現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 音質を左右する「インナーバッフル」って何者?[カーオーディオ・素朴な疑問…インストール編]

ここから本文です

音質を左右する「インナーバッフル」って何者?[カーオーディオ・素朴な疑問…インストール編]

掲載 2
音質を左右する「インナーバッフル」って何者?[カーオーディオ・素朴な疑問…インストール編]

愛車のサウンドシステムを進化させることに興味を抱くドライバーは、少なくないに違いない。しかしその実践を思い立っていざいろいろと調べてみると、用語や仕組みが難解で壁にぶつかる……。当連載は、そのような状況の打破を目指して展開している。

◆「インナーバッフル」とは、ドアスピーカーの取り付けベースとなるパーツ!
今回からは、カーオーディオ機器の“取り付け”にまつわるあれこれを解説していく。なお、音響機器の取り付けのことは「インストール」と呼ばれることが多いので、覚えておいていただきたい。

タイムアライメントとは何か? 音場を激変させる“魔法”を解説[カーオーディオ・素朴な疑問…DSP編]

では、まずはスピーカーの取り付けに関する“分かりづらい”事柄について説明していこう。実はドアスピーカー(ミッドウーファー)を取り付ける際には、「インナーバッフル」と呼ばれるパーツが必要となる場合がかなり多い。さて、これは一体何かというと……。

これはつまり、ドアスピーカーの土台となるパーツだ。純正スピーカーの多くは取り付け用のベース部分が一体化されているので取り外すとベース部分も併せて除去される。で、ベース部分のない鉄板に、市販スピーカーを直付けするのは御法度だ。

御法度である理由はさまざまあるが、第一の理由は「スピーカーの取り付け穴の位置とドアに開けられている取り付け穴の位置が一致しない場合がほとんどだから」だ。

◆インナーバッフルを使えば、スピーカーの取り付け用のビスを受けられる!
というのもドアに開けられている純正スピーカー用の取り付け穴の位置は車体メーカーごとで異なっていて、その穴の位置と市販スピーカーの取り付けフレームに開けられている取り付け穴の位置は、車種専用モデルでない限りぴたりと一致することはまずない。

しかし、ドアに開けられている取り付け穴に合わせて装着できるインナーバッフルをドアに付ければ、それにてスピーカーの取り付け用のビスを受けられるようになる。結果、さまざまなスピーカーの装着が可能となるのだ。

次いでインナーバッフルが必要である2つ目の理由を説明しよう。それは、「鉄板の共振を抑制できるから」だ。

クルマのドアは鉄でできているとはいえ、鉄板はかなり薄いのでドアに取り付けたスピーカーの背面から放たれる音エネルギーによりいとも簡単に共振する。また、スピーカー自体の磁気回路から発せられる動力エネルギーによっても共振しがちだ。

なおひとたび鉄板が共振すると異音が出て、その異音がスピーカーの表側から放たれる音を濁すこととなる。

◆インナーバッフルを使うと、ドア内部での窓ガラスとの干渉を防止可能に!
でもインナーバッフルを装着すると、鉄板の共振を抑制する効果も発揮されることとなる。結果、音が良くなる。

そしてこれが必要である3つ目の理由は、「スピーカーを立ち上げられるから」だ。ドアの内部には窓ガラスが降りてくる。しかしもしもスピーカーを鉄板に直付けすると、スピーカーと窓ガラスがぶつかってしまう可能性が高くなる。

しかしインナーバッフルを用いてスピーカーを取り付ければ、スピーカーをドアパネル面から浮かせられるので奥側にクリアランスを生み出せる。かくして、窓ガラスとの干渉を避けられる。

そして4つ目の理由は「スピーカーの足場を固められるから」だ。スピーカーは、磁気回路にて発生したエネルギーを振動板に伝えて空気を震わせて音を伝えるが、ドアの鉄板は軟弱なのでそのエネルギーをロスしがちだ。しかしインナーバッフルを用いれば足場が固まり踏ん張りが効き、動力エネルギーのロスが減るのだ。

今回は以上だ。次回以降もインストールに関連する“分かりづらい”事柄の解説を続行する。お楽しみに。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ドアスピーカーの「アウター化」は音に効く?[カーオーディオ・素朴な疑問…インストール編]
ドアスピーカーの「アウター化」は音に効く?[カーオーディオ・素朴な疑問…インストール編]
レスポンス
リアルサウンドを愛車で再現する。プリウスに刻まれた“感動の音”の記憶[Pro Shop インストール・レビュー]by car audio factory K-sound 前編
リアルサウンドを愛車で再現する。プリウスに刻まれた“感動の音”の記憶[Pro Shop インストール・レビュー]by car audio factory K-sound 前編
レスポンス
カーオーディオの主流!? 単体サブウーファーの魅力と選び方[サウンドユニット・選択のキモ…サブウーファー編]
カーオーディオの主流!? 単体サブウーファーの魅力と選び方[サウンドユニット・選択のキモ…サブウーファー編]
レスポンス
3万円台の高コスパなスピーカーが増加中! 高音質の仕組みから選び方まで徹底解説
3万円台の高コスパなスピーカーが増加中! 高音質の仕組みから選び方まで徹底解説
レスポンス
<新連載>[初めてのカーオーディオ“とっておき”をプロが提案]知らなきゃ損! たった5万円台で音質激変「パワーアンプ内蔵DSP」
<新連載>[初めてのカーオーディオ“とっておき”をプロが提案]知らなきゃ損! たった5万円台で音質激変「パワーアンプ内蔵DSP」
レスポンス
プリウス新車購入と同時に決意! 初めてのプロショップで音をグレードアップする[car audio newcomer]by レジェーラ 前編
プリウス新車購入と同時に決意! 初めてのプロショップで音をグレードアップする[car audio newcomer]by レジェーラ 前編
レスポンス
デモボードは“音の試金石”、カーオーディオ選びの最初の一歩はここから[音の専門店が頼りになる理由]
デモボードは“音の試金石”、カーオーディオ選びの最初の一歩はここから[音の専門店が頼りになる理由]
レスポンス
たかがプラグ、されど激変。交換だけでエンジンはここまで変わる!~カスタムHOW TO~
たかがプラグ、されど激変。交換だけでエンジンはここまで変わる!~カスタムHOW TO~
レスポンス
サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
レスポンス
スリップサインでは遅すぎる! ウエット性能が落ちる“意外なタイミング” ~Weeklyメンテナンス~
スリップサインでは遅すぎる! ウエット性能が落ちる“意外なタイミング” ~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
BMWモトラッド、『GS』向け通信機能搭載ヘルメット発表
BMWモトラッド、『GS』向け通信機能搭載ヘルメット発表
レスポンス
レクサス「“ミニ”LFA」!? 3本出しマフラー&迫力エアロ採用! 伝説の「V10」エンジン…は搭載しないトヨタ「ハチロク」“スーパーカー”化キット「DAMD LFGT-86」がスゴイ
レクサス「“ミニ”LFA」!? 3本出しマフラー&迫力エアロ採用! 伝説の「V10」エンジン…は搭載しないトヨタ「ハチロク」“スーパーカー”化キット「DAMD LFGT-86」がスゴイ
くるまのニュース
『ディスカバリースポーツ』欧州2026年モデルに新フラッグシップ登場
『ディスカバリースポーツ』欧州2026年モデルに新フラッグシップ登場
レスポンス
カーメイトのLEDライト「GIGA」、ステルス性を高めたポジションバルブとエントリーモデルのヘッド&フォグバルブを発売
カーメイトのLEDライト「GIGA」、ステルス性を高めたポジションバルブとエントリーモデルのヘッド&フォグバルブを発売
レスポンス
セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
トヨタ『クラウン エステート』にマット塗装の「THE CROWN」限定車が登場、価格は890万円
トヨタ『クラウン エステート』にマット塗装の「THE CROWN」限定車が登場、価格は890万円
レスポンス
ついに「BMW M3」が電気で走る! 4モーターを収める肉厚フェンダーが露出
ついに「BMW M3」が電気で走る! 4モーターを収める肉厚フェンダーが露出
レスポンス
最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • sig********
    「ゑ゛? インナーバッフルってドアの鉄板の内側に入れてSP取付の補強するパーツじゃないの? SPを前に出すって??」
    朝から何度か読み返してようやく判った。
    筆者はインナーバッフルとスペーサーを同じモノとして扱っているからゴチャゴチャしている。

    インナーバッフルは裏打ちする、スペーサーは取付の厚みを調整するモノ。
    一緒くたにするな。
  • なっちん
    インナーバッフルは付けたら終わり、
    ではなく最低1年に1回は状態を
    確認した方が良いと思う。
    MDFの場合、
    経年劣化でボロボロになっている場合が
    多い。 私はそれが嫌でアルミ製に
    変えました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村