まずはフォーミュラEをおさらい
2024年12月7日、ブラジル・サンパウロで開幕した、2024/2025年シーズンの『ABB FIAフォーミュラE世界選手権』。昨年日本に初上陸したフォーミュラEが、今年も東京の有明地区に特設された市街地コースに帰ってきた。しかも今年は第8戦と第9戦が、5月17~18日の土曜日、日曜日の両日にわたって行われるダブルヘッダーだ。
【画像】東京の市街地をフォーミュラマシンが疾走!参戦した『NEONマクラーレン・エレクトリック・レーシング』 全65枚
マシンとドライバーの速さに加えて、バッテリーの残量に象徴される効率を追求していくことなど、さまざまな要素が複雑に絡み合うフォーミュラEは、いかにも最新世代のモータースポーツといった印象。F1GPとはまた違う魅力を味わうために、今年も多くのファンが有明の地を訪れた。
フォーミュラEに使用されるのはBEVのフォーミュラーカーで、そのマシンの進化は著しい。初開催の2014/2015年(シリーズ1)では、マシンはスパーク・ルノーのワンメイク。翌シーズン2からはパワートレーンの独自開発も認められるようになるが、バッテリー搭載量の関係から、ドライバーはレース中にマシンを乗り換える必要があった。
2018/2019年のシーズン5からは『Gen2』と呼ばれる新型シャシーが登場。搭載可能なバッテリー容量も約2倍に増加し、レース中の車両交換が不要になったほか、最大出力も250kWにまで高められた。
2022/2023年シーズンから採用された『Gen3』
現在使用されているマシンは、2022/2023年シーズン(シリーズ9)から採用された『Gen3』。最低重量の低減を目的としたボディの小型化やエアロダイナミクスの最適化を行い、モーターを前後アクスルに配置した。当初フロントモーターは回生専用だったが、2024/2025のシーズン11ではスタート時やフロントからもトラクションを得ることが可能になった。
最高出力はトータルで600kW。最高速は理論値で322km/hに達するという。そしてフォーミュラEでは、すでに2026/2027シーズン用のニューマシン、『Gen4』の概要も発表済み。そのエンジニアリングの進化は、ファンの目にはとても刺激的に映るだろう。
マクラーレンの主要メンバーにインタビュー
我々は今回、公式プログラム初日となる5月16日、フリープラクティスの前に、『NEONマクラーレン・エレクトリック・レーシング』の主要メンバーにインタビューする機会を得た。
2022年からこのチームを率いているイアン・ジェームズ氏、フォーミュラEのシーズン1からこれまで参戦を続け、通算で12勝を記録しているドライバーのサム・バード選手、そして今シリーズが初のフル参戦となるものの、早くもその才能を印象づけているテイラー・バーナード選手の3名がそのメンバーだ。
まずはジェームズ氏が、今年はダブルヘッダー開催となる東京E-Prixへの意気込みと抱負を語った。
「東京は、昨年が初めてのE-Prixだったわけですが、そこでの経験は今回のレースについての慣れ、経験を得るうえでとても大切なものだったと思います。日本のモータースポーツには、これまでにも多くの歴史がありますが、東京での市街地レースは魅力的な存在といえるのではないでしょうか。
もちろん我々もその期待に応えるため、パワートレーンのサプライヤーである日産や、やはり同じく日本企業のTDKなどとともに、週末のレースを楽しみたいと思います。今はシーズンもちょうど中盤に差し掛かったところであり、チームとしてはまだ持ち得るポテンシャルを生かしきれてないというのが正直な状況です。
しかしチームとしては優勝、タイトルを狙うのは当然の目標ですし、そのためにひとつでも多くのポールポジションや表彰台の積み重ねを、常に意識して戦いたいと思います」
東京はとても個性的なコース
続いて、フォーミュラEにはシリーズ1から参戦する経験豊かな、サム・バード選手にサーキットの印象を伺った。
「一言で表現するのならば、とても個性的なコースと言えるでしょうね。2ターンと3ターンの間では、車体がジャンプするようなシーンを見ることができるかもしれませんし、ハイスピードのターン9などはパッシングポイントとしての見どころのひとつでしょう。路面のコンディションも刻々と変化し、さらにコース幅がとても狭いセクションもあります。
アタックモードを使用するために、そのために必要な通過区間を走行すると、タイムロスもかなり大きなものになりますから、戦略的には攻略がかなり難しいコースではないかと個人的には思います」
一方、今年からフルシーズンのシートを得た、若干20歳という若さでありながら既に3回もE-Prixの表彰台に立った経験を持つバーナード選手は、もちろん東京のコースを走るのは初めての経験になる。
「フォーミュラEに初めてフルシーズン参加するということで、何もかもが新鮮な経験なのですが、この東京のコースはマクラーレンの本社にあるシミュレーターで何百周もラップしてきました。コーナーでは常にホイールトゥホイールの接戦になることが予想されますから、それらをどのようにパスしていくか。
あるいはアタックモードや今シーズンから導入されたピットブーストを、いかに効果的に使い、フォーミュラEにとっては速さと同時にもうひとつ大切な効率という問題にチャレンジしていかなければなりません。シミュレーターで最も注意したのはバンピーな路面にいかに慣れるか、ということでした」
F1GPを頂点とするマクラーレンのモータースポーツ
2日間にわたって行われたE-Prixの東京シリーズ。結果は第8戦でテイラー・バーナード選手が3位、サム・バード選手が14位。翌日の第9戦ではそれぞれリタイヤ、8位という結果に終わった。
ちなみにNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームは、来季以降の参戦に関してその最終的なプランをまだ明らかにしていないが、F1GPを頂点に、ワンメークレースのマクラーレン・トロフィーまで、幅広く展開されるマクラーレンのモータースポーツ活動にとって、フォーミュラEもまた重要な役割を果たしてきたことは確かなようだ。
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