1990年代初頭、レーサーレプリカ全盛の反動として「普通に乗れて威風堂々としたネイキッド」が支持を集めた。CB&XJR、そしてZRXが象徴した新たなスタンダード像とは―。
まとめ:オートバイ編集部
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「ネイキッド戦国時代に突入」(1992-1999年代初頭)解説
400ネイキッドが若年層の新定番に!
1990年代初頭、日本の二輪市場はレーサーレプリカ全盛期の反動期にあった。サーキット指向の過激な性能や窮屈なポジションは、通勤・街乗り中心のライダーにとって「持て余す存在」となりつつあり、代わって求められたのは、日常域で扱いやすく、なおかつ所有欲を満たす〝威風堂々とした大柄なバイクらしいバイク〟だった。この受け皿として浮上したのが、往年のスタンダード像を現代風に再構築したネイキッドである。
当時の国内市場は免許制度の影響で400ccクラスが圧倒的ボリュームゾーンを占め、ここに1992年CB400スーパーフォアが投入されることで流れが一気に加速する。フレンドリーな乗り味と高い質感を併せ持つこのモデルは、教習所から一般ライダーまで幅広く浸透し「街のスポーツバイク=直4ネイキッド」という図式を決定づけた。
同じ文脈で1993年にXJR400、1994年にはZRXなども相次いで登場し、若年層の〝初めての一台〟からベテランの足バイクまで、400ネイキッドが市場の主役として君臨していく。
一方で1990年代中盤以降は大型免許取得のハードルが下がり、リターンライダーやステップアップ志向のユーザーが増加。そこで各社は「威風堂々とした大柄な車体」を前面に押し出したビッグネイキッドで応えた。
1993年CB1000スーパーフォアに始まり、1994年XJR1200、1996年ZRX1100、そして1998年のCB1300スーパーフォアへと続く流れは、単に排気量を拡大しただけでなく、「普段は穏やか、必要なときには力強い」という日常志向のパワーデリバリーと、堂々たるスタイリングによる所有感を両立させた点に特徴がある。
そのなかでホンダはCB400SF/CB1000SF/CB1300SFを軸に、〝誰もが乗れる新しい標準車〟を提案し、教習車需要も取り込みながら量的な基盤を築いた。ヤマハはXJR400/XJR1200であえて空冷に回帰し、フィンの存在感や鼓動感といったテイストを訴求することで、スペック一辺倒からの転換を図る。
カワサキはZRX/ZRX1100でローソンレプリカを想起させる懐古的デザインを武器に、スーパーバイク全盛期の記憶を持つ層に強くアピールした。
こうしたモデルは、レプリカ終焉後の受け皿としてだけでなく「普通に乗れて、格好よく、長く付き合えるロードスポーツ」という新しい市場価値を具体化した象徴として、1990年代に吹き荒れたネイキッド旋風の中心に存在していたのである。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(1992年)解説
400ネイキッドの新定番を築いた初代スーパーフォア
NC31は「プロジェクトBIG-1」の思想を400クラスに落とし込んだネイキッドで、CBR400RR系の水冷DOHC4バルブ並列4気筒を常用域重視に味付けし、53PSを発揮しつつ扱いやすさと伸びやかな高回転フィールを両立。
大径タンクと丸パイプのダブルクレードルフレーム、ダブルディスクブレーキなどを装備し、教習車からツーリング、スポーツ走行まで幅広い層に支持され、以後30年続くロングセラーの原点となったモデルだ。
「バイク・オブ・ザ・イヤー」の400ccクラスで1992年、1996年、1999年に1位を獲得した。
主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:399cc
●最高出力:53PS/11000rpm●最大トルク:3.7kgf・m/10000rpm●車両重量:192kg
●燃料タンク容量:18L●変速機形式:6速リターン●タイヤサイズ前・後:110/70-17・140/70-17
ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(1992年)解説
新世代CBの幕開けを告げた「PROJECT BIG-1」
「PROJECT BIG-1」コンセプトで開発され、CBR1000F系998cc水冷DOHC4気筒を搭載する「ビッグワン」。1991年東京モーターショーのプロトモデルを経て1992年11月に市販され、国内外で展開された。
図太いトルクと93PSで260kg級の巨体を軽快に走らせ、鋼管ダブルクレードルフレーム、前後18インチホイール、23Lタンクと堂々たるスタイルにより、新世代CBを象徴するモデルとなった。
「バイク・オブ・ザ・イヤー」の400cc以上クラスで1993年に1位を獲得した。
主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:998cc
●最高出力:93PS/8500rpm●最大トルク:8.6kgf・m/6000rpm●車両重量:260kg
●燃料タンク容量:23L●変速機形式:5速リターン●タイヤサイズ前・後:120/70-18・170/60-18
ヤマハ「XJR1200」(1994年)解説
重厚ボディにFJ譲りの空冷ビッグ4を搭載
FJ1200系をベースにした1188cc空冷DOHC4バルブ直4をダブルクレードルフレームに搭載。最高出力97PS/8000rpm 、最大トルク9.3kgf・m/6000rpmという余裕あるスペックながら、街中で扱いやすい粘り強い特性を持ち、オーリンズ製ツインショックがしなやかな足まわりを生んだ。
CB1000SFやゼファー1100に対抗する「ワイルド・ダイナミック」路線の中で、重厚感とフレンドリーさを両立させた完成度の高い1台である。「バイク・オブ・ザ・イヤー」の400cc以上クラスで1994年~1995年に2年連続で1位を獲得した。
主なスペック
●エンジン形式:空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:1188cc
●最高出力:97PS/8000rpm●最大トルク:9.3kgf・m/6000rpm●車両重量:255kg
●燃料タンク容量:21L●変速機形式:5速リターン
●タイヤサイズ前・後:130/70ZR17・170/60ZR17
ヤマハ「XJR400」(1993年)解説
空冷直4で400ネイキッド戦争に参戦
「空冷400ccクラス最速」を掲げたネイキッドスポーツで、新開発の空冷DOHC4バルブ直4・399ccは自主規制上限の53PSを発揮し、ゼファーやCB400SFとは一味違う高回転重視のスポーティな走りとシャープなスタイリングで一躍人気モデルとなった。
「バイク・オブ・ザ・イヤー」400ccクラスで1993年に1位を獲得した。
主なスペック
●エンジン形式:空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒●排気量:399cc
●最高出力:53PS/11000rpm●最大トルク:3.6kgf・m/9500rpm●車両重量:195kg
●燃料タンク容量:15L●変速機形式:5速リターン●タイヤサイズ前・後:110/70-17・150/70-17
カワサキ「ZRX」(1994年)解説
ローソンレプリカスタイルの“走り系”ネイキッド
ZZ-R400ベースの水冷4気筒を搭載し、ゼファーとは一線を画すスポーティな性格を持つ。往年の名車、ローソンレプリカ・Z1000Rを彷彿とさせる角目+ビキニカウルと、空冷風フィンを与えたエンジンが特徴。高回転までよく回る、53PSを発揮するエンジンのパフォーマンスで人気を博した。
「バイク・オブ・ザ・イヤー」400ccクラスで1994年に1位を獲得した。
主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒●399cc
●最高出力:53PS/11000rpm●最大トルク:3.8kgf・m/9000rpm●車両重量:185kg
●燃料タンク容量:15L●変速機形式:5速リターン●タイヤサイズ前・後:110/80-17・150/70-18
ノア・セレンのMemories
伝統と革新の狭間で輝いたXJR400
スラッと長いタンクとシュッとしたテールは全体的にスリムで、空冷エンジンと共に新車の時からどこか旧車感が漂っていたのが印象的。懐古に全振りしたゼファー、新しいものを提案したスーパーフォアのちょうど中間。乗り味も味わいとスポーティさの良きバランスを上手に追求していたと思う。
ブレンボとオーリンズがついて、タンクに「FIGHTING SPIRITS」と入ったR仕様に痺れたね! 後に僕もヘビーカスタムして楽しんだけれど、当時は爆音で走りまわるヤンチャな若者にも支持されたのがちょっと複雑なキモチ。でも今ではもうヤマハが誇る絶版車でしょ!
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