レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、F1の商業権保有者であるリバティ・メディアが、2021年に向けたF1における計画について詳細をもっと明らかにすることを求めている。
2021年は、現在の技術仕様とF1のあり方を規定しているコンコルド協定が失効する年だ。
リバティ・メディアはF1の将来に向けた計画の一部を、すでに各チームと共有している。しかしマルコはそれでは不十分であるとし、F1の主な関係者たちは計画の詳細を知らされないことに、懸念を抱き始めていると述べている。
「我々は少々気をもんでいる」とマルコはドイツのBild紙に語った。
「4月の初めに、リバティ側は2021年のレギュレーションがどうなるかを4週間のうちに知らせると言っていた」
「その後、彼らは『5月末には』と言った。そして今は6月下旬だ」と彼は不満を漏らした。
「これまでのところ声明が発表されただけだ。もう具体的なデータやルールが知らされてもいい頃だ。F1での我々の将来のために、いよいよ新ルールが検討されるべき時なのだ」と彼は主張した。
これほど時間がかかっている理由について考えを聞かれたマルコは、以下のように答えた。「彼らとロス・ブラウンは、関係者全員を満足させたいのだろう。だがそんなことは無理だ」
レッドブルはエンジンについて長年に渡り懸案事項を抱えてきており、現行のレギュレーションはF1においてワークスチームに権限を与えすぎていると考えている。
レッドブルは現在ルノーからエンジンの供給を受けている。過去にはルノーとの決別も試みたが、それは果たされなかった。なぜならメルセデスもフェラーリも、強力なライバルであるレッドブルにパワーユニットを供給したがらなかったからだ。
チームは、2019年からホンダ製エンジンへ切り替えることを発表した。ジュニアチームであるトロロッソは冬の間にホンダPUへ切り替え、好調なシーズンスタートを切っている。
F1のエンジン市場の状態について以前よりも満足しているか尋ねられたマルコは、彼らしく率直に答えた。
「いいや、彼らはまだ影響力を持っている。新ルールでは、どのワークスチームも独占的になることがないよう規定しなければならない」
「今の状況は、我々がエンジンを失いかけた1年前とは違う。ルノーとホンダ、ふたつの選択肢があった」
マルコは以前、メルセデスとフェラーリが共謀してエンジン市場を複占するのではないかと懸念を抱いていたが、今ではそれほど心配していないという。
マルコは、「バッテリーの件で彼らは決裂した」と語り、フェラーリがレースにおいてレギュレーションで許容されている以上のエネルギーをバッテリーから得ているとして、メルセデスがFIAに対し異議を申し立てたことに言及した。
「メルセデスは逆に、F1をとても必要としており、フェラーリに対して異なる立場をとっている」
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