EVシフトは減速していなかった
2026年5月における世界全体でのEV販売動向が判明。EVシフト減速といわれるなか、世界でどれほどEVシフトが減速したのか、それとも普及したのかなど、世界全体のEVシフトの最前線を解説します。
日本のEVは世界でどのぐらい売れてる? 販売動向の現在を探ってみた
まず世界全体のバッテリーEV(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売台数の合計は約174.3万台に到達し、前年同月比+4%とわずかな成長幅に留まりました。PHEVは前年比−15%と、とくに中国市場におけるPHEVの需要減速によって大幅なマイナス成長に突入してしまったものの、BEVは前年比+15%と着実な成長を実現。
新車販売全体に占めるBEVとPHEVの合計である新エネルギー車(NEV)シェア率も、5月単体で26%に到達。2026年の最初の5カ月平均におけるNEVシェア率は22%、BEVシェア率も16%でした。つまり、世界全体の新車販売の5台に1台以上がNEV、なかでもBEVはおよそ6台に1台という普及率です。
さらに重要なのがマーケット別におけるNEV成長率です。NEVの税制優遇措置の変更に伴う需要減速が観測されているアメリカと中国を除いてみると、NEVシェア率は前年比+39%、BEVは前年比+47%と、米中以外のマーケットではEVシフトが大きく進んでいることがわかります。
ただし、PHEVに限定すると、成長率は前年比+20%と鈍化傾向にあります。やはりPHEVの需要というのは、中国だけでなく世界全体でも鈍化し始めているという兆候が見て取れるわけです。
次に、EVシフトが着実に進む世界全体のEVシフト成長の流れにおいて、どのようなEVが人気であったのかを分析していきましょう。まず、2026年5月単体におけるBEVとPHEVの人気車種ランキングトップ20を確認します。緑がBEV、ピンクがPHEVを示しています。
トップから、テスラモデルY、ギャラクシーXingyuan、テスラモデル3、BYD Songシリーズ、BYD Atto 2がトップ5にランクイン。トップのモデルYはロングホイールベースモデルとなるモデルY Lも販売台数に含まれているため、モデルYシリーズとして前年比+16%と好調です。とくに日本を含めたアジア環太平洋地域における需要が非常に大きいです。
また、BYDはこのトップ20のうち8車種を席巻しており、そのプレゼンスの大きさが見て取れます。とくにBYDは第二世代ブレードバッテリーを搭載する新型モデルを急ピッチで生産拡大中であり、下半期にかけてEV人気車種ランキングでさらに複数の新型モデルがランクインする可能性が高いです。
また、8位のリープモーター「A10」も急速に販売台数を増加させています。A10は、BYD Yuan UpやギャラクシーXingyuanなどの売れ筋コンパクトEVを狙い撃ちしながら、海外販売でも大きなポテンシャルを秘めており、今後さらに販売台数を伸ばしていくことは間違いありません。
そして、人気車種ランキングトップ20において、テスラ以外の海外勢が消滅し、中国勢が席巻する格好となりました。これまではフォルクスワーゲンID.4やトヨタbZ4Xなどの一部モデルが粘っていたものの、それらの海外勢が盛り返すどころか、むしろ中国勢の存在感がさらに増しているのです。
世界3位に大躍進のリープモーターに注目
次にこのグラフは2026年の1月から5月までのBEVとPHEVの累計販売台数ランキングトップ20です。テスラモデル3が前年比でマイナス成長に留まっており、モデルYの販売増加とは対照的に需要が失速しています。すでにモデル3はモデルチェンジされてから2年半が経過しており、販売テコ入れのためのモデルチェンジなどの続報が待たれるところです。
また、トヨタbZ4Xが17位にランクインするという快挙を達成しました。bZ4Xは主力マーケットである米国だけでなく、ホームマーケットである日本でも販売台数を伸ばして世界戦略車としての存在感を発揮しています。はたして2026年シーズンを通しても人気車種ランキングトップ20に残れるのかに注目です。
次に、2026年5月単体の自動車ブランド別のBEVとPHEVの合計販売ランキングを見てみると、トップからBYD、テスラ、ジーリー、リープモーター、Wulingがランクイン。BYDは第二世代ブレードバッテリー搭載モデルの生産体制を拡張中であるものの、すでに前年比におけるマイナス成長トレンドからはほぼ脱出しており、下半期での販売増加に期待です。
一方で気になるのは、3位のジーリーが前年比でマイナス成長に留まっているという点です。ジーリーはA7 EV、Starship 7 EV、Galaxy TT、Battleship 700など、複数の新型モデルを投入するものの、下半期にどれだけ販売台数を増加させることができるのかに注目でしょう。
そして、このトップ3を猛追しているのがリープモーターです。リープモーターは、2026年シーズンで100万台のEVを発売する計画で、直近の6月単体では9.3万台を販売しており、年間100万台級の販売ペースに到達しています。ジーリーとの3番手争いにも注目です。
また、7位にトヨタがランクインしました。5月単体で4.2万台のEVを販売しており、2025年末以降に順次投入されている新型bZ4X、bZ4Xツーリング、CH-R、アーバンクルーザー、bZ7、新型RAV4、さらにはハイランダーEVなどの新型EVがどれだけ売れるのか。フォルクスワーゲンとのトップ5対決の行方にも期待です。
最後に自動車グループ別の販売シェア率を確認します。右側のBEVのみの販売シェア率を見てみると、トップはBYDの13.1%であり、PHEVを含めなくとも世界トップの販売シェア率を達成しています。これらEV販売のトップの自動車グループの2026年下半期の見どころを列挙します。
・ジーリー:2025年の急成長を2026年でも再現することができるのか。大衆EV販売で直接対決するリープモーターとの販売対決の行方。
・テスラ:モデル3の販売減少分を、アジア環太平洋地域のモデルYシリーズの需要増加によってどこまでカバーできるのか。2023年以来となる史上最高の年間販売を達成できるのか。
・BYD:第二世代ブレードバッテリー搭載モデルの実際の売れ行き。とくにDa Tang、Seal 08、Da Han、Sealion 08、Formula Sシリーズ、Denza Z、Tai 9などという、BYD史上最大級となる一連の新型車投入ラッシュによって、EV市場全体にどのようなインパクトを与えるのか。
今後も定期的に世界のEV普及動向の定点観測を続けていきたいと思います。
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みんなのコメント
『6台に5台はエンジンを積んだ車だった!』
て、事になりますね
それで売れていると言えるのか?
売れてないでしょ。で、中国でも今やPHEVなどの方が売れている状況だからね。
昨年比で中国全土で自動車販売が20%も落ち込んでいるし無理やり価格競争で台数稼ごうとしたからEVシフトもそろそろ限界。