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【4代目A3が登場】アウディA3スポーツバック TDIへ試乗 一新のインテリア

掲載 更新 3
【4代目A3が登場】アウディA3スポーツバック TDIへ試乗 一新のインテリア

アウディA3に4代目が登場

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】A3 Aクラス、1シリーズと比較 全105枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


登場から24年。3世代に渡って、英国では述べ60万台が販売されてきた。アウディA3は、ロンドンの街並みでも見慣れた存在になっている。

そんな上級志向のファミリー層向けハッチバックに、4代目がデビューした。先代の流れを受け継ぐスタイリングに、運転支援システムやコネクティビティなど、最新のテクノロジーを内包。メルセデス・ベンツやBMWとの戦いに備える。

アウディは新しいA3に、まず2種類のエンジンを用意した。35 TFSIに搭載される150psの1.5L 4気筒ガソリンと、35 TDIに搭載される150psの2.0Lディーゼルだ。今回はディーゼル版を試乗してみたい。

スタイリングは従来よりエッジが立ち、キリリと自己主張がある。エンジンを問わず、現状はどちらも前輪駆動。英国仕様ではガソリン版で6速MTを選択可能だが、ディーゼル版では7速デュアルクラッチATのみの設定となる。

数ヶ月のうちに、エンジンの選択肢は拡大される予定。マイルド・ハイブリッドのガソリン版と、高性能版のS3、RS3も年内には英国へ導入されるはず。プラグイン・ハイブリッド版も、追って登場する見込みだ。

フォルクスワーゲン・グループの兄弟関係にあるモデルと同様、最新のA3が採用するのは、進化版のMQBプラットフォーム。従来よりボディサイズは拡大しているが、アクティブ・セーフティ技術を搭載するための結果だと、アウディは説明する。

衝突被害軽減ブレーキと車線維持支援、衝突回避ステアリングなどを実装。エントリーグレードのテクニックでも、標準で装備される。

容姿はキープコンセプト、インテリアは一新

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式。リアはエンジンによって異なる。フォルクスワーゲン・グループの例に沿って、150ps以上では洗練されたマルチリンク式を採用。追って登場する、それ以下の出力ではトーションビーム式となる。

今回の試乗車は150psということで、マルチリンク式だ。

スタイリングはスマートで、新世代のA3だと明確にわかるが、違いはさほど大きくはない。デザイン的には、保守的な変更に留められた。先代の高い人気を考えると、アウディの選択は理解しやすい。

一方でインテリアは、評価が難しい。2003年に登場した第2世代のA3は、このクラスのインテリア水準を引き上げたモデルだった。デザインの魅力だけでなく、高い組み立て品質や素材の上級感など、期待以上の内容を備えていた。

2代目のデザインテーマは進化しながら、3世代目のインテリアへと受け継がれていた。2020年の4代目では、先代からデザインが一新されている。

エントリーグレードでも、アウディ自慢のバーチャル・コクピットと、10.1インチのインフォテインメント用タッチモニターを採用。一方で先代までの、素材の上質さが削られているようだ。

グロスブラック仕上げと、金属風のプラスティックが、あちこちに用いられている。フォルクスワーゲン・グループに属する、ファミリー層向けハッチバックの頂点に位置するA3としては、少々物足りない印象。充分な訴求力は備えているが。

バランスの良いグリップ力と乗り心地

実用性は良好。後部座席でも頭上空間には余裕がり、足元の空間もかなり広々。荷室容量は380Lで、新しいフォルクスワーゲン・ゴルフと同等。フォード・フォーカスよりわずかに広い。

A3のドライビング体験は、少し独特だ。ステアリングホイールへ伝わるフィードバックは、ほとんどない。しかしステアリングを切り込んでいくほど、安心感につながる重みが増していく。

グリップレベルは、A3の動的性能と良くバランスしている。横方向のロールも、上品に抑制されている。隆起部分などを通過してもスムーズに屈伸し、垂直方向の姿勢制御で乱れることはない。充分な柔軟性を備えている。

一方で、細かな路面の荒れを完全になだめられるわけではない。路面状態によっては、特にリアタイヤ側で落ち着きが不足するようだ。だが、許容範囲ではある。

サスペンション周りからのノイズは、しっかり遮断されている。舗装が一部剥がれたような区間でも、伸縮時の余分な音は良く抑え込まれている。

ディーゼルエンジンは強力。1600rpmを過ぎると、36.7kg-mという豊かなトルクが生み出される。息を呑むほど速くはないものの、短時間で安全に追い越しを完了するには、不足ない。

質感はディーゼルとして洗練されているが、高負荷時のサウンドは繊細さに欠ける。ガソリンエンジンではないことを、しっかり知覚させてくれるボリュームがある。

オススメしたい要素は沢山ある

7速デュアルクラッチATは、基本的にマナーが良い。以前までの悪癖は、なくなったといえるだろう。

ディーゼルエンジンに対する逆風が収まらず、電動化技術の採用が急速に進む昨今。純粋なディーゼルエンジンのハッチバックは、少し異端的に思える。

筆者としては、長距離運転を定期的に繰り返すような乗り方をしない限り、ガソリンエンジンを選びたいと考える。社用車として導入するなら、ディーゼルのメリットはあるだろう。

最新のアウディA3をお勧めしたい部分は、沢山ある。容姿はスマートだし、インテリアも実用的。安定性に優れ、動的性能にも不満はない。先進的な運転支援システムも、多くのドライバーを惹きつけるはず。

確かに、アウディA3は少々刺激に欠ける。しかし代々、標準のアウディA3はそんなものだったと思う。

アウディA3スポーツバック35 TDI Sライン(英国仕様)のスペック

価格:3万1655ポンド(427万円)
全長:4343mm
全幅:1816mm
全高:1430mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:8.4秒
燃費:20.4km/L
CO2排出量:206-128g/km
乾燥重量:1410kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー
使用燃料:経由
最高出力:150ps/3000-4200rpm
最大トルク:36.7kg-m/1600-2750rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

3件
  • ゴルフ8とプラットホームを共にするモデル
    なので注目はしている
  • ジャーマン3の中でアウディA3はハッチバックではなく、6ウィンドウのショートワゴン風エクステリアに惹かれますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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