブリオレ AMG GTとSLも 全142枚
Cクラスのクーペと、Eクラスのクーペも、その一環として消滅した。そのかわり、2種の中間に相当する、CLEクーペが追加された。カブリオレも。
実質的には、CLEはEクラス側へ近く、価格もそれに応じている。パワートレインは、4気筒ガソリンに直列6気筒ガソリン、プラグイン・ハイブリッドなど多彩。市場によっては、ディーゼルも用意されている。
CLEの頂点に、AMGが君臨するのは従来どおり。最強版の63と、穏やかな43の間にあるのが、今回長期テストでやってきた53だ。2000rpmで449psの最高出力を発揮するから、真ん中でも、まったくもって不満はなさそうに思えるが。
動力性能的には、BMW M4 コンペティションがCLE 63と対峙する位置付けといえる。53は、標準のM4の競合といえるものの、英国市場には導入されていない。一方でボディサイズはだいぶ大きく、M8に迫る。
エンジンは、3.0L直列6気筒ターボチャージャー+電動コンプレッサー+ISGという構成。四輪駆動で、9速ATが組み合わされている。快適装備も満載。パワフルでコンフォートなクーペだ。
プレミアム・ラグジュアリーへの回帰
AMG CLE 53の英国価格は、7万8825ポンド(約1537万円)から。長期テスト車は、ナイトエディション・プレミアムプラスというグレードで、8万1445ポンド(約1588万円)。英国ポンドのインフレ率の高さに、頭が痛くなる。
後輪操舵システムやアダプティブ・スポーツサス、運転支援システム、MBUXインフォテインメント・システムなどは標準装備。ナイトエディション・プレミアムプラスでは、ブルメスター社製の3Dオーディオシステムに、マッサージシートなどが追加される。
さらに7500ポンド(約146万円)を上乗せし、プロパフォーマンス・パッケージを指定すれば、バケットシートとカーボンファイバー製トリムなども得られる。ドライブモードには、レースが加わる。
メルセデス・ベンツは、Aクラスのようなコンパクトカーから距離を置きつつある。現CEOのオラ・ケレニウス氏は、「プレミアム・ラグジュアリー・カーメーカー」へ回帰する過程にあるという。
CLEからも、その傾向は感じ取れる。ベントレーほどではないものの、4シリーズよりは間違いなく高級だろう。フォルクスワーゲンは、対峙するクーペを有していない。
多岐にわたる設定項目 称賛したい直6エンジン
そしてCLEはハイテク。設定できる項目は多岐に渡り、最も自分に適した状態を導き出すのは簡単ではない。ステアリングホイールのタッチセンサーやスイッチ、タッチモニターから簡単にアクセスできるが、その結果は快適性にも影響する。
標準では、シートの位置が高め。全長4855mm、全幅1935mmとボディサイズは大きく、四隅の位置感覚を掴むのが少し難しい。筆者は、パワーシートのベストポジションを見つけるのに、時間が必要だった。
サスペンションとパワートレインの特性は、個別に変更できる。ドライブモードは、馬力優先から快適性優先まで絶妙な違いがあり、それぞれに選びたい特長がある。
スポーツ・モードは、シャシーが引き締まりつつ、乗り心地は硬すぎない。路面と対話できるようなマナーが好ましい。それでも、筆者は自分にピッタリなモードを探している途中。道路環境によって、それも変わりそうではあるけれど。
クルマが来てすぐ、少し遠くまで走らせてもみた。直6エンジンは、素晴らしい体験を生んでいた。CLEを称賛するのに充分な強みといえる。妥協ないパフォーマンスと、突出したスムーズさを叶えている。
全体的な印象は、繊細なドライバーズカーというより、肉肉しいマッスルカー。インテリアはラグジュアリーで味わい深い。これを堪能するのに相応しい各項目の設定は、どこにあるのだろう。
セカンドオピニオン
自分は、設定項目が多く用意されたクルマが嫌いではない。サスペンションは硬い方、
エンジンは穏やかな方、という設定も選べるから。AMG CLE 53には、ステアリングホイールに調整用のインターフェイスが用意され、手元で簡単に試すことができる。
ただし、ボディサイズを15%ほど小さくする設定はない。この大きさが、公道で楽しむうえでの足かせのように思えるのだが。 イリヤ・バプラート(Illya Verpraet)
テストデータ
テスト車について
モデル名:メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
新車価格:7万8825ポンド(約1537万円)
テスト車の価格:8万1445ポンド(約1588万円)
オプション装備
ドライビング・アシスタンス・パッケージプラス:1695ポンド(約33万1000円)
アルパイン・グレー・ソリッド塗装:925ポンド(約18万円)
テストの記録
燃費:10.8km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新型プレリュードは「カッコイイ」し「美しい」! それでもデザインのプロが「ダメだし」する理由
トヨタ新「“高性能”アルファード」がスゴイ! 300馬力超えの「パワフルモデル」! スゴイ“4WD”も搭載で「超人気」の高級ミニバンが販売店でも話題に
コンビニが「前向き駐車」をお願いする「納得の理由」とは!? 看板に“ご協力ください” 慣れない駐車方式だし…無視したら罰則あるの? 実際どうなのか
2025年夏に日本上陸決定! まもなく登場する注目の“令和のワーゲンバス” VW新型「ID.バズ」に対するネットでの反響とは
都内Z世代の7割「クルマ離れを自覚」している…2024年比で21.5ポイント上昇
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント