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【ヒットの法則262】アルファ スパイダーはピニンファリーナによる逸品、誰もがその美しさに魅了された

掲載 更新 4
【ヒットの法則262】アルファ スパイダーはピニンファリーナによる逸品、誰もがその美しさに魅了された

2006年秋、アルファロメオの注目モデル「アルファ スパイダー」が日本上陸を果たしている。アルファの伝統を受け継ぐ3代目アルファ スパイダーは、日本の道でどんな魅力を発揮したのか。日本に導入されたモデルの中から、ここでは3.2JTS Q4ディスティンクティブの試乗を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年1月号より)

ガラスウインドウを備えた5層のソフトトップを採用
アルファ スパイダーは格好いい。特にオープンにしたときのリア周りの造形が。左右フェンダー上部の盛り上がりとロールバー後部に設えたバルジが醸し出すノスタルジックな美しさは、スパイダーを作り続けてきたアルファだからこそ可能になったと言っていい。

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アルファのスパイダーの歴史は長い。1955年のジュリエッタから半世紀、1966年のデュエットからでも40年に及ぶ。この間、歴代モデルはすべてピニンファリーナがデザインを手がけてきた。今度のモデルもこの伝統に則ってピニンファリーナに委ねられた。

ベースとなったのはジウジアーロ・デザインのブレラだ。ブレラはGTVの後継となるだけに、これのオープン化がスパイダーとなるのは必然だが、スパイダーにはピニンファリーナのバッジ、それもデザインしたことを示す「f」マークが付く。日本人的には疑問符が浮かぶところだが、同様のケースはマセラティでもあったから、イタリアならではの贅沢なコラボレーションと思えばいい。

注目のトップは、ガラスウインドウを備えた5層のソフトとする。セキュリティなどを考慮すれば流行のメタルトップになるのだろうが、アルファとピニンファリーナはソフトトップならではのエレガントさを求めた。

ヴェバスト社製のトップシステムは開閉に26秒を要する。最近のモデルと比べると時間がかかる方だが、その凝った動きを見れば納得させられる。また、オープン化に伴いフロアやAピラー、さらに前後のバルクヘッドを強化している。そのためブレラに比べ80kgほど車重が増している。

日本に導入されたのはFFの2.2JTSとQ4の3.2JTSで、前者にはプログレッションとディスティンクティブを、後者にはディスティンクティブを用意する。ブレラ同様に本革シートなどのセットオプションを豊富に揃えているから、10色あるボディカラーと合わせて様々なアレンジも楽しめる。現在は左ハンドル+6速MTのみだが、将来的にはセレスピードやQトロニックと呼ぶ6速ATの導入も期待できる。価格はブレラに対してプラス23万円。これは昨今のユーロ高を考慮すれば頑張っていると評価したい。

試乗したのは3.2JTS Q4ディスティンクティブ。早速、トップを収納して走り出す。ボディは適度に「緩さ」を残している。先代に比べれば格段に剛性は高まってはいるが、ドイツ車のようなカチッとした感じには至っていない。荒れた路面ではフロアの震えを感じるが決して不快なものではなく、逆にブレラにあった突っ張り感が薄まり乗り心地が良くなっている。そう、スパイダーというキャラクターに見合った走りになっているのだ。風の巻き込みはサイドウインドウを上げれば最小限に収まる。「もっと快適に」と望む人にはロールバーの間にセットするオプションのウインドストップをお薦めする。

3.2LのV6エンジンは1500rpmから実用域とするトルクフルさを見せ、街中でのずぼらなシフト操作にも十分対応してくれる。それでいて一度アクセルを踏み込めば、歴代モデルでは味わえなかった豪快さを即座に体感できる。基本的に後輪に多めにトルク配分するQ4システムは、後方から押し出されるFR的な感じを伴うためダイナミックなコーナリングも楽しめる。ブレラとの大きな違いはエキゾーストノートが楽しめることだ。オープン時は言うに及ばず、クローズド時も同様。これもソフトトップならではのメリットだろう。

取材の帰路、オープンでナイトドライブを楽しむ。見上げれば満天の冬の星、ヒーターを効かせて走るといつものコースが違った道に感じられる。これこそスパイダーならではの至福のひと時。そう、国際試乗会の体験を踏まえて言えば、スパイダーは2.2JTSでも十分楽しめる。FFで車重が軽いため2.2JTSの方が身のこなしは軽快。豪快な3.2と軽快な2.2、どっちに乗ってもアルファ・スパイダーの醍醐味は堪能できる。(文:河原良雄/Motor Magazine 2007年1月号より)



アルファロメオ アルファ スパイダー3.2JTS Q4ディスティンクティブ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4400×1830×1395mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1830kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3195cc
●最高出力:260ps/6300rpm
●最大トルク:322Nm/4500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●車両価格:607万円(2006年)

[ アルバム : アルファ スパイダー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

4件
  • これカッコ良いわ。

    乗ってる人裏山。
  • 8年乗りましたが、良い車でした。細かいトラブルはありましたが、機関系は良好、重厚な乗り味で何よりも格好良かった。後継車出してくれないかなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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