今回はウエット路面=低ミュー路でのハイスピードドライビングテクニックを解説しよう。
ウエット路面を制するものがもっとも上手いドライバーとも
まずテクニックの前に行っておきたい準備がある。視界の確保だ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
フロントガラスの汚れの拭き取りは大前提として、まずワイパーブレードを良い状態にしておくこと。ゴムが硬くなったり、端が切れていたら交換する。これはサーキットなどで雨が降ってきたからというようなものではないので、普段からのチェックが大事だ。もちろん、フロントガラスに撥水剤を塗布するのもいいだろう。これはサイドウインドーやサイドミラーにも有効だ。
もうひとつは車内のくもり止め。一般走行ではエアコンを使用していればくもることはないが、ハイスピードドライビングではパワーロスを伴うエアコンは原則使わない。走行中に汗をかき、蒸してくれば車内のくもり止めは必須。これも市販のケミカル剤で行うことになる。ただし、エアコンが付いているクルマの場合はパワーロスとドライビングの快適さを天秤にかけ、後者を優先させた方が現実的な場合もある。臨機応変な考えも必要だ。
低ミュー路でのドライビングテクニックで気をつける点は、タイヤグリップの摩擦円を小さくしか使えないということだ。アンダーステアやオーバーステアといった挙動が低いスピード域で出やすくなる。しかも挙動が出るときはピーキーになりやすいからコントロールもしづらい。挙動を乱さないようなていねいな操作が必要だ。
まずブレーキングを見ていこう。制動距離が長くなるから、それを見越した早めの操作が必要になる。摩擦円が小さくなっているから、ブレーキロックもしやすい。フロントをロックさせてしまえば、アンダーステアによりコーナー外側のグラベルへまっすぐ行ってしまうし、リアをロックさせれば即スピンにつながる。
こうした場合、ブレーキを緩めれば理論的にグリップを回復できるわけだが、これにはタイムラグがある。そこで、かつてはブレーキを断続的に踏むポンピングブレーキが用いられたりしたが、現代のブレーキにはABSが装着されているから、これに任せた方が良い。そういう意味でウエット路面においてABSは必須の装備とも言える。
アクセルペダルのコントロール、とくにRWD(FRやMR)で旋回に入ってからラフにアクセルオンを行うと、すぐにテールがブレイクする。ここでも繊細なアクセルコントロールが求められる。同時にテールが出たときにすぐにカウンターステアリングを当てられる態勢を整えておくことも必要になる。
ちなみにRWDでは、コーナリング中にシフトアップしただけでもテールスライドで姿勢を崩すこともあるから、いずれにしても丁寧な操作がポイントだ。
ただし、制動時に駆動方式は関係ない
FFでは旋回中にアクセルオンをするとフロントタイヤが空転することによってアンダーステアが出やすい。加速時にもホイールスピンしやすく、気持ちばかり焦ってクルマが前に進まないことも起こりがちとなる。基本はクルマの姿勢を変えたところで徐々にアクセルを入れ、完全に出口を向いたらアクセル全開となる。
ただウエット路を含めた低ミュー路は、コーナリング進入で姿勢を作りやすい面もあるから、コーナー前半でクルマの姿勢を大きめに変えて、アクセルオンで前に引っ張るような走りも有効になる。この辺はテクニックの見せ所だろう。ダート路面や雪上で見られるシーンでもある。LSDが装着されたクルマならば、そういう走りがより効果的でRWD車よりも有利になる部分だ。
さらに有利なのが4WDだ。パワーが同じなら、4WDのタイヤは2WDの半分のパワーを受け止めているだけだ。パワーが分散されているぶん、ホイールスピンしづらいし、ホイールスピンをしてもアウトに膨らむだけで大きく姿勢を崩すこともない。コーナリングに入ってからの姿勢の安定という意味では2WDを大きく引き離す。ただし、制動時に駆動方式は関係ないので調子に乗りすぎは注意が必要だ。
ハイドロプレーニングにどう対処するか?
ウエット走行で一番怖いのはハイドロプレーニング現象だ。これには公式がある。アメリカのNASAが導き出したもので、63にタイヤ空気圧の平方根をかけた値がハイドロプレーニングを起こす速度というもの。具体的に数値を計算すると、タイヤの空気圧が2kg/平方センチで89km/h、3kg/平方センチならば109km/hでハイドロプレーイングが起きることになる。前提としてタイヤの溝は水深よりも深くなければならない。
かつてS耐でランサーエボリューションを駆っていた中谷明彦/木下隆之組が、大雨の中で上位クラスを退け優勝したことがあったが、この時もこのセオリーを使い、できるだけタイヤの空気圧を高めたという話を中谷選手から聞いたことがある。(文:Webモーターマガジン編集部 飯嶋洋治/イラスト:きむらとしあき)
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みんなのコメント
雪道を走行する際に、雨の路面と同じ感覚で運転操作した場合にはオーバーステアよりもアンダーステアの極端な動きが多く、運が良ければ何も無い状態で止まったりカーブを曲がれたりするが、運が悪ければカーブを曲がりきれずに対抗して来る車と衝突するか、ガードレールと仲良しに成るかの、どちらか。
その雪道も、毎日同じ状況なんて殆ど有り得ないから雪に慣れてる北国の人達も、その年の最初に降り始めた雪から雪道の走り方を思い出しながら、習得する事が日常生活に直結する。
いつまでもタービンがぁ!!
とかブースがぁ!!
じゃ時代遅れに感じる人もいる可能性ありますからねぇ…
んでオプションさんはなんでYahoo!に記事出さなくなったんですかねぇ