現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 遂に電動のスズキ登場 eビターラ(エスクード)へUK試乗 トヨタ・アーバンクルーザーの兄弟 競合より活発

ここから本文です

遂に電動のスズキ登場 eビターラ(エスクード)へUK試乗 トヨタ・アーバンクルーザーの兄弟 競合より活発

掲載 1
遂に電動のスズキ登場 eビターラ(エスクード)へUK試乗 トヨタ・アーバンクルーザーの兄弟 競合より活発

直近のどんなスズキ車にも似ないeビターラ

欧州が施行する環境規制によって、巨大な影響を受けた自動車メーカーの1つがスズキだ。走行中のCO2排出量を厳しく制限する規則は、複数モデルの販売停止へ追い込んだ。基準を上回るCO2を排出すると、反則金が課せられるためだ。

【画像】トヨタ・アーバンクルーザーの兄弟 スズキeビターラ 選ぶなら?サイズが近い電動モデル 全131枚

車重1.0tを切り、実燃費が21.0km/Lを超えるスイフトより、3.0tある電動SUVの方が環境負荷は本当に小さいのだろうか。疑問を抱いてしまう。

しかし、スズキは諦めない。バッテリーEVのeビターラ(旧エスクード)が、欧州市場にもやってきた。

開発時間と費用を抑えるため、プラットフォームはエンジンで走る既存モデルの大改良版。スタイリングは、直近のどんなスズキ車にも似ていない。全長は4275mmで、ビターラより90mm長い。全幅は1800mmで、25mm広い。

フロア部分に敷かれる駆動用バッテリーは、49kWhか61kWhの2種類から容量を選択可能。実用量は未発表だが、LFPセルということで、大きく目減りすることはないだろう。60kWh程度と予想する。

駆動用モーターは、49kWhには144psのユニットが、61kWhには174psのユニットが組まれる。基本的に前輪駆動だが、後者ではリアアクスルにも65psのモーターを追加でき、システム総合183psの四輪駆動も選べる。

航続距離は、49kWhで344km。英国で主力になるであろう61kWhでは、428kmが主張される。大きさの近いルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックは、453kmだ。

広い車内に新しいタッチモニター 荷室は狭め

既存のプラットフォームを流用していながら、車内空間は意外なほど広い。運転姿勢は自然で、シートの調整域もかなり広い。後席側の膝前空間も、フロアが高くやや不自然な格好になるが、専用プラットフォームを採用するライバルと遜色ない。

荷室は244Lと狭め。後席は前方へスライド可能で、310Lへ広げられるが。

内装は高級ではないものの、ベーシックなクルマとして納得の水準。グレードによっては華やかなカラートリムを選択でき、ソフトタッチ加工されたエリアも小さくない。デザイン自体に、特徴は薄いとしても。グロスブラックのパネルの面積は、少し広すぎる。

ドアポケットは大きく、カップホルダーも各所にあり、センターコンソールの下側にも収納がある。スマートフォン充電パッドも標準とのこと。反面、ダッシュボードからは、実際に押せるハードスイッチが大幅に削られた。

インフォテインメント・システムは新開発で、グラフィックが美しく、メニュー構造は理解しやすい。ただし、動作は遅い。車線維持支援システムやシートヒーターの操作は、タッチモニターを介することになる。

ライバルより活発な走り トヨタらしさが滲む

今回試乗したのは、最終形へ近い試作車だった。英国での納車は、2025年9月から始まるという。ナンバー登録はまだできず、英国のミルブルック自動車試験場での走行となった。多様なコースや路面が整備され、自動車開発には適した施設といえる。

eビターラはスズキが開発を主導したそうだが、後にトヨタ・アーバンクルーザーとしても売られる予定。実際に運転してみると、トヨタらしい素直さが滲む。

61kWhに174psのeビターラは、ジープ・アベンジャーやプジョーe-2008より走りが活発。回生ブレーキの効きは数段階から選択できるが、どのモードでもアクセルペダルの反応は予想しやすかった。

センターコンソール上には、ワンペダルドライブ・ボタンがある。しかし完全に停まるには、ブレーキペダルを踏む必要があった。ブレーキはバイワイヤ制御だが、踏み心地にはコシがあり、効きも安定していた。

ツインモーターの四輪駆動も試乗したが、トルクが11.5kg-mも増えるため、一層活発。0-100km/h加速は、7.4秒でこなすという。とはいえ、シングルモーターの前輪駆動でも、小さなクロスオーバーとして性能に不満はないはず。

線形的で直感的な反応 衝撃の吸収性は良好

操縦系の反応は、すべて線形的で直感的。トヨタ車のように、意識せず自然に運転しやすい。驚きや喜びは薄いかもしれないが、普段使いされる電動クロスオーバーとして、理に適った味わいといえる。

サスペンションは柔らかめの設定で、衝撃吸収性は概ね良好。大小様々な凹凸を、巧みに吸収していた。時折減衰不足を感じる場面はあったが。グリップ力も充分。旋回時の反応も優れていた。

四輪駆動版では、ステアリングホイールが僅かに重くなる。交差点からの急発進時には、トラクションコントロールの介入が小さくなる。乾燥路での差は小さいが、滑りやすい路面を頻繁に走る地域では、役立つはず。

他の交通がない自動車試験場では、運転支援システムを充分には確かめられなかったが、基本的にはフル装備。車線維持支援にも対応するアダプティブ・クルーズコントロール、ブラインドスポットモニターなどが、エントリーグレードから備わる。

ドライバーを監視するカメラも、ステアリングコラム部分に突き出ている。その判断は、過敏ではないようだ。

保証は最長10年 価格次第で魅力的な選択肢に

実際の航続距離などは、量産仕様が登場してから改めて確かめたいところ。電費は6.6km/kWhが主張される。今回の試乗では、4.8km/kWhを超える数字がダッシュボードに表示されることはなかった。

英国価格は、3万3000ポンド(約644万円)からが見込まれる。エネルギー効率に優れる、ヒートポンプ式エアコンは標準装備だという。急速充電は最大150kWまで。10-80%の回復には、45分が必要となる。

アフターサービスは充実している。保証は、ディーラーで整備を受けている限り、最長10年間まで延長可能。駆動用バッテリーも対象になるそうだ。

価格次第で魅力的な選択肢になるであろう、eビターラ。クラス最高水準ではないものの、全体的には無難な仕上がりにある。メガーヌ E-テック・エレクトリックなどを下回るお値段なら、オススメできるモデルになりそうだ。

◯:直感的に運転できる 乗り心地が快適
△:荷室が狭め タッチモニターの反応が遅い

スズキeビターラ 61kWh ウルトラ(英国仕様)のスペック

英国価格:3万3000ポンド(約644万円/予想)
全長:4275mm
全幅:1800mm
全高:1635mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.7秒
航続距離:428km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1799kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:60.0kWh(予想)
急速充電能力:150kW(DC)
最高出力:174ps
最大トルク:19.5kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(前輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

魅力そのまま「お手頃」に ルノー5 E-テック・アーバンレンジ 122psでも運転が気持ちイイ
魅力そのまま「お手頃」に ルノー5 E-テック・アーバンレンジ 122psでも運転が気持ちイイ
AUTOCAR JAPAN
毎日の道具のようなクルマ? BMW M5 ツーリング Mを象徴する車内 車重を感じない加速
毎日の道具のようなクルマ? BMW M5 ツーリング Mを象徴する車内 車重を感じない加速
AUTOCAR JAPAN
「キャトル」30年ぶりに復活 新型ルノー4 E-テック 革新的で実用的な電動世代
「キャトル」30年ぶりに復活 新型ルノー4 E-テック 革新的で実用的な電動世代
AUTOCAR JAPAN
メルセデス・ベンツ新型『CLA with EQテクノロジー』 約900万円から欧州発売 高効率を実現
メルセデス・ベンツ新型『CLA with EQテクノロジー』 約900万円から欧州発売 高効率を実現
AUTOCAR JAPAN
ジープ新型『コンパス』発表 デザイン一新、全長4.5mへ大型化 航続距離650kmのEVモデルも導入
ジープ新型『コンパス』発表 デザイン一新、全長4.5mへ大型化 航続距離650kmのEVモデルも導入
AUTOCAR JAPAN
A110の5座SUV版? アルピーヌA390 プロトタイプ 想像超えの軽快感 総合出力は400-500psか
A110の5座SUV版? アルピーヌA390 プロトタイプ 想像超えの軽快感 総合出力は400-500psか
AUTOCAR JAPAN
【10年ひと昔の新車】スズキ ワゴンR & ワゴンRスティングレーの完成度は驚異的だった
【10年ひと昔の新車】スズキ ワゴンR & ワゴンRスティングレーの完成度は驚異的だった
Webモーターマガジン
結局トヨタ シエンタとホンダ フリードはどっちがお買い得なのか? 販売はシエンタに軍配!! 2台のあばたとエクボをはっきりさせる!!
結局トヨタ シエンタとホンダ フリードはどっちがお買い得なのか? 販売はシエンタに軍配!! 2台のあばたとエクボをはっきりさせる!!
ベストカーWeb
コレはお買い得!──マツダCX-5 20S Black Selection試乗記
コレはお買い得!──マツダCX-5 20S Black Selection試乗記
GQ JAPAN
2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のスーパーカー 10選 誰もが夢見る憧れの的
2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のスーパーカー 10選 誰もが夢見る憧れの的
AUTOCAR JAPAN
ラグジュアリーを極めた「メルセデス・マイバッハの最新作」 ブランド初の電動SUVはプレミアムカーを味わい尽くした人への「裏メニュー」!?
ラグジュアリーを極めた「メルセデス・マイバッハの最新作」 ブランド初の電動SUVはプレミアムカーを味わい尽くした人への「裏メニュー」!?
VAGUE
【試乗】都会派も泥派も満足できる「クロスオーバーSUVの完成系」! 新型SUBARUフォレスターに乗ったら完成度に衝撃!!
【試乗】都会派も泥派も満足できる「クロスオーバーSUVの完成系」! 新型SUBARUフォレスターに乗ったら完成度に衝撃!!
WEB CARTOP
侮れない選択肢──新型スバル フォレスターSPORT EX試乗記
侮れない選択肢──新型スバル フォレスターSPORT EX試乗記
GQ JAPAN
2025年に通用する30年前の面白さ シトロエン・サクソ VTS x プジョー106 GTi(2)
2025年に通用する30年前の面白さ シトロエン・サクソ VTS x プジョー106 GTi(2)
AUTOCAR JAPAN
こだわり派のヤングファミリーにおすすめの「MINI COOPER 5ドアモデル」
こだわり派のヤングファミリーにおすすめの「MINI COOPER 5ドアモデル」
@DIME
スターになり損ねたクルマ、予想外に売れたクルマ 20選 「期待外れ」と「嬉しい誤算」
スターになり損ねたクルマ、予想外に売れたクルマ 20選 「期待外れ」と「嬉しい誤算」
AUTOCAR JAPAN
1.8Lターボ搭載の新型スバル フォレスターSPORTから感じた、懐かしさと上質な走り味の好バランス
1.8Lターボ搭載の新型スバル フォレスターSPORTから感じた、懐かしさと上質な走り味の好バランス
Webモーターマガジン
アルファード&ヴェルファイアを見るとトヨタ一強の理由がわかる! ただ「いいクルマ」じゃなく「売れるクルマ」とは?
アルファード&ヴェルファイアを見るとトヨタ一強の理由がわかる! ただ「いいクルマ」じゃなく「売れるクルマ」とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

1件
  • 投資家のコメント
    CHRがくしゃみしてるよ。

    みんな、久しぶり。仕事が忙しくて暫くコメントできてなかった。空き時間に少しでもコメントする様にするからよろしく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

297 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38 . 0万円 298 . 0万円

中古車を検索
スズキ エスクードの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

297 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

38 . 0万円 298 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村