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ベントレー新型「ベンテイガ・スピード」はPHEVじゃなく純内燃エンジン採用 新V8ツインターボはW12エンジン超え 驚異の性能を確かめた

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ベントレー新型「ベンテイガ・スピード」はPHEVじゃなく純内燃エンジン採用 新V8ツインターボはW12エンジン超え 驚異の性能を確かめた

W12をやめた新ベンテイガ・スピードはむしろ性能向上

 ベントレーのスピードといえば、シリーズ中もっともパワフルなエンジンを積んだスポーティグレードのことを意味しています。

【画像】史上最強のベンテイガ 新型ベントレー「ベンテイガ・スピード」を写真で見る(26枚)

 そして近年、ベントレーでもっともパワフルなエンジンといえば排気量6.0リッターのW12ツインターボだったので、従来のベンテイガ・スピードもまた、このW12エンジンをパワーアップして搭載してきました。

 そんなベントレーのスピード・グレードに異変が起きたのは2023年のこと。およそ20年間にわたって通算10万基以上を世に送り出してきた名作、W12エンジンの生産を終了するとベントレーが発表したのです。

 このため、翌2024年に発表された新型のベントレー・コンチネンタルGTスピードは、W12エンジンではなくV8エンジンが搭載されました。

 ただし、そこにプラグインハイブリッドを組み合わせることにより、システム出力で782ps、システムトルクは1000Nmという、ベントレー史上もっともパワフルなロードカーに仕立てられていたのです。

 続いて誕生した新型フライングスパーも同じ電動パワートレーンを採用。「今後、パワフルなベントレー・モデルはW12エンジンに代えてV8エンジン+プラグインハイブリッドを搭載する」とのイメージを私たちに植え付けたのでした。

 そんなところに「新型ベンテイガ・スピード誕生」のニュースがもたらされたのですから、こちらもV8エンジン+プラグインハイブリッドを積んでいると考えるのが自然でしょう。

 ところが、新しいベンテイガ・スピードは、プラグインハイブリッドはおろか、マイルドハイブリッドさえ持たない「純内燃エンジン」をチョイスして私たちを驚かせました。

 さらに驚きだったのが、排気量4.0リッターのV8ツインターボエンジンながら、多くの項目で従来のW12ツインターボエンジンを凌ぐパフォーマンスを発揮している点にあります。

 たとえば最高出力はW12を積む旧型の635psに対して650psを発揮。最大トルクは、排気量の減少に伴って900Nmから850Nmに後退したものの、0−100km/h加速は3.6秒(3.9秒)、最高速度は310km/h(306km/h)とむしろ向上しているのです。

 もっとも、これはまったく予想できなかったことかといえば、そうとも言い切れません。

 なぜなら、同じフォルクスワーゲン・グループに属し、新型ベンテイガ・スピードと基本的に同じ4.0リッターV8ツインターボエンジンを積むランボルギーニのウルス・ペルフォルマンテは、2年前に発売された段階ですでに666psと850Nmを発揮していたからです。

 つまり、フォルクスワーゲン・グループのV8エンジン(その基礎開発は同じグループ内のポルシェが行った模様)は、それだけのポテンシャルをもともと備えていたといっていいでしょう。

 しかも、新型ベンテイガ・スピードはESCダイナミックモードを新設定。このモードを選ぶと、スタビリティコントロールの効き方が少し弱まると同時に、状況に応じてコーナーの内側にのみブレーキをかけるブレーキトルクベクタリングが作動。ドライバーが「テールスライドをさせたい」と希望しているとクルマ側が判断すると、これらを駆使してリアタイヤをアウト側に流すように仕向けてくれるのです。

 スポーツドライビングを愛して止まない向きには、たまらない装備といえます。

スポーティドライビング派にはぴったりな走行性

 先ごろアメリカ・モンタナ州で行われた国際試乗会で新型「ベンテイガ・スピード」を試してきたので、その様子をご報告しましょう。

 外観をひと目見た印象は、ベントレー・ベンテイガらしい威厳に溢れたデザインというもの。

 ただし、よくよく見ればテールゲート上部には大型のスポイラーが装着されているほか、オプションの23インチホイールが引き締まったイメージを打ち出しています。その奥に見えるカーボンセラミック・ブレーキもオプションですが、いかにも走りを重視した印象を与えます。

 ただし、実際に走らせてみると、新型ベンテイガ・スピードの快適性は通常のベンテイガとほとんど変わらないように感じました。

 それもそのはず、乗り心地重視のコンフォート・モード、そしてベントレーお勧めのBモードは、スタンダードなベンテイガと変わらないサスペンション設定なので、たとえ23インチ・タイヤを履いていてもゴツゴツとした印象はほとんど感じません。

 むしろ、バネ下重量の軽減に役立つカーボンセラミック・ブレーキの効果で、荒れた路面にも足回りがしっかり追従している印象を与えるくらいです。

 いっぽうでスポーツ・モードを選べばハンドルがぐっと重くなると同時に迫力あるエンジンを聞かせるようになり、ドライバーの気分をもり立ててくれます。足回りもほんの少し硬くなりますが、決してイヤな感じはしません。それでもステアリング操作に対する反応が機敏になり、軽快感が一層、高まります。

 注目のESCダイナミックモードはオフロードで試しましたが、コーナリング中にわざとアクセルペダルを意図的に踏み込むとたしかにリアが流れ出してドリフトに近い状態となり、反射的にカウンターステアをあててしまいました。

 ベンテイガの4WDシステムはトルセンデフを用いたセンターデフ方式で、安定性には優れますが、アクセルを踏んだ状態では基本的にオーバーステアにはできません。オンロードでESCダイナミックモードを選び、オーバーステアを試すのはいささかリスキーですが、オフロードでクルマを振り回したい向きには嬉しい装備かもしれません。

 迫力ある加速感はたしかに従来のW12エンジンをしのぐほど。それでいてハンドリングの軽快さはV8モデルと変わらないのですから、新しいベンテイガ・スピードはスポーティドライビング派にぴったりといえるでしょう。

 いっぽう、環境性能や燃費性能を重視される方々には、V6エンジン+プラグインハイブリッドを積んだベンテイガ・ハイブリッドが引き続き販売されるとのことなので、こちらをお勧めします。(大谷達也)

文:VAGUE 大谷達也
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