人気のSUVテイストを加えた軽自動車がダイハツ タフトとスズキ ハスラーだが、この2台の購入を考えている人の選択肢には新型ジムニーも入ってくるのではないだろうか。
ジムニーは3ドアで室内のスペースに劣る代わりに悪路走破性に優れていて、スタイリッシュなデザインや独自なキャラクターが魅力的だ!
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そこで今回は、SUV軽自動車3台の魅力を徹底比較した!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 スズキ ダイハツ
【画像ギャラリー】ライバル対決3車の内外装を画像でチェック!
■タフトvsハスラーvsジムニー/軽自動車のSUVを徹底比較
今は軽自動車とSUVが注目のカテゴリーとされる。そこで人気を高めたのが軽自動車のSUVだ。2020年6月には、ダイハツ タフトが登場した。またタフトのライバル車として、以前からスズキ ハスラーの人気が高い。
スズキには1970年に初代モデルを発売したジムニーも用意されている。ジムニーは後輪駆動をベースにした4WDを搭載する本格的な悪路向けのSUVだ。後席のドアを装着しない3ドアボディだから、タフトやハスラーとは車両の性格が異なるが、注目度の高い軽自動車のSUVだから加えておく。
●ボディスタイル/視界/運転のしやすさ比較
タフトはスカイフィールトップというガラスルーフが全車に標準装備され、開放感が高い。ガラスエリアが広く、視界は優れている
タフトとハスラーの基本スタイルは、ムーヴやワゴンRと同様、全高が1600~1700mmに収まるハイトワゴンだ。居住空間や荷室の広さを重視して開発された。
ジムニーは大幅に異なり、ボディは小さくても、悪路向けSUVのスタイルだ。後輪駆動がベースだからボンネットは長い。空間効率は低いが、ボンネットが良く見えてボディの四隅も分かりやすく、視界も優れている。運転がしやすい。
最小回転半径は、タフトとジムニーが4.8m、ハスラーは4.6mに収まって小回りの利きが少し優れている。
*評価:1位:ハスラー、2位:ジムニー、3位:タフト
●内装の質感/操作性/前後席の居住性比較
ハスラーのフロントシート。シートのサイズを十分に確保して、座り心地は良好だ
タフトとハスラーの内装は似ている。ATレバーはインパネ中央の下側に装着され、足元空間を広げた。ハスラーはインパネに3つのフレームを並べ、この中に右側からメーター/モニター画面/収納設備を配置している。
ジムニーは5速MTも設定するから、ATレバーやシフトレバーは床面に装着したフロアシフトだ。悪路向けのSUVとあって、各部はブラックに統一されて光沢のある装飾は少ない。それでも質は高く、落ち着いた大人っぽい雰囲気だ。
居住性は、前席についてはハスラーが最も快適だ。十分なサイズがあって座り心地が良い。タフトとジムニーは同程度。シートの幅が少し狭く感じる。
後席もハスラーが快適だ。座り心地が満足できて、頭上と足元の空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席のスライド位置を後端まで寄せると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半に達する。
Lサイズセダンでも2つ半だから十分な余裕を持たせた。前後席に座る乗員同士の間隔も1035mmと長い。
ハスラーのリアシート。頭上と足元の空間が広く、左右独立のスライド機構を備えている
後席の2位はタフト。ハスラーに比べるとシートアレンジはシンプルで、スライド機能は装着されない。座り心地は硬めで柔軟性も乏しく、大腿部と座面が接する部分の前後寸法は短い。座り心地は良くない。
タフトの後席の膝先空間は、前述のハスラーと同じ測り方で、握りコブシ2つ少々だ。前後席に座る乗員同士の間隔は900mmだから、ハスラーに比べて14cm少ない。4名乗車は可能だが、快適性をハスラーと比べると見劣りする。
ジムニーは後席のドアを装着しない3ドアだから、後席の居住性や使い勝手はクーペに近い。
後席の足元空間は、前述の測り方で握りコブシ1つ分だ。後席に座る乗員の足が前席の下に収まるので、足元が狭い割に大人4名の乗車は可能だが、ハスラーやタフトに比べると居住性は大幅に劣る。3ドアだから乗降性も悪い。
*評価:1位:ハスラー、2位:タフト、3位ジムニー
■荷室&シートアレンジ比較
ハスラーの荷室は汚れを拭き取りやすい素材を採用し、床面の下にラゲッジアンダーボックスも備えている
タフトの後席は、前述の通り、足元空間がハスラーよりも狭く座り心地も硬い。その理由は、同乗者が座ることよりも、畳んで荷室として使う機能を重視したからだ。タフトのカタログやウェブサイトを見ても、後席に同乗者が座っている写真はなく、大半が背もたれを倒して荷物を積んでいる。
そこでタフトは、インパネや前席をブラック、後席はグレーに色分けした。車内のドアノブも、GやGターボの前席はメッキされるが、後席はブラックだ。開発者は「車内の前側は居住空間、後ろ側は後席を畳んで使う荷室と考えた。前後席の機能に明確な違いがあり、それを色彩でも表現している」という。
シートアレンジの機能はハスラーが豊富だ。特に後席にチャイルドシートを装着した時は、ハスラーの後席スライド機能が役に立つ。前側に寄せると運転席に座る親と子供の間隔が縮まり、停車時に世話をしやすい。この時には車内最後部の荷室が広がるから、ベビーカーや子供用の自転車も積みやすい。
このハスラーのシートアレンジや荷室の機能は、ワゴンRと同じだから実用性が高い。タフトはスライド機能も備わらず使い勝手が下がった。
ジムニーの荷室は、タフトやハスラーに比べると大幅に狭い。荷物を積む時には後席を畳む必要があり、居住性と同じく荷室もクーペに近い。
*評価:1位:ハスラー、2位:タフト、3位:ジムニー
■舗装路における走行性能&乗り心地比較
タフトのノーマルエンジン(自然吸気)車は実用回転域の駆動力が高く、走行安定性も優れている
ジムニーのエンジンはターボのみだ。ラダーフレームを使った耐久性の高いボディ、駆動力を高める副変速機を併用した4WDなどにより、車両重量が1トンを超える。そこでエンジンはターボ専用とした。
2000回転以下では駆動力が低下するが、パワー不足を感じる機会はほとんどない。タフトとハスラーも、ターボであれば十分な性能が確保される。
タフトとハスラーは、ノーマルエンジンが売れ筋だ。実用回転域の駆動力はタフトが高くて運転しやすい。ただしCVT(無段変速AT)の発するノイズが耳障りだから注意する。ターボはCVTの構造が異なるので、ノーマルエンジンよりも静かだ。
走行安定性もタフトが優れている。操舵に対する反応は鈍いが、危険を避ける操作をした時でも挙動を乱しにくい。ハスラーはカーブを曲がる時にボディが大きめに傾く。ジムニーは悪路向けのSUVだから、操舵感や足まわりの考え方が根本的に異なり、舗装路では車両の動きが鈍めに感じる。
乗り心地はハスラーが快適だ。カーブでボディの傾き方が大きい半面、足まわりの動きが柔軟に感じる。タフトは硬めだ。ジムニーは先代型に比べると改善されたが、前後方向の揺れが少し目立つ。路面からの振動も伝わりやすい。
*評価:1位:タフト、2位:ハスラー、3位:ジムニー
●悪路の走破力比較
他の2車とは異なる本格的なクロスカントリー4WDだから、悪路の走破性能はジムニーの圧勝
ジムニーの悪路走破力は、小型車版のジムニーシエラを含めて、日本で購入可能なSUVでは最も優れている。舗装路で感じた少し鈍い操舵感など、未舗装路や悪路に乗り入れると、すべてメリットに変わる。
ジムニーは最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)も205mmと高く、ボディの下側の形状も工夫したから、デコボコの激しい場所でも下まわりを擦りにくい。
2位はハスラー。4WDには滑りやすい急な斜面を安定して走破できるヒルディセントコントロールなどを採用した。
*評価:1位:ジムニー、2位:ハスラー、3位:タフト
●燃費性能比較
燃費性能ではマイルドハイブリッドを採用するハスラーが、タフトを一歩リードする
WLTCモード燃費をタフトの2WDで見ると、ノーマルエンジンは20.5km/L、ターボは20.2km/Lだ。ターボはエンジンの負荷が小さく、高効率なCVTも併用したから、燃費数値はノーマルエンジン並みだ。
ハスラーはマイルドハイブリッドシステムを搭載するから、ノーマルエンジンは25km/L、ターボでも22.6km/Lと優れている。
ジムニーはターボエンジン車のみで駆動方式も4WDに限られ、4速ATのWLTCモード燃費は13.2km/Lに留まった。燃費数値は2Lエンジンを搭載するSUVと同程度だ。
*評価:1位:ハスラー、2位:タフト、3位:ジムニー
■安全装備&運転支援機能比較
タフトは全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールなどを備えた、多機能な安全&運転支援機能を備えている
総合的にはタフトが最も充実している。歩行者にも対応した衝突被害軽減ブレーキに加えて、誤発進抑制機能は、前後両方向ともにエンジン出力だけでなくブレーキの制御も行う。
売れ筋のタフトGとGターボには、アダプティブドライビングビームも採用した。ハイビーム走行時に対向車などを検知すると、ヘッドランプに装着された複数のLEDのいくつかを消灯して、相手方の眩惑を抑える。
車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、車線の中央を走るように支援する機能も、GとGターボに設定した。対するハスラーの運転支援機能は、ターボ車のみの設定だ。ジムニーは運転支援機能を採用していない。
*評価:1位:タフト、2位:ハスラー、3位:ジムニー
■グレード構成と価格の割安度比較
タフトはシートアレンジがシンプルだが、そこが気にならなければ装備が比較的充実していて買い得感は高い
タフトのグレードはベーシックなX、中級のG、上級のGターボだ。その特徴は、価格が最も安い135万3000円のXにも、ガラスサンルーフのスカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキを標準装着したこと。スカイフィールトップに魅力を感じるユーザーにとっては買い得だ。
装備が充実する半面、前述の通りシートアレンジはシンプルだ。買い得グレードはG(148万5000円/2WD)になる。アダプティブドライビングビームも標準装着され、機能を充実させながら価格は割安に抑えた。
ハスラーはタフトに比べて装備の充実度は下がるが、マイルドハイブリッドで燃費が優れ、シートアレンジも多彩だ。買い得グレードはハイブリッドX(151万8000円/2WD)になる。
ジムニーは、タフトやハスラーと違って、プラットフォームや4WDを独自に開発している。そのために価格も高い。推奨グレードは充実装備のXC(187万5500円/4速AT)になる。
*評価:1位:ハスラー、2位:タフト、3位:ジムニー
■人気軽SUV3台の総合評価は?
総合評価1位のハスラー。全体的なバランスの良さで評価を高めた。タフトは機能の一部を割りきって個性的に仕上げた。ジムニーは悪路の走破性を求めるユーザー向けで、他の2車とは性格が異なる
ハスラーは、居住性、荷室の使い勝手、4WDまで、さまざまな機能を幅広く充実させた。
その点でタフトは、エンジンや荷室の機能をシンプルに抑えた代わりに、スカイフィールトップなどの装備を豊富に標準装着する。
ダイハツにはムーヴやタフトに加えて、ムーヴキャンバス、キャストスタイル、ウェイクという具合に背の高い軽自動車が多い。後席にスライド機能を装着した車種も豊富に選べるから、タフトは後席の機能を割り切って個性的な装備に重点を置いた。
そしてジムニーは悪路走破力を徹底的に高めたから、タフトやハスラーのようなファミリー向けの実用性を高めた車種とは異なる。悪路を走る機会の多いユーザーに適する。
*評価:1位:ハスラー、2位:タフト、3位:ジムニー
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