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ランチア『イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ』の国際ラウンチ実施。WRC2やERCで復帰へ

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ランチア『イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ』の国際ラウンチ実施。WRC2やERCで復帰へ

 ランチアは現地11月18日、フランスのサトリにあるステランティス・モータースポーツ本社にて、2026年のWRC世界ラリー選手権のWRC2クラスに参戦する新型『イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ』を国際メディアに公開。これはブランドの復活における新たな章の幕開けとなるもので、ラリーの分野でもっとも成功を収めたブランドにとって歴史的な節目となった。

 言わずと知れた名門にとって、WRCでのコンストラクターズ選手権11回獲得、ミッレミリア制覇、タルガ・フローリオでは2勝、カレラ・パナメリカーナでも優勝を飾った栄光の歴史に連なる新章は「単なる懐古主義的な取り組みではなく、進化のためのプロジェクトだ」と明言された。

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 そのランチアは、かねてより開発進捗とエクステリアが公表されてきたこの新型モデルにて、WRC2を筆頭にFIA ERCヨーロッパ・ラリー選手権、さらにイタリア、フランス、スペイン、ベルギーなどの主要国内選手権に、ファクトリーチームとカスタマーチームによる公式ラインアップで参戦するとした。

 会の席上で挨拶したランチアのロベルタ・ゼルビCEOは、「ランチアのWRC復帰は、謙虚さ、決意、そしてイタリアの誇りを基盤とした道のりの成果です」と、改めて名門ブランドのラリー復帰に向け意気込みを述べた。

「我々は、この伝説的な歴史と伝統を深く認識していますが、それは自らを威圧するどころか、ランチアが紛れもないスタイルと大胆さで競技復帰したことに対し、最後まで全力を尽くすという原動力を与えてくれるものなのです」

 イベントには、ステランティス・モータースポーツの上級副社長であるジャン=マルク・フィノーや、ステランティス・モータースポーツのカスタマーレーシングおよびスポーツ車両部門責任者であるフランソワ・ウェールズらも出席し、グループのレーシングブランド間の相乗効果と共通のパフォーマンス文化について強調するとともに、この「複数のレースシーズンで培った経験を活かした全く新しいマシン」である新型モデルの技術開発と2026年のスポーツロードマップについても発表された。

「このクルマは、アルプス中央山塊のワインディングや、イタリアのバロッコ試験場での徹底的なテストと検証プログラムを通じて開発された。新型『イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ』は、エンジニアリングの精密さとランチアのアイデンティティを融合させ、このカテゴリーにおけるトップクラスの地位を確立することを目指している」

「各車両はランチア・グループのWRC2、ERC、耐久レース、そしてカスタマーレーシングプログラムに携わる同じチームとの共同開発により、現在のモータースポーツ界では稀に見る技術的な一貫性とプログラム間の堅牢性を確保している」

 通算2度のWRC王者にも輝くミキ・ビアシオンがプロジェクトのテクニカルコンサルタントを務め、各種のテストを担当してきたが、開発を統括するランチア・コルセHFディレクターのエウジェニオ・フランツェティも、2025年トロフェオ・ランチアの結果を振り返りつつ、今回の復帰が持つ感情的かつ象徴的な価値を強調した。

「ランチアがラリーに戻ってくるのを見るのは、まるでひとつの円環が閉じられたような気持ちだ。これらのマシンがカタチになっていくのを見守り、テストにも貢献し、今ではこのプログラムの若手ドライバーたちとともに仕事をしている。再び、誰かがラリーを夢見る時、ランチアを夢見ているのだと知るのは、本当に感慨深いね」

 ラウンチの席上では、この『イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ』が差別化を図る7つの主要開発領域も明示され、大幅な軽量化と低重心化で重量バランスを最適化し、先進の空力特性によりダウンフォースと高速走行時の安定性を向上。出力面ではWEC世界耐久選手権を戦うハイパーカー『プジョー9X8』のアーキテクチャーに由来する、ターボ・マネジメント・システムと新型アンチラグ・システム(ALS)を搭載したことで、クラス最高水準のエンジン性能とドライバビリティを両立した。

 さらにギア比を見直したトランスミッションと、あらゆる路面状況に最適化したデファレンシャル、ターマックとグラベルの両方でクラス最高のパフォーマンスを発揮するシャシーとサスペンション・ジオメトリ、エルゴノミクスや快適性、集中力を最大限に高めるドライバー環境に、一新されたボディシェルとロールケージにより優れた剛性を確保。FIA国際自動車連盟が定める安全基準への完全準拠を実現している。

 宣言どおりランチアは2026年にもFIA WRC2に正式デビューを果たし、ラリーで勝利し、チャンピオンシップタイトル獲得を目指すという明確な目標を掲げ、モンテカルロ・ラリーを皮切りに少なくとも8つのイベントに参戦する。

「来季は新ドライバーの発表、テクニカルアップデート、そして開発ロードマップの策定など、国際および国内ラリーステージにおけるランチアの存在感を強固なものにし、革新性、パフォーマンス、そして情熱の基準点としての役割を確固たるものにしていくつもりだ」

[オートスポーツweb 2025年11月25日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

6件
  • そにー製パスタ
    やっぱランチアが居なきゃね!
  • umi********
    誰か全日本ラリーのJN1クラスにこのマシンで参戦してくれませんかね〜。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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