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まとめ|あなたは全員言える? 2025年ル・マン24時間レース総合優勝を競う元F1ドライバーは常連から新人まで計17名

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まとめ|あなたは全員言える? 2025年ル・マン24時間レース総合優勝を競う元F1ドライバーは常連から新人まで計17名

 世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースが今年もやってくる。舞台となるサルト・サーキットは常に、世界最高峰のF1を戦ったドライバーたちを引き付けてきた。F1の章に幕を下ろした者には新たな情熱を与え、フェルナンド・アロンソやニコ・ヒュルケンベルグのように“寄り道”をして再びF1へ戻る者もいる。

 第93回目となる今年もル・マンにも多くの元F1ドライバーが参加する。WECハイパーカーチームの中心人物となっているドライバーもいれば、初挑戦というドライバーもいる。

■耐久プロトの黄金時代は続く……現行LMH&LMDhレギュレーション、WECとIMSAで2032年まで延長

 ここでは2025年ル・マン24時間レースのハイパーカークラスに参戦する全ての元F1ドライバーをピックアップ。F1キャリア、耐久レースへの転身、そして今回のル・マンでの役割を紹介する。

■アントニオ・ジョビナッツィ:フェラーリAFコルセ

 2023年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたアントニオ・ジョビナッツィは、今年も51号車499Pのステアリングを握る。

 ジョビナッツィは他のレーシングドライバーと同様に、カートでキャリアを積んだ後、シングルシーターで四輪デビューを果たした。FIA F3を経て2016年にGP2(現在のFIA F2)にステップアップし、チームメイトだったピエール・ガスリー(現在アルピーヌからF1に参戦)に次ぐランキング2位となった。

 同年、ジョビナッツィはアジアン・ル・マン・シリーズとヨーロピアン・ル・マン・シリーズで耐久レースデビューを果たし、世界耐久選手権(世界耐久選手権)にも2戦出場。その際は4位と2位でフィニッシュした。

 既にフェラーリのリザーブドライバーだったジョビナッツィは、2017年にパスカル・ウェーレインの代役としてザウバーからF1デビュー。2019年から2021年まではアルファロメオに名称が変更されたチームでレギュラー参戦を果たし、通算62戦に出走。2019年ブラジルGPでの5位が最高成績で、計21ポイントを獲得した。

 耐久レースに復帰する前にジョビナッツィはフォーミュラEに参戦したが、そこではポイントを掴むことができず。2023年からWECに再び参戦し、ル・マンにも初出場を果たした。

 その際はジェームス・カラド、アレッサンドロ・ピエール・グイディと共に、50年ぶりの最高峰クラス復帰を果たしたフェラーリに歴史的な総合優勝をもたらした。

 2024年のル・マンでジョビナッツィのトリオは3位表彰台。アントニオ・フォッコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンが駆る僚機が優勝を果たした。

■ロバート・クビサ:AFコルセ

 今年もフェラーリのカスタマーチームであるAFコルセの83号車499Pを駆るロバート・クビサはF1界のビッグネームだった。2005年にフォーミュラ・ルノーを制した後、翌年にBMWザウバーからF1デビューを果たした。ハンガリーGPでは一時的にジャック・ビルヌーブの代役を務め、シーズン中盤以降はレギュラーシートを獲得した。

 クビサは2006年イタリアGPで6番手から3位に入り、自身初のF1表彰台を獲得。ポーランド人ドライバーとしては初の快挙だった。

 2007年のカナダGPでクビサは激しいクラッシュを喫してレースの欠場を強いられたが、翌年の同グランプリで初優勝。この年は自己最高成績となるドライバーズランキング4位に入った。

 2010年にルノーに移籍したクビサだったが、翌年2月にイタリアで開催されたラリーで多重骨折を伴う大事故に見舞われ、2011年シーズンを欠場した。事故により後遺症が残ったクビサだったが、2013年に世界ラリー選手権(WRC)のWRC2クラスでチャンピオンを獲得し、後援もあり2019年にウイリアムズでF1復帰を果たした。2020年にはアルファロメオ陣営に移りリザーブドライバーを務め、翌年にはキミ・ライコネンの代役として2戦を戦った。

 クビサは2021年、WRTからヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦し、LMP2タイトルを獲得。2022年にはプレマからWECに参戦し、2023年にWRTに復帰して再びLMP2タイトルを手にした。

 クビサはアロンソやマーク・ウェーバーに次いで、F1とWECの両方で優勝した史上3人目のドライバー。2024年からはAFコルセからハイパーカークラスを戦っている。

■小林可夢偉:TOYOTA GAZOO Racing

 トヨタの若手ドライバープログラムの一員だった小林可夢偉は、2009年に今は無き同ブランドのF1チームから最高峰デビューを果たした。クビサやジョビナッツィと同様、小林はティモ・グロックの代役としての参戦だった。

 トヨタは2009年限りでF1を撤退したものの、小林のアグレッシブなレーススタイルが注目を集め、2010年にザウバーのシートを獲得。2012年までチームに所属した後、2014年はケータハムで戦った。F1では通算75戦に出場し、表彰台1回、計125ポイントを獲得した。

 小林は2016年からトヨタのWECプログラムに加わり、スポーツカーレースで大きな成功を収めた。2019年、2020年、2021年にはWECタイトルを掴み、2021年にはル・マン24時間レースも制した。また、デイトナ24時間レースでも2019年と2020年に総合優勝を果たした。

 2022年以降、小林はTOYOTA GAZOO RacingのWECドライバーとWECチーム代表を兼任。今年はマイク・コンウェイ、ニック・デ・フリーズとトリオを組んで往年のGT-Oneカラーが施された7号車GR010ハイブリッドのステアリングを握る。ちなみにサルト・サーキットのレコードホルダー(3分14秒791/2017年)でもある。

トヨタからデ・フリーズ/ブエミ/ハートレー

■ニック・デ・フリーズ:TOYOTA GAZOO Racing

 トヨタ7号車には小林と並び元F1ドライバーがふたり乗ることになる。今度はデ・フリーズに注目してみよう。

 デ・フリーズは2010年にマクラーレンの育成プログラムに加わり、フォーミュラ・ルノーやF2でタイトルを獲得したが、すぐにF1のチャンスを掴むことはできなかった。

 そこでデ・フリーズは2019年にメルセデスのフォーミュラEチームへ加入し、2020-21年シーズンに世界タイトルを掴んだ。フォーミュラEでの戦いと並行して、メルセデスF1ではリザーブドライバーも務め、虫垂炎に見舞われたアレクサンダー・アルボンの代役として2022年イタリアGPでウイリアムズからF1デビューを果たした。

 ここでデ・フリーズは9位フィニッシュを獲得し、2023年はアルファタウリ(現在のレーシングブルズ)からフル参戦を果たすことが決まった。しかし僚友・角田裕毅と比べ十分な成績を残すことができず、10戦を終えてダニエル・リカルドに交代させられた。現在はフォーミュラEへ戻り、マヒンドラからシリーズを戦っている。

 フォーミュラカテゴリーで活躍する傍ら、デ・フリーズは2018年以降、耐久レースでも名を馳せてきた。2024年にはトヨタに加わり、WECハイパーカーをドライブ。イモラ6時間レースでは勝利を手にした。

 昨年のル・マン24時間レースでは小林、ホセ・マリア・ロペスと共に2位となった。

■セバスチャン・ブエミ:TOYOTA GAZOO Racing

 モータースポーツを見始めて日が浅い方には知らない人もいるかも知れないが、セバスチャン・ブエミはル・マンをはじめとする耐久レースやフォーミュラEで活躍する前、F1に参戦していた。

 レッドブル育成だったブエミは、シニアチームに昇格したセバスチャン・ベッテルの後任として2009年にトロロッソ(現在のレーシングブルズ)からF1デビューを果たした。スイス人としては1995年以来、初のF1ドライバーとなった。

 ブエミは初戦オーストラリアGPでポイントを獲得。2011年まで通算55戦に参戦し、ベストリザルトは7位。通算29ポイントを獲得した。

 2012年にブエミはトヨタからWECに参戦。2014年、2018-19、2022年、2023年にチャンピオンに輝き、チームの柱としての地位を確立していった。また2018年、2019年、2020年にはル・マンで3連覇を果たした。2025年も引き続き、ブレンドン・ハートレー、平川亮と共に8号車GR010ハイブリッドを走らせる。

 ブエミはフォーミュラEにも2014年の発足当初から参戦しており、2015-16シーズンにはルノーeダムスでタイトルを獲得し、以降シリーズ最多の14勝を挙げた。

■ブレンドン・ハートレー:TOYOTA GAZOO Racing

 ブエミのチームメイトであるハートレーも以前F1に参戦していた。ブエミと同じくレッドブルの育成プログラムに所属し、ジョビナッツィと同じくF1デビュー前に耐久レースを走っていたため、最高峰デビューは比較的遅かった。

 フォーミュラ・ルノーとF3の経験を経て、ハートレーは2012年にLMP2を経験。2年後にはWEC最高峰クラスにステップアップを果たし、ティモ・ベルンハルトやウェーバーと共にポルシェでシリーズを戦い、2015年と2017年にタイトルを獲得し、2017年にはル・マンを制した。

 まだレッドブル陣営のリザーブドライバーを務めていたハートレーは2017年、日本のスーパーフォーミュラ最終戦に出場するため、ガスリーの代役としてトロロッソからF1デビューを果たした。結局、ハートレーはダニール・クビアトの後任として残りのシーズンをガスリーと共に戦った。

 ハートレーは2018年までトロロッソからF1を走った後、耐久レースに復帰。2019年にトヨタ陣営に加入すると、2020年、2022年、2023年にル・マンを制し、2022年と2023年にはWECタイトルも手にした。

皇帝の息子やF1王者もル・マンに

■ケビン・マグヌッセン:BMW MチームWRT

 数ヶ月前までハースF1に所属したケビン・マグヌッセンは、フォーミュラカテゴリー最高峰でキャリアの大半を過ごした。

 マグヌッセンは2014年にマクラーレンからF1デビューを果たし、いきなり表彰台を獲得したが、同年でシートを喪失。2015年はマクラーレンのリザーブとして1戦のみに参加した。その後ルノーで1シーズンを過ごした後、ハースへと移籍し2020年シーズン末まで過ごした。

 ハースが2021年にルーキーふたりを起用したためマグヌッセンはF1を離れたが、チームがニキータ・マゼピンとの契約を破棄したため、後任として急遽呼び戻され、2022年に復帰を果たした。

 マグヌッセンは計185戦に参戦し、計202ポイントを獲得。最高成績はデビュー戦での2位で、2022年サンパウロGPでは雨の中ポールポジションを獲得した。

 2021年にF1から一度離れた際、マグヌッセンはWECハイパーカー参戦に向けてプジョーと契約を結んだが、9X8をドライブする機会は訪れず。またチップ・ガナッシ・レーシングからIMSAスポーツカー選手権にも参加した。

 今年はBMW Mモータースポーツに加入し、4年前にLMP2で参戦して以来となる、ル・マンをハイパーカークラスで迎える。

■ミック・シューマッハー:アルピーヌ耐久チーム

 7度のF1世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーの息子であるミック・シューマッハーは、シングルシーターカテゴリーを駆け上がり2018年にF3、2020年にF2タイトルを獲得。2021年からマグヌッセンらの後任としてハースからF1デビューを果たした。

 ただマシンパフォーマンス不足もあり、F1でミック・シューマッハーは苦戦。翌年にはF1初ポイントを記録したものの、2023年のシートを獲得できず。計43グランプリに参戦し、最高成績は2022年オーストリアGPの6位だった。

 その後、ミック・シューマッハーはリザーブドライバーとしてメルセデス陣営に移籍。その傍ら、2024年からはWECにアルピーヌから参戦を開始し、富士6時間レースではブランドにとってハイパーカークラスで初の表彰台獲得に貢献した。今年はジュール・グーノン、フレデリック・マコヴィッキィとトリオを組みアルピーヌ36号車A424をドライブしており、イモラとスパで3位表彰台に登った。

 ミック・シューマッハーは昨年初めてル・マンに挑戦したが、わずか88周でリタイアを余儀なくされた。

■ジェンソン・バトン:キャデラック・ハーツ・チームJOTA

 今年のル・マンに挑むハイパーカードライバーの中でF1世界チャンピオンに輝いたのはジェンソン・バトンただひとり。マイク・ホーソン、フィル・ヒル、ヨッヘン・リント、グラハム・ヒル、アロンソに並び、ル・マンで勝利を掴んだF1チャンピオンに名を連ねようとしている。

 バトンはイギリス人としては最年少の20歳2ヵ月で、2000年にウイリアムズからF1デビューを果たし、その後ベネトン、BAR、ホンダ、マクラーレンなどでドライブしたが、タイトルを手にしたのはブラウンGPからF1を戦った2009年。通算309戦に出場して計15勝、8回のポールポジションという記録を残して2017年にF1を去った。

 バトンの才能はフォーミュラカテゴリーに留まらず、2018年には日本のスーパーGTでタイトルを獲得した他、ラリークロスやNASCAR、耐久レースにも挑戦してきた。

 これまでバトンは、2018年にSMPレーシングからル・マンに参戦。2023年にはガレージ56枠からNASCAR車両でサルト・サーキットを走った。

 バトンは今年、2024年に続いてチームJOTAからWECにフル参戦。チームの鞍替えにより、ポルシェ963からキャデラックVシリーズ.Rを走らせる。

チャンプカーの王者ブルデーも

■セバスチャン・ブルデー:キャデラック・ハーツ・チームJOTA

 1999年にF3、2002年にF3000のチャンピオンに輝いたセバスチャン・ブルデーは北米にわたり、チャンプカー・シリーズで通算73戦の中で31勝と44回の表彰台、タイトル4連覇を達成した。

 これがブルデーのF1への道を切り開き、2008年からトロ・ロッソへ加入。2009年にかけて27戦に参戦し、計6ポイントを獲得。ベストリザルトは2009年オーストラリアGPでの7位だった。

 チーム力が物を言うF1では振るわなかったブルデーは耐久レースに転向。これまで通算17回ル・マンに挑戦しているが、総合優勝はまだない。ただ、2016年にはLMGTE Proにフォードから参戦しクラス優勝を手にした。

 今年ブルデーはJOTAの38号車をバトン、アール・バンバーというふたりとともにル・マンに挑戦する

■ウィル・スティーブンス:キャデラック・ハーツ・チームJOTA

 2014年アブダビGPでケータハムからF1デビューを果たしたウィル・スティーブンスもJOTAから今年のル・マンに挑むが、こちらは僚機12号車に乗り込む。

 スティーブンスはF1デビューの翌年、マノー・マルシャからフルシーズンを戦ったものの、2016年のシートを掴むことはできなかった。

 その代わりにスティーブンスはマノーの新しい耐久プログラムに招集。その後Gドライブ・レーシングに出向しル・マンでLMP2クラス2位を獲得した。翌年はLMGTE Amでクラス優勝を果たした。

 IMSAやヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、アジアン・ル・マン・シリーズを経て、スティーブンスは2022年にWECを戦うJOTAに加入。なお、2018年からはマクラーレンF1で開発ドライバーも務めている。

■ジャック・エイトケン:キャデラック・ウェーレン

 当初はルノーのリザーブドライバーだったジェック・エイトケンだが、2020年にウイリアムズ陣営に加入。同年のサクヒールGPでルイス・ハミルトンの代わりにメルセデスでジョージ・ラッセルが登用されたことで、エイトケンがウイリアムズから代役出走を果たした。

 F1で1度きりのグランプリ出走を経たエイトケンは耐久レースやGTレースに転向。2021年にはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦したが、スパ24時間レースで複数ヵ所を骨折する大事故に見舞われた。

 しかし2022年にエイトケンはヨーロピアン・ル・マン・シリーズにLMP2クラスで参戦し、ル・マンにもLMP2クラスで参加した。翌シーズンはIMSAに戦いの場を移してキャデラックをドライブ。セブリング12時間レースでの勝利に貢献した。

 活躍が認められ、2024年にエイトケンはIMSAレギュラードライバーに昇格。ル・マンにも出場したが、1周目のアクシデントで勝負権を失った。

2024年フォーミュラE王者ウェーレインも参戦

■パスカル・ウェーレイン:ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ

 F3ユーロシリーズでランキング2位になるなどジュニアカテゴリーで成績を残したウェーレインは、メルセデスから2013年のドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦。1年後には同シリーズで最年少レースウィナーとなり、2015年には21歳でチャンピオンに輝いた。

 DTMでの成功によりウェーレインはF1からも注目を集め、2016年にマノー・レーシングからF1デビュー。オーストリアGPで初ポイントを獲得した。翌年はザウバーに移籍し、スペインGPで8位というベストリザルトを残した。

 チーム唯一のポイント獲得という結果もウェーレインは同年でザウバーを解雇され、出走記録は39で止まった。

 その後ウェーレインはフォーミュラEに転向。2020年にはポルシェへと移籍した。2024年には同シリーズで初のタイトルをポルシェに届けた。

 今年、ウェーレインはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツから耐久レースデビュー。ケビン・エストレ、ローレンス・ヴァントールと共にスパ6時間で6号車ポルシェ963を走らせた。そして初めてのル・マンに挑む。

■フェリペ・ナッセ:ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ

 F3とGP2で数シーズンを過ごした後、フェリペ・ナッセはウイリアムズのリザーブドライバーに就任。F1フリー走行に何度か参加した。

 その後ナッセはザウバーに加入し、2015年と2016年はレギュラードライバーを務めた。2シーズンで獲得したポイントは29ポイント。ルーキーイヤーのオーストラリアGPではベストリザルトとなる5位入賞を果たした。

 F1での章が幕を閉じた後、ナッセは耐久レースに転向。2018年はアメリカに渡りIMSAに参戦した。初年度からタイトルを獲得した他、2021年、2024年にもチャンピオンに輝いた。伝統のセブリング12時間レースやデイトナ24時間レースでは、それぞれ2勝を挙げた。

 ナッセは2022年にLMP2でWECに参戦。今年はポルシェでハイパーカークラスを戦う。同じく元F1ドライバーであるウェーレインのチームメイトとして4号車ポルシェ963に乗り込み、ル・マンで初めての総合優勝を狙う。

■ポール・ディ・レスタ:プジョー・トタルエナジーズ

 ウェーレインと同様、ポール・ディ・レスタもF1デビュー前にDTMを戦った。2010年のタイトル獲得を含む堅実な成績を残してF1に戦いの場を移した。

 2011年にフォースインディアでF1デビューを飾ったディ・レスタは、同チームで3シーズンを過ごし、通算58グランプリで計121ポイントを獲得した。2017年にはフェリペ・マッサの体調不良により、代役としてウイリアムズからハンガリーGPで一度限りのF1復帰を果たした。

 2014年からDTMに復帰した後、ディ・レスタはユナイテッド・オートスポートからIMSAとヨーロピアン・ル・マン・シリーズの耐久レースに参戦した。デイトナ24時間レースを経験し、2020年にはル・マン24時間レースのLMP2クラスで勝利を飾った。その2年後、ディ・レスタはプジョーのハイパーカー・プログラムに加わった。

■ジャン-エリック・ベルニュ:プジョー・トタルエナジーズ

 ディ・レスタのチームメイトとして、今年のル・マン24時間レースで93号車プジョー9X8に乗るジャン-エリック・ベルニュも元F1ドライバー。かつてレッドブルの育成プログラムに所属し、ジュニアカテゴリーで結果を残し、2012年にトロロッソからF1に参戦した。2014年までの58戦で、最高成績は6位だった。

 2015年にマックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツJr.がトロロッソに加入したことで、ベルニュはレギュラーシートを失い、その後フェラーリでテストドライバーとして2年間起用された。

 2014年にベルニュはフォーミュラEにも参戦し、2017-18年と2018-19年にはタイトルを獲得し、シリーズ初のダブルチャンピオンに輝いた。2023年からはDSペンスキーに所属している。

 同時にベルニュはWECにも参戦し、2017年はマノー、2019年はTDSレーシングからル・マン24時間レースのLMP2クラスを走った。2022年からはプジョーからハイパーカークラスを戦っている。

■ストフェル・バンドーン:プジョー・トタルエナジーズ

 フォーミュラ・ルノーとGP2でタイトルを獲得したストフェル・バンドーンは、2013年にマクラーレンの若手ドライバープログラムに参加。負傷したアロンソに代わって、2016年のバーレーンGPでF1デビューを飾った。2017年と2018年にはレギュラードライバーとなったが、41戦に出場して計26ポイント。チームの戦闘力不足もあり、ベストリザルトは7位だった。

 マクラーレンが2019年にカルロス・サインツJr.と新人ランド・ノリスを起用したため、バンドーンはフォーミュラEに戦いの場を移した。2年後にはメルセデスでチャンピオンを獲得し、現在もマセラティから参戦している。

 バンドーンは2019年のスパ6時間でもSMPレーシングからバトンの代役としてWECに挑戦。3位表彰台を獲得し、ル・マン24時間レースでも3位に入った。

 その後は2021年のWECにLMP2で1シーズン参戦した後、2024年にプジョーからハイパーカークラスに参戦。並行してアストンマーティンF1でリザーブドライバーも務めている。

文:motorsport.com 日本版 Téha Courbon
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