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ヴァンウォール、来季に向けてエンジン変更を決定。出力不足のギブソン製自然吸気エンジンから実績あるターボエンジンへ

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ヴァンウォール、来季に向けてエンジン変更を決定。出力不足のギブソン製自然吸気エンジンから実績あるターボエンジンへ

 FIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに参戦するヴァンウォール・レーシングは、2024年シーズンに向けてLMH車両『バンダーベル680』のエンジン変更を行なうことを明らかにした。

 2023年にデビューしたバンダーベル680は、ギブソン製の4.5リッター自然吸気V8エンジンを1年間使用してきたが、このエンジンを別のモノに変更することを決断した。

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 チーム代表のコリン・コレスは、新エンジンがターボ付であり、既知のものであることは確認したものの、その正体については明らかにしなかった。

「来シーズンのエンジンを変更することは言える」と、コレスはmotorsport.comに語った。

「ターボになるだろうし、十分なパワーと信頼性を備えた実績のあるエンジンだ。これは決して実験ではない」

 かつてバイコレスの名前でWECを戦っていたこのチームは、LMP1車両の『CLM P1/01』デビュー時はAER製の2.4リッターV6ツインターボエンジンを使用。2017年と2018/19年のスーパーシーズンは、同様の構成ながら日産製の3.0リッターV6ツインターボエンジンを使用していた。

 ただ、このスーパーシーズン中にエンジンをギブソン製に変更。シーズンの残り2戦、および2019–2020年シーズンにスポット参戦したスパとル・マンで使用した。

 このエンジンはバンダーベル680でも継続して使用されていたが、コレス曰く、ハイパーカークラスの性能調整(BoP)で定められている最高出力レベルを達成できていなかったのだという。

「バーレーンの日中の暑さの中で、我々は60kW(81.6PS)ダウンだった。夜になって涼しくなると50kW(68PS)だ」

 バンダーベル680は、シーズン終盤の3戦で最高出力が520kW(707PS)だったことを考えると、その影響はかなり大きかったはずだ。

 一方でギブソン・テクノロジーズはヴァンウォールにおけるエンジン出力についてコメントを避けた。

 バイコレスとして2022年のエントリーを却下された後、ヴァンウォールの旗の下でWEC復帰が叶ったコレスのチームだが、ハイパーカークラスに残れるかどうかは不透明だ。フェラーリがカスタマーチームと組んでエントリーを増やした場合、2024年シーズンのハイパーカークラスは定員オーバーとなる可能性が高いのだ。

 グリッドを維持する自信はあるかと問われ、コレスは「いずれわかることだが、我々はすべてのレギュレーションを順守している」と答えた。

 彼は「チームがとても良いシャシーを作った」と主張。次世代LMP2マシンを基に設計されているLMDh車両とは違うと強調した。

 ヴァンウォールにとっては、ドライバーラインアップも問題となっている。全7戦にわたってマシンを走らせたのは、エステバン・グエリエリのみ。彼のチームメイトはいずれも、シーズン途中で変わっている。

 ジャック・ビルヌーブはシーズン4戦目のル・マン24時間を前にチームを去り、トリスタン・ヴォーティエが後任に。バイコレス時代からチームと関係の深かったトム・ディルマンも、ル・マン後に離脱し、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラやライアン・ブリスコーがそのシートに座った。

 しかしコレスは、2024年のドライバーラインアップについて「それは大きな問題にはならないと思う」と話している。

 ヴァンウォールは、開幕戦セブリングでハイパーカークラス8位に入ったが、これがシーズン唯一のドライバーズポイント獲得となった。シーズンラストの2戦である富士とバーレーンでもマニュファクチャラーズポイントを稼いだが、結果としては来季の参戦を断念したグリッケンハウス以下となった。

 果たして、エンジン変更でパフォーマンスを上げたヴァンウォール・バンダーベル680の姿が来季のWECで見られるのだろうか。

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