この記事をまとめると
■クルマには型式というのが存在し正式にはこれが車名として扱われる
■メーカーによっては意味のある文字列にしている場合がある
■スズキはわかりやすく文字と数字でモデルと車種がわかるようになっている
知ると楽しい型式のヒミツ
クルマを語る際に、「俺が持ってるGT-Rがさ~」とか、「この間セブン(RX-7)を直したんだよ」といった感じで、クルマの名前で会話をしたりする人は多いだろう。一方で、ちょっとマニアになると、「EK9(初代シビックタイプR)って今高いよね~」とか、「やっぱオフロードを走るなら70(ランドクルーザー70)だよな!」といった具合に、クルマを型式で呼ぶマニアも珍しくない。
誰もが知るような有名な車種だと、第2世代GT-Rなんかはその典型例ではないだろうか。実際、「スカイラインGT-Rが~」とか語る人は少ないくらいで、型式である「R32」とか「R33」「R34」、もしくは「サンニー」とか「サンヨン」と呼ぶ人が大半なはず。AE86に関しても「86(ハチロク)」呼びが大半だろう。ややこしいので、86やGR86はZN6/ZN8と呼ぶ人も多いとか。
これらの型式で呼び合っている光景を見ると、一見マニアックな会話に聞こえるが、じつはこれらの型式こそが、そのクルマ本来の正式な名前でもある。事実、車検証や保険証券などの公的な書類を見ると、どこにも「GT-R」とか「シビック」、「カローラ」とは書かれておらず、「R35」とか「EK9」といった型式が書かれている。
しかし、これらの型式はじつはメーカーによって意味があるものと、とくに深い意味がないモデルにわかれている。意味のある例を挙げると、第2世代GT-R(R32)の場合、正式な型式は「BNR32」となる。これらを紐解くと、「B」は搭載されるエンジンである「RB26DETT」を意味する。「N」は「アテーサE-TS」を搭載、つまり4WDであることを意味する。「R」と「32」はスカイラインであることとその世代を表す数字と言われている。
トヨタのマークII3兄弟と呼ばれていた「マークII・チェイサー・クレスタ」などは、JZX81やJZX90、JZX100、JZX110といった型式であったが、これらは、「JZ」がエンジン型式、つまり1JZなどが搭載されていることを意味していた。XはマークII3兄弟を指す記号だ。スープラだとここはAになるし、ソアラならZになったという。よって、JZA80やJZZ30といった型式となる。
ちなみにこの型式、全然関係ない車種と被ることもある。有名なものだと、ハコスカこと日産スカイラインの「KGC10」と、トヨタ・パッソの「KGC10」が同じだったりする。日本にいる1億3000万人との会話のなかで、ハコスカとパッソを混同して、一生噛み合わない会話をするクルマ好きはいないと思うが、こういった変なケースも存在する。
スズキは超わかりやすい!?
さて、そんなクルマの正式名称こと型式であるが、スズキに関しては独自のルールがあり、しかも覚えやすいので、スズキ沼に片足を突っ込みかけているスズキ初級者たちへ向けて、ここでひとつ紹介したい。
スズキといえば軽自動車とコンパクトカーを得意とするメーカーで、国内市場に目を向けてみると、販売台数のおおよそ80%が軽自動車、残り20%がコンパクトカーといった感じだ。車種ラインアップは約30種類となる。
そんなスズキにおいて、看板車種のひとつであるジムニーを例に挙げてみると、3代目モデルはJB23W、現行モデルでJB64Wという型式を名乗っており、それ以前はJA22、JA12、JA11、JA71といった感じの型式であった。ここにきてピンときた人はご名答。どのモデルも「J」から始まっているのだ。
これは偶然ではなく、スズキのルールに則って「J」からスタートしている。
どういうことかというと、スズキでは主力の軽自動車に限っていえば、型式の頭文字でそのクルマのキャラクターを示しているのだ。たとえば、アルト系だと型式の頭文字は「H」から始まる。これには、比較的全高が低いモデルがカテゴライズされている。
頭文字が「M」から始まるモデルは、ハスラーやスペーシアといった、背が比較的高いモデルに与えられている。そして先に例に出した「J」に関しては、ラダーフレームをもつクルマ、つまりジムニーだけが名乗れる頭文字なのだ。
「『H』と『M』の違いはどこだよ!」となるかもしれないが、これは全高1650mmが目安になっているという。
これらの頭文字の次に出てくる2文字目も意味があり、「A」がアルト、「B」がジムニー、「E」がラパンで「H」がワゴンRとなっている。アルトだけ偶然か「A」が2文字目だが、そのほかのモデルは車名と全然関係ないアルファベットなのがまた面白い。
さらに、数字にも意味があるという。では何を指すのかというと、それはエンジンだ。「1」はF6Aエンジン、「2」はK6Aエンジン、「3」はR06Aエンジンで「4」はR06Aエンジン+モーター(Sエネチャージ)、「5」はR06Aエンジン+モーター(マイルドハイブリッド)だ。「8」はR06Dエンジン、「9」はR06Dエンジン+モーター(マイルドハイブリッド)となる。
「6」と「7」はジムニーにだけ使われる特殊な数字で、これは法則が当てはまらない。
最後の数字はそのクルマが何代目かを示す数字だ。ただし、最初からの通し番号ではなく、エンジン型式などが変わるとリセットされるケースもある。
一番後ろの文字はクルマの車種を表すものとなっている。「S」がセダンで「W」がワゴン。「T」がトラックで「V」がバンとなる。
これらの法則を繋げると非常にわかりやすく、3代目ジムニーの型式である「JB23W」は、「J」がラダーフレームを持つ車種、「B」がジムニーを指し、「2」がK6Aエンジン、「3」が3代目ジムニー、「W」がワゴンという形になる。
一部法則から外れるモデルもあるそうだが、このルールを丸暗記していれば、まわりが引くくらいのスズキマニアになれるはずだ。ただしこの法則は軽自動車のみで、小型、普通乗用車には当てはまらないそう。
車検証を見ると暗号のように見える文字が大量に並んでいるが、自身の愛車の型式をチェックして深掘りしてみると、面白い事実が浮かび上がってくるかもしれないので、ぜひチェックされたし。
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