3月2日、2024年FIA F2第1戦サクヒールのフィーチャーレース(決勝レース2)がバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、ゼイン・マロニー(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)が優勝。前日のスプリントレースに続き連勝を飾った。
宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)はセーフティカー(SC)導入の影響を受けるも9位でチェッカーを受け、FIA F2初入賞を果たしている。
【ポイントランキング】2024年FIA F2第1戦サクヒール終了時点
フィーチャーレースのグリッドは2月29日に行われた公式予選で決定され、ガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)がポールポジションを獲得。フロントロウ2番手にアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が続いた。
セカンドロウ3番グリッドに前日のスプリントレース(決勝レース1)勝者のゼイン・マロニー(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)、4番グリッドにデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が続き、宮田は3列目5番手からスタートを迎えた。
タイヤ交換義務を有する32周、もしくは60分+1周で争われるフィーチャーレースは、気温20度、路面温度38度というコンディションで幕を開けた。
最前列の2台、ボルトレートとハジャル、そして4番手ハウガーはハードタイヤ(プライムタイヤ)を装着。一方、マロニー、宮田はソフトタイヤ(オプションタイヤ)でのスタートを選択している。
抜群のスタートを見せたのはソフトスタートのマロニー。一気にボルトレート、ハジャルを攻略してトップに浮上する。また、ターン1ではボルトレートがハジャルに追突。この間隙をついた6番手スタートのザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)が2番手に浮上する。
宮田は一時4番手となるも、ハジャルのマシンを避けるべく汚れたコース外側を走行した影響してか、その後の混戦で7番手にポジションを下げることに。
なお、追突されたハジャルはスピンを喫し、そこにエンツォ・フィッティパルディ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が突っ込むかたちとなり、2台はリタイア。オープニングラップからセーフティカー(SC)が導入される。
ハジャルは「ありがとう、ボルトレート」と無線を飛ばしマシンを降りた。なお、ボルトレートはフロントウイングにダメージを負った上に、10秒のタイムペナルティを受けることに。
これで首位マロニー、2番手オサリバン、3番手ハウガー、4番手ボルトレート、5番手ジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)、6番手ポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)、7番手ジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)、宮田というトップ8となる。
5周目にレース再開を迎える、ソフトタイヤのマロニーはファステストを更新して後続とのリードを広げにかかる。また、マルティがハウガー、ボルトレートを攻略し3番手に浮上。さらに7周目にはオサリバンもかわしマルティが2番手に浮上する。
なお、リスタート直前に6番手だったアーロンがコースオフを喫し、宮田は7番手に浮上する。ソフトを履いた宮田は早めにライバルをかわしたいところだったが、クロフォードとボルトレートの5番手争いに引っかかる。
眼前の戦いにペースを崩された影響もあり、宮田は8周目にリチャード・フェルシュフォー(トライデント)にパスされ8番手に後退するが、依然としてテール・トゥ・ノーズの戦いは続く。
12周目、宮田はターン1でフェルシュフォーをパスし、7番手の座を取り戻す。なお、11周目のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)を筆頭に、ハードスタート勢が徐々にピットに入り始める。
宮田は13周目に1分49秒800と自己ベストを更新し、ハウガーの背後に迫る。14周目にはターン1でアウト側から仕掛ける。ハウガーもターン5までサイド・バイ・サイドで粘るが宮田が先行し6番手にポジションを上げる。
16周目には上位勢も動いた。3番手オサリバン、7番手ハウガーがハードからソフトに履き替える。その動きに呼応して、17周目には4番手クロフォード、そして6番手宮田と、ソフトスタート勢も反応。ただ、クロフォードはピットストップの際にエンジンストール。さらにリスタートも叶わず、ここでレースを終えることに。
19周目、トップのマロニー、2番手マルティ、3番手ボルトレートがピットイン。その裏ではマルタンスがエンジンを止め、コースサイドにマシンを止めてしまう。マロニー、マルティがコース復帰し、ボルトレートがタイムペナルティ消化後というタイミングで2度目のSCが宣言される。
SC中、ここまで唯一ピットストップを終えていなかった最後尾スタートのクッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)がピットインし11番手までポジションを上げる結果に。
全車がタイヤ交換義務を終え、マロニー(ハード)、オサリバン(ソフト)、マルティ(ハード)、ハウガー(ハード)、フェルシュフォー(ハード)、アーロン(ソフト)、宮田(ハード)、コラピント(ソフト)、オリバー・ベアマン(ソフト)、アンドレア・キミ・アントネッリ(ソフト)というトップ10でレースは22周目にリスタートを迎えた。
ターン1で宮田はタイヤの差もあり、コラピントにかわされる。さらに、ソフトタイヤを履いたベアマン、アントネッリに続けてかわされ10番手まで後退する。
23周目、宮田は依然としてハードタイヤが発動せず、ソフトを履いたマイニ、ボルトレートにかわされる。ただ24周目には間隙をついてベアマンをかわし11番手に浮上する。
宮田は26周目、同じハードタイヤを履くフェルシュフォーをターン1で攻略し、入賞圏内に返り咲く。そんななか、27周目にはハードタイヤのマルティがオサリバンをかわし2番手に浮上と、ハード勢とソフト勢のペースがここで逆転し、28周目には宮田がターン1でアントネッリをパスし9番手に浮上する。
28周目にはアーロンがオサリバンをかわし3番手に浮上する。一方、宮田もさらにポジションを上げたいところだったが、残り5周時点で8番手ボルトレートとは4.2秒差という状況。
31周目、タイヤの限界かハウガーはボルトレート、マイニにかわされ9番手に後退する。宮田はハウガーとの間合いを1秒以内まで縮めるが、オーバーテイクまでは0.2秒わずかに届かず。
他を圧倒したレースペースを見せつけたマロニーが32周目を終え、4.6秒差のリードを築きトップチェッカーを受けた。2位にマルティ、3位にアーロンが続いた。宮田は9位でチェッカーを受け、FIA F2初ポイントの2点を獲得した。
次戦となる第2戦ジェッダは3月7~9日にサウジアラビア市街地のジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される。引き続き、宮田の戦いに注目したい。
■2024年FIA F2第1戦サクヒール フィーチャーレース正式結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap15Z.マロニーロダン・モータースポーツ1h02'46.435221J.マルティカンポス・レーシング4.621317P.アーロンハイテック・パルスエイト11.78142Z.オサリバンARTグランプリ12.523510G.ボルトレートインビクタ・レーシング12.591612F.コラピントMPモータースポーツ13.60979K.マイニインビクタ・レーシング14.719811D.ハウガーMPモータースポーツ16.00296宮田莉朋ロダン・モータースポーツ16.272104A.アントネッリプレマ・レーシング20.4051124J.デュルクセンPHM AIXレーシング24.0351215R.ヴィラゴメスファン・アメルスフォールト・レーシング29.5321323R.スタネトライデント31.1931422R.フェルシュフォートライデント33.702153O.ベアマンプレマ・レーシング51.1351625T.バーナードPHM AIXレーシング58.999-1V.マルタンスARTグランプリDNF-7J.クロフォードダムス・ルーカスオイルDNF-16A.コルデールハイテック・パルスエイトDNF-8J.コレアダムス・ルーカスオイルDNF-20I.ハジャルカンポス・レーシングDNF-14E.フィッティパルディファン・アメルスフォールト・レーシングDNF
・ファステストラップ:デニス・ハウガー/1分46秒743(17/32) 182.524km/h
・ペナルティ
#22 フェルシュフォー、#17 アーロン、#15 ヴィラゴメス:ピットレーンスピード違反により5秒のタイムペナルティ
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