BMW空冷ボクサーの新作 R 12 nineT
2024年3月15日(金)~17日(日)にインテックス大阪で開催された大阪モーターサイクルショー。BMWブースでは新型モデル、R 12、R 12 nineTの実車が日本初公開として展示されました。この2台は海外で2023年、BMWモトラッド100周年の年にデビューしたものです。
【画像8点】空冷エンジン搭載の新型車、BMW R 12 nineTとR 12を写真で解説
ちなみにR nine T(アールナインティ)はBMWモトラッド90周年に由来する車名ですが、今回のR 12 nineTはおそらく排気量(1,170cc)にちなんで数字が加わったものかと。
とはいえ、BMWは1935年にR 12という量産車初のテレスコピックフォークのモデルも出しているので、そのあたりのオマージュももしかしたらあるんでしょうか?
さて、R 12 nineTはどんなバイクかというと、R nineTの後継モデルという位置づけのクラシックロードスター。さきほど車名の「12」は排気量からでは?と言いましたが、エンジンはボア・ストローク101.0mm×73.0mm、排気量1,170ccで、基本はR nineTと同様のようです。
最高出力は80kW(108.8ps)/7000rpm、最大トルクは11.5N・m(11.7kgf・m)/6500rpmで、R nineTと比較して少し発生回転数が上がっていますが、アウトプットの数字は厳しくなった排ガス規制(ユーロ5プラス)をクリアしつつもほぼ維持しています。
BMWファン、ボクサーツインファンとしてうれしいことは空(油)冷をR 12 nineTでも維持していることでしょう。R 1300 GSなどBMWのほかのフラットツインエンジンが水冷化しているのに対し、 HP2 スポーツに搭載されたユニットをルーツにもつR 12 nineTのエンジンはシンプルな外観の空(油)冷方式のままです。
フレームは完全新開発のチューブラースチールフレーム。新フレームは重量も軽くなり、カラーリングが入れられていることでアピアランスとしてもかなり目立つものとなっています。リヤフレームもスチールパイプ製で、R nineT同様にメインフレームにボルト固定となっていて、カスタムを想定した構造となっています。
BMW R 12「実はクラシックなクルーザーモデル」
R 12は空(油)冷エンジン、チューブラースチールフレームなど基幹部分はR 12 nineTと同様ですが、フロント19インチ、リヤ16インチのホイールが装着されていて、BMWモトラッドではクラシッククルーザーと位置づけています。
タンクは1970年代のBMW /5モデルのいわゆるトースタータンクを彷彿させるものが装着され、段差のついたダブルシートが取り付けられています。シート高はR 12 nineTの795mmに対しこちらは754mmで、幅広いハンドルバーとの組み合わせでクルーザーらしいリラックスしたポジションが得られるようになっています。
エンジンはR 12 nineTと比較して最高出力、トルクともに少しだけ数値を抑え、発生回転数を下げたセッテイングが施され、クルーザーというキャラクターにあったエンジン特性が与えられているようです。
このほか大阪モーターサイクルショーBMWブースでは新型車としてS 1000 XRが展示しましたが、3月22日(金)~24(日)開催の東京モーターサイクルショーでは、その「Mバージョン」M 1000 XRがジャパンプレミアとして実車初公開される予定になっています。
レポート●飯田康博 写真●田宮 徹/モーサイ編集部/BMW 編集●上野茂岐
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