世界に名を轟かせたライトウエイトオープンをアップデート!
心臓部はNAのSR20エンジンを換装!
「ここまで美しい2代目フェアレディはそうない」SR20DE換装で現代に蘇ったSRL311!
SP/SRフェアレディは、世界に日産/ダットサンの名前を広めた車種のひとつ。そのスタイルはヨーロッパ的ライトウエイトオープンながら、以降の歴代フェアレディ(Z)同様に、その販売台数の8割以上が北米を中心にした海外というのも大きな特徴だ。
北米でヒットしたという背景があるため、アフターマーケットのリプロダクツも多く、純正同等のパーツや社外パーツは現在でも豊富。つまり、40年以上も経過した同年式のオールドカーの中では維持しやすい車両の代表格となっている。
そして、バブル期の旧車ブームの際には多くの車両が日本に逆輸入され、日本国内での現存車両も左ハンドル仕様の方が多いと言われている特殊性もこのモデル特有の現象かもしれない。ちなみに、今回紹介する車両もそうだが形式のSRの後ろに付く“L”は、輸出モデルなどの左ハンドルを表している。
ここで紹介するSR(L)311は、新規で逆輸入された車両で国内未使用、新たに全身をレストアされた上でS13シルビア用のSR20DEなどがインストールされたチューンドだ。製作したのは旧車メインのユードズカー専門店「フレックスオートレビュー横浜」だ。
シャーシやフレームはもちろん、オープンカーにとって重要な幌、そしてシート類に至る全てのパートは徹底リフレッシュ。もはや新車ではないかと疑うレベルの美しさだ。
そして動力性能部。当時、世界レベルと言われたSR(L)311のパワーウエイトレシオは、カタログスペックで約6.3。現行車と比べても遜色のない数値だが、当時のカタログ値はグロス表記であるため実質的な数値は7前後と考えられる。
一方、165psのSR20DEエンジンを搭載したこのチューンドのパワーウエイトレシオは約5.5と、ノーマルを遥かに上回る。また、換装によりインジェクション化されたことでの万能性、快適性も見逃せない。エンジンハーネスごと移植され、コンピュータ制御のインジェクション仕様となったフェアレディは、気難しさなど皆無の貴婦人に性格まで改善されているわけだ。ミッションはエンジン同様にSR20DE用を使用する。
細かい改造ポイントを挙げていくとキリがないが、ラジエターはスペースにピタリと収まり冷却効率も高いホンダ車用を流用していたり、S13純正エキマニは遮熱板にメッキ処理を施してエンジンルームのビジュアルを高めるなど、徹底的に性能と美観を追求しているのだ。
さらに、ノーマルでは心もとないブレーキもFC3S用のキャリパーを移植したことで解決。あえてFC3S用のキャリパーを選んだのは、バネ下重量を不必要に重くしないためでもあるという。
インテリアはほぼオリジナルの状態を保っているが、タコメーター、ガソリン残量計、警告灯類などのメーターはエンジンに合わせて変更済みだ。
キッチリとレストアされて性能も大幅にアップデートされたクラシックスポーツ、フェアレディSR(L)311。過激さはないが、長く旧車を楽しむためのチューンドとしては非常に完成度の高い1台だ。
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