4つ目の「C」が示す消費の転機
2024年前半、「付き合ってはいけない3C男」というネタがネットで話題になった。3Cとは、
【画像】IQ高い人が選ぶ「自動車メーカー」が判明! 衝撃のランキングを見る!
・カメラマン(Cameraman)
・クリエイター(Creator)
・カレー(Curry)をスパイスから作る男
のことを指す。どれも、自分の趣味や表現にのめり込みすぎるタイプだ。そのせいで、恋人との関係では非効率で独りよがりなふるまいが目立つ。そうした傾向が、冗談まじりに揶揄された。だが今、その3Cに新しいCが加わる危険性がある。それが
「車(Car)を持っている男」
である。一見すると、車を持つことは自立や経済力の証のように見える。しかし、都市の構造や生活スタイル、買い物のしかたが大きく変わるなかで、車を持つことが必ずしも理にかなった選択ではなくなってきた。
この背景には、都市と地方のちがい、自由に使えるお金の配分、そして人との関係でコストをどう考えるかといった変化が関わっている。それらが複雑に入り組んで、車を持つという選択を問い直す空気が生まれている。
車所有の非効率性
2025年2月、KINTOが行った調査によると、東京都内に住むZ世代(18~25歳)の72.8%が「若者のクルマ離れ」を実感していた。これは前年から21.5ポイントの増加となる。また、同調査では92.0%(前年比11.3ポイント増)が車の「サブスク」を検討しており、サブスクリプション型の利用が都内では主流になりつつある。
この数字は、都内での車所有の費用対効果が年々悪化していることを示している。
・駐車場代
・任意保険
・車検
・燃料費
・維持にかかる時間
これらはすべて固定費になりやすく、個人の月間支出の中で回収が難しい割合を占める。公共交通やカーシェア、サブスクといった代替手段と比べたとき、支出のバランスを保つのが難しくなる。
都市に暮らす人間にとって、車を所有すること自体が、もはやコスト的に持続可能とはいえない。そんな状況下であえて「持つ」ことを選ぶ人は、非効率であるだけでなく、旧世代的価値観へのこだわりや、他者との協調における柔軟性のなさを表してしまうことになる。
車に「愛」を語る者の盲点
「車は男のロマン」とよくいわれる。だが、そのロマンは、すでに市場で正当に評価されていない。車がステータスの象徴だったのは、高度経済成長期から1990年代までだ。今では、移動の合理化が最優先される市場において、車という嗜好品は投資対象としての魅力を失っている。
サブスクリプションやカーシェアは、ユーザーにとって目的地に着くまでのプロセスを効率化する。一方、所有という形態は、
・メンテナンス費用
・資産価値の目減り
・事故リスク
といった要素を抱え、常にリスク資産として扱われる。そこに愛着を語ることは、個人の内面においては意味があるかもしれない。だが、パートナーとの生活設計においては、冷静な予算配分を妨げる要因になりかねない。
現代的な人間関係は、共通のビジョンと支出戦略の共有から始まる。経済的な基盤を共有できないパートナーとは、長期的な協働が難しくなる。車という感情的資産は、そうした価値観の断絶を引き起こす象徴になりうる。
地方なら車が必要」は免罪符にならない
この議論に対して、必ず返ってくる反論がある。
「地方では車がないと生活できない」
という意見だ。しかし、KINTOの同調査によると、政令指定都市のない地方県に住むZ世代でさえ、69.4%が車のサブスクを検討している。つまり、地方であっても所有が唯一の選択肢ではなくなっている。
ここで本質的に問うべきは、そもそもなぜその立地を選んだのかという点だ。生活の拠点を地方に置き、なおかつ車を所有し続けるライフスタイルには、たしかに住宅費の安さや環境面での利点もある。しかし、雇用の流動性や都市機能へのアクセスという面では、極めて非効率だ。
現代の経済圏は、集中型ではなく、分散型であり機動性が重視される。そのような環境変化に適応できない居住選択は、将来の経済的な選択肢を狭めることになる。
つまり車が必要だから地方にいるのではなく、車が必要な場所に自らを固定してしまっていることが、現代における経済的自由を阻む原因になっている。
「4C男」化が意味するもの
カメラマン、クリエイター、カレーをスパイスから作る男――これらが3C男と呼ばれたのは、いずれも
「個人主義の象徴」
だからだろう。他者の時間コストを軽視する傾向を持つ点でも共通している。そして今、車を持つことも同じ意味を帯び始めている。趣味や移動のスタイルを最優先するあまり、生活の構造的な見直しや、他者との最適な協働を拒む姿勢につながっている。
車の所有自体が悪いわけではない。しかしそれが、
・現代の社会構造
・都市設計
・可処分所得の流動性
・家庭内の経済戦略
と整合しないまま維持されるなら、パートナーの選択肢から外されるのは当然の結果だ。
いうまでもなく、「車を持っているからモテる」時代はすでに終わった。いまや車を持っていないからこそ賢いといえる時代に入っているかもしれない。見直すべきは移動手段そのものではなく、生活全体の設計である。その変化に適応できる人間こそ、未来において人間関係でも経済的にも信頼される存在になるのではないか。
「4C男」にならないために必要なのは、移動の戦略的最適化である。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「免停の女」が駐車場で事故して逃走… 「場内は運転したらダメなの?」衝撃発言も! 「免許与えるな」「2度と運転しないで」の声も! ネット騒然の“事件”一体何があった?
「そっちの路線は要らない」国に買ってもらえず12年で廃止された「電気鉄道」とは? 今も残る痕跡
1.6リッターエンジン搭載で「300馬力」の“最新SUV”に大反響! メーカー初“画期的4WD”に「速い」「走りが気持ちいい」の声も! 全長4.4m“ちょうどいいサイズ”のプジョー「3008 GT HYBRID4」に注目!
日産の「1リッターで“33km”走る」スポーツカー! 美しすぎる「“2ドア”クーペ」にパワフルな「ターボエンジン」搭載! 日産流の「超・低燃費マシン」全長3.7mの“サイパクトコンセプト”が斬新カッコイイ!
渋滞しているのに「謎の車間距離を開けるクルマ」が前に…。なぜ適切な距離を保てないのでしょうか?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント