直近のどんなスズキ車にも似ないeビターラ
欧州が施行する環境規制によって、巨大な影響を受けた自動車メーカーの1つがスズキだ。走行中のCO2排出量を厳しく制限する規則は、複数モデルの販売停止へ追い込んだ。基準を上回るCO2を排出すると、反則金が課せられるためだ。
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車重1.0tを切り、実燃費が21.0km/Lを超えるスイフトより、3.0tある電動SUVの方が環境負荷は本当に小さいのだろうか。疑問を抱いてしまう。
しかし、スズキは諦めない。バッテリーEVのeビターラ(旧エスクード)が、欧州市場にもやってきた。
開発時間と費用を抑えるため、プラットフォームはエンジンで走る既存モデルの大改良版。スタイリングは、直近のどんなスズキ車にも似ていない。全長は4275mmで、ビターラより90mm長い。全幅は1800mmで、25mm広い。
フロア部分に敷かれる駆動用バッテリーは、49kWhか61kWhの2種類から容量を選択可能。実用量は未発表だが、LFPセルということで、大きく目減りすることはないだろう。60kWh程度と予想する。
駆動用モーターは、49kWhには144psのユニットが、61kWhには174psのユニットが組まれる。基本的に前輪駆動だが、後者ではリアアクスルにも65psのモーターを追加でき、システム総合183psの四輪駆動も選べる。
航続距離は、49kWhで344km。英国で主力になるであろう61kWhでは、428kmが主張される。大きさの近いルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックは、453kmだ。
広い車内に新しいタッチモニター 荷室は狭め
既存のプラットフォームを流用していながら、車内空間は意外なほど広い。運転姿勢は自然で、シートの調整域もかなり広い。後席側の膝前空間も、フロアが高くやや不自然な格好になるが、専用プラットフォームを採用するライバルと遜色ない。
荷室は244Lと狭め。後席は前方へスライド可能で、310Lへ広げられるが。
内装は高級ではないものの、ベーシックなクルマとして納得の水準。グレードによっては華やかなカラートリムを選択でき、ソフトタッチ加工されたエリアも小さくない。デザイン自体に、特徴は薄いとしても。グロスブラックのパネルの面積は、少し広すぎる。
ドアポケットは大きく、カップホルダーも各所にあり、センターコンソールの下側にも収納がある。スマートフォン充電パッドも標準とのこと。反面、ダッシュボードからは、実際に押せるハードスイッチが大幅に削られた。
インフォテインメント・システムは新開発で、グラフィックが美しく、メニュー構造は理解しやすい。ただし、動作は遅い。車線維持支援システムやシートヒーターの操作は、タッチモニターを介することになる。
ライバルより活発な走り トヨタらしさが滲む
今回試乗したのは、最終形へ近い試作車だった。英国での納車は、2025年9月から始まるという。ナンバー登録はまだできず、英国のミルブルック自動車試験場での走行となった。多様なコースや路面が整備され、自動車開発には適した施設といえる。
eビターラはスズキが開発を主導したそうだが、後にトヨタ・アーバンクルーザーとしても売られる予定。実際に運転してみると、トヨタらしい素直さが滲む。
61kWhに174psのeビターラは、ジープ・アベンジャーやプジョーe-2008より走りが活発。回生ブレーキの効きは数段階から選択できるが、どのモードでもアクセルペダルの反応は予想しやすかった。
センターコンソール上には、ワンペダルドライブ・ボタンがある。しかし完全に停まるには、ブレーキペダルを踏む必要があった。ブレーキはバイワイヤ制御だが、踏み心地にはコシがあり、効きも安定していた。
ツインモーターの四輪駆動も試乗したが、トルクが11.5kg-mも増えるため、一層活発。0-100km/h加速は、7.4秒でこなすという。とはいえ、シングルモーターの前輪駆動でも、小さなクロスオーバーとして性能に不満はないはず。
線形的で直感的な反応 衝撃の吸収性は良好
操縦系の反応は、すべて線形的で直感的。トヨタ車のように、意識せず自然に運転しやすい。驚きや喜びは薄いかもしれないが、普段使いされる電動クロスオーバーとして、理に適った味わいといえる。
サスペンションは柔らかめの設定で、衝撃吸収性は概ね良好。大小様々な凹凸を、巧みに吸収していた。時折減衰不足を感じる場面はあったが。グリップ力も充分。旋回時の反応も優れていた。
四輪駆動版では、ステアリングホイールが僅かに重くなる。交差点からの急発進時には、トラクションコントロールの介入が小さくなる。乾燥路での差は小さいが、滑りやすい路面を頻繁に走る地域では、役立つはず。
他の交通がない自動車試験場では、運転支援システムを充分には確かめられなかったが、基本的にはフル装備。車線維持支援にも対応するアダプティブ・クルーズコントロール、ブラインドスポットモニターなどが、エントリーグレードから備わる。
ドライバーを監視するカメラも、ステアリングコラム部分に突き出ている。その判断は、過敏ではないようだ。
保証は最長10年 価格次第で魅力的な選択肢に
実際の航続距離などは、量産仕様が登場してから改めて確かめたいところ。電費は6.6km/kWhが主張される。今回の試乗では、4.8km/kWhを超える数字がダッシュボードに表示されることはなかった。
英国価格は、3万3000ポンド(約644万円)からが見込まれる。エネルギー効率に優れる、ヒートポンプ式エアコンは標準装備だという。急速充電は最大150kWまで。10-80%の回復には、45分が必要となる。
アフターサービスは充実している。保証は、ディーラーで整備を受けている限り、最長10年間まで延長可能。駆動用バッテリーも対象になるそうだ。
価格次第で魅力的な選択肢になるであろう、eビターラ。クラス最高水準ではないものの、全体的には無難な仕上がりにある。メガーヌ E-テック・エレクトリックなどを下回るお値段なら、オススメできるモデルになりそうだ。
◯:直感的に運転できる 乗り心地が快適
△:荷室が狭め タッチモニターの反応が遅い
スズキeビターラ 61kWh ウルトラ(英国仕様)のスペック
英国価格:3万3000ポンド(約644万円/予想)
全長:4275mm
全幅:1800mm
全高:1635mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.7秒
航続距離:428km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1799kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:60.0kWh(予想)
急速充電能力:150kW(DC)
最高出力:174ps
最大トルク:19.5kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(前輪駆動)
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