選ばれるDSブランド その最高峰
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
画像/スペックは欧州仕様のものを含みます。
3月17日。ステランティス日本法人は、DSオートモビルのフラッグシップ・サルーン「DS 9」を発表した。
2009年にシトロエンのプレミアム・ブランドとして誕生し、2015年からは独立したブランドとなった「DS」。もっとも、その名は1955年に発表され、名車と謳われたシトロエンのフラッグシップ「DS」をオマージュしているとも言われている。
DS 9は、2017年に発表されたDS 7クロスバック、2018年に発表されたDS 3クロスバックに続く、DSブランドのオリジナルモデル第3弾となる。先発の2モデルはSUVだったが、このDS 9はコンベンショナルなサルーンだ。
ちなみに、前述のシトロエンDSはフランス大統領専用車として、ド・ゴール大統領などに用いられた。現大統領のマクロンは、就任パレードでDS 7クロスバックを使用している。だが、DS 7クロスバックはSUV。近いうちに、DSブランドのフラッグシップ・サルーンたるDS 9が、新たな大統領専用車となる可能性もあるだろう。
そんな、フランスを代表する高級車、DS 9とはどんなクルマなのか。その概要を紹介していこう。
全長5m級 デザインの見所は?
DS 9のボディサイズは、全長4940×全幅1855×全高1460mm、ホイールベースは2895mm。
いわゆるEセグメントにあたる、3ボックスの4ドア・サルーンだ。サイズ的には、メルセデス・ベンツEクラスやBMW 5シリーズとほぼ同じだ。
DSウイングと呼ばれる表情豊かな造形のフロントフェース、立体的でダイヤモンドのような輝きを演出するパラメトリック3Dグリルなど、DSオートモビルのデザインコードを踏襲している。
一条のキャラクターラインがサイドビューの優美さを醸し出し、ルーフラインは流れるように滑らかで、フロントフードからウインドウ、ルーフへとエレガントな弧を描き、後ろに引かれるようにトランクへと溶け込む。
フロントフードには、これまでもDS車のインテリアに使われていた「クル・ド・パリ」文様のクロームの装飾「セイバー(サーベルのこと)」があしらわれ、リアエンドはDSバッジとトランクが同じような流麗な曲線で結ばれ、ガラスのピラミッドをモチーフにしたテールランプが埋め込まれる。
外装にあしらわれたクロームのデザイン要素は、かつて1930年代に栄華を誇ったフランスのコーチビルダーに捧げるオマージュだという。
世界に誇ったフランスの自動車文化の再興を目指すのもまた、DSオートモビルの使命の1つで、DS 9のデザイナー陣はこうしたクルマもまた意識しているのだ。
内装 「豪華」「優美」な世界
インテリアも、DSのフラッグシップにふさわしい優美なフレンチ・ラグジュアリーそのものの空間だ。
2895mmのロングホイールベースにより室内空間は広く、膝下レッグスペースは約277mmもあるリアシートは「DSラウンジ」と呼ばれるコンセプトで作り上げられた。
上級グレードの「オペラ」はアールルビイと呼ばれるムラ染めのある深紅のレザーをあらゆる部分に貼り込んでいる。
シートはDSオートモビルのシグネチャーともいえるウォッチストラップデザインを採用し、インテリアの要所要所にパールトップステッチをあしらった。
エントリーグレードの「リボリ」は、インテリアにダイヤモンドパターンのステッチを施したバサルトブラックのレザーを採用。
インパネ中央には8インチのタッチスクリーンが備わり、その上にはフランスのラグジュアリーウォッチブランド「B.R.M」のアナログ時計を、下にはタッチコントロールスイッチと、ひし形に彫りが入ったボリュームダイヤルが備わる。
スクリーンには主要なコントロールパネルが表示され、車両セッティングなどが1か所にまとめられている。このスクリーンとメーターパネルにも、ひし形の反復によるグラフィックが用いられ、オリジナルフォントのスタイルとあいまって、1920年代にフランスで生まれ、世界に波及したアール・デコ様式の系譜を彷彿とさせる。
日本仕様 ガソリン/PHEVの2択
DS 9のプラットフォームは、C/D/Eセグメント用として既に好評価を得ている「EMP2」をベースにバージョンアップしたものだ。ホイールベースはEMP2最長の2895mmに延長し、サイドシルを強化している。
パワートレインは1.6Lの直4ガソリンターボと、これにモーターを組み合わせたPHEVの2種類で、トランスミッションはいずれも8速AT。駆動方式は前輪駆動(FWD)のみだ。
プロペラシャフトが不要なため軽量で低重心、しかも室内も広いというメリットに着目した合理的なフランス車メーカーは、20世紀後半ころから小型車はもちろん大型車までFWD車が主流となった。いまや、日本をはじめ多くの国のメーカーもD/EセグメントにまでFWD車を多く輩出するようになっている。
話を戻そう。DS 9のエンジンは「ピュアテック」と呼ばれ、1.6Lの直4ガソリンターボは最高出力225psと最大トルク30.6kg-mを発生。ハイパワー&高トルクながら高い効率性を実現している。
PHEVは200ps/30.6kg-mを発生する1.6Lの直4ガソリンターボに、110ps/32.6kg-mを発生するモーターを組み合わせた。システム総合で、250ps/36.7kg-mというハイパフォーマンスを誇る。
0-100km/h加速は8.1秒、EVモードでの最高速度は135km/h。欧州WLTCモードで、EV走行可能な距離は61km、ハイブリッド燃費は14.0km/Lとされている。
駆動用のリチウムイオン電池はリアシート下に配置されて前後重量配分の最適化を図り、200Vの普通充電で3kWなら約5時間、6kWなら約2時間半で満充電できる。
装備/ADASについて
フラッグシップにふさわしく、DS 9の安全&快適装備は高いレベルで充実している。
注目すべき装備では、レーンキープ時に左右両側の白線の中央のみならず、ドライバーが任意に左右位置を決めることができる「DSコネクテッドパイロット」、路面をセンシングしてサスペンションを先読み制御する「DSアクティブスキャン・サスペンション」、6つの配光モードを自動で使い分ける「DSアクティブLEDビジョン」などが挙げられる。
それ以外では、エントリーグレードのリボリでも、前後カメラ、被害軽減ブレーキ、アダプティブ・クルーズコントロール、ブラインドスポットモニター、駐車支援機能、インテリジェント・ハイビーム、リトラクタブル・ドアハンドル、後席コントロール付き左右独立調整式オートエアコン、パワーシート、FOCAL ELECTRAプラミアム・サウンドシステムなどを標準装備。
上級グレードのオペラでは、これらに加え、ナイトビション、電動ガラスサンルーフ、ナッパレザーのシート&インテリアトリム、リア左右席シートヒーター/ベンチレーター/ランバーサポート、アルカンタラのルーフライニングなどが採用されている。
価格/スペック 4グレードを導入
日本仕様のDS 9は、4グレード。それぞれの税込み車両価格は、下記のとおりとなっている。
リボリ:630万円
リボリEテンス:718万円
オペラ:699万9000円
オペラEテンス:787万9000円
なお、リボリEテンスは受注生産となっている。
DS 9オペラEテンス(PHEV) 主要諸元
車両価格(税込):787万9000円
全長×全幅×全高:4940×1855×1460mm
ホイールベース:2895mm
車両重量:1930kg(ガソリン仕様は1640kg)
パワートレイン:1.6L直4ターボ+モーター
最高出力(エンジン):200ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):30.6kg-m/3000rpm
最高出力(モーター):110ps
最大トルク(モーター):32.6kg-m
システム最高出力(欧州値):250ps
システム最大トルク(欧州値):36.7kg-m
ギアボックス:8速AT
駆動方式:FF
ハイブリッド燃費:14.0km/L
タイヤサイズ:235/45R19
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みんなのコメント
共にFF巨大サルーン、プアパワートレーンで良い勝負
どちらか選べと言われれば華のあるDSかな