FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、F1の予算上限を巡ってFIAから情報がリークしたのではないかという憶測を否定している。
F1は2021年から各チームが年間に使用できる予算の上限を設定。今年の10月には、2021年の予算上限を遵守しなかったチームの存在が明らかになった。
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規則違反を指摘されたのはレッドブルとアストンマーチンの2チーム。うちアストンマーチンは手続き上の問題のみだったが、レッドブルは実際に180万ポンド(約3億円=上限の1.6%)予算上限額をオーバーしていたとされ、彼らは最終的に解釈の間違いを認めてペナルティを受け入れることになった。
これで予算上限に関する問題は決着となったわけだが、レッドブルとしては別の問題を追求している。それはFIAからの”情報リーク”の疑いだった。
レッドブルの違反については9月下旬のシンガポールGPの週末には噂が流れ始めていたが、メルセデスやフェラーリは当時から、厳罰を望む声を上げていた。
そうした中レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、それらがFIAの正式な情報を基にしたものではく、”中傷的な”主張だとライバルを非難。FIAからリークがあった可能性を含めて、批判してきた。
「シンガポールでなされた誹謗中傷は、我々全てのスタッフやパートナー、レッドブルに関係する人々にとって、非常に腹立たしいものだった」
「言うまでもないが、どんな形であれ情報リークは非常に心配される事態だ。我々としては、フォローアップされることを期待している」
ホーナー代表はそう語っていた。
一方でレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、元メルセデスF1の弁護士であるシャイラ・アン・ラオがFIAのスポーツ担当の“暫定”事務局長に就任していることもあり、“スパイ”行為があったのではないかと疑いの目を向けていた。
情報リークとスパイというこの疑惑については、FIAのスレイエム会長が2022年のF1最終戦アブダビGPの現場で改めて否定している。
「シャイラ・アンは、私を非常に支えてくれた。大きな決断を下す時、彼女の知性が垣間見えた」
「正直にお話しておくが、シャイラ・アンについて言えば、彼女はメルセデスのサポーターだという非難があった」
「しかし実際には、(予算上限レギュレーションに違反のあった)両チームにペナルティが科されたとき、彼女は『少し厳しすぎる』と話したんだ」
「それで『なんてことだ、メルセデス寄りだと批判されている人が、私にレッドブルに厳しすぎると言ってきた』となったよ」
さらにスレイエム会長は、予期せぬ情報の流布はF1の全てのレベルで発生しているものであり、最近の出来事は何も異常なことではないと語った。
「我々はオーストリアにいて、F1委員会の会合に出席していたんだ。そして我々がそれについて話している時、すでに(今回の件について)ニュースになっていた」
「会議が終わる前に色々と発覚してしまうこともあり、時にはイライラさせられる」
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