日産自動車は3月12日、米ウーバーテクノロジーズ、AI(人工知能)スタートアップの英ウェイブ・テクノロジーズと協業し、2026年後半から都内で自動運転タクシー(ロボタクシー)の試験運行を始めると発表した。日産の電気自動車(EV)「リーフ」にウェイブの自動運転ソフトを組み込み、ウーバーのスマートフォンアプリからの配車を可能にする。小規模実証から始め、台数増や他地域への展開も見据える。
同日、3社は都内で会見を開き、覚書を取り交わした。日産の車両量産能力、ウェイブのAI技術、ウーバーの顧客サービスの知見を組み合わせてサービスを展開する。具体的な運行計画や期間、台数などは今後詰める。
車両は新型リーフをベースに、LiDAR(ライダー、レーザースキャナー)を1つ、カメラ14個、レーダー9個を搭載する。ウーバーが提携するタクシー事業者などに車両を提供する考えで、将来的には世界展開や無人運転化も構想する。まずはドライバーが乗った状態で実証を始め、あらゆる交通状況のデータを集めて安全性や快適性を高めていく。
日本政府は、27年度までに自動運転移動サービスを100カ所以上で実現する目標を掲げている。今年1月に閣議決定した「第3次交通政策基本計画」では、自動運転サービスの車両を30年度に全国で1万台規模へと増やす計画とするなど、国内でも今後ロボタクシー市場が立ち上がる見込みだ。
日産とウーバーはともにウェイブに出資している。「ウェイブAIドライバー」は市街地で操舵を含めた運転支援を可能にする。昨年は都内で国土交通大臣らを乗せてデモ走行を実施したほか、ウェイブは欧州や北米など500都市を事前学習なしで走行するデモも実施。日産は27年度から、ウェイブの技術を乗用車の運転支援機能としても実用化する予定だ。
ウェイブとウーバーは24年から協業しており、昨年には英ロンドンで自動運転レベル4(特定条件下における完全自動運転)のロボタクシーの試験走行を実施した。また、ウーバーは24年4月から「日本版ライドシェア」のサービス提供を始め、現在、全国約1000社のタクシー事業者と提携している。
日産のイヴァン・エスピノーサ社長は「3社の強みを組み合わせ、迅速に市場にできると考えている。高齢化でタクシー運転手の確保が難しくなる中、社会を支援し、安全な世界に貢献する」と意気込んだ。来日したウーバーの自律型モビリティ・デリバリー部門責任者のサーフラズ・マレディア氏は「長期的に市場を開くために重要だと考える。モビリティに関する幅広い課題に取り組み、日本を支援できると考えている」と話した。
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