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時空を超えた旅だって可能!? 44年前の「デロリアン」を米国オークションで発見 ドク博士の直筆サインも入った個体の“意外な”落札価格とは

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時空を超えた旅だって可能!? 44年前の「デロリアン」を米国オークションで発見 ドク博士の直筆サインも入った個体の“意外な”落札価格とは

デロリアン「DMC-12」とは?

 米国のオークションでデロリアン「DMC-12」が発見されました。いったいどのような個体なのでしょうか。

【画像】映画バック・トゥ・ザ・フューチャーはこのクルマが主役! 1981年製「デロリアン」を写真で見る(41枚)

 デロリアン「DMC-12」は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するタイムマシンとして一躍有名になったクルマです。ステンレススチール製のボディとガルウイングドアという大胆なスタイルが印象的で、世界中にその名を知られることとなりました。

 この車両は、1975年にGM副社長の職を退いたジョン・デロリアン氏が設立したデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)によって開発されました。

 1981年に発売されたDMC-12は、量産車としては唯一のモデルであり、その個性と希少性から、今でも強い注目を集めています。

 デザインはジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当。ロータスが開発したスチール製バックボーンフレームとFRP製アンダーボディの上に、無塗装のステンレススチール外板が載せられた独自の構造を採用しています。

 エンジンはプジョー/ルノー/ボルボによる共同開発で、2.85リッターのV型6気筒を搭載。最高出力は130馬力、最大トルクは約217Nmで、5速マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動します。

 派手なスタイルとは裏腹に動力性能は控えめで、価格も当時としては高額な2万5000ドルに設定されていたことから販売面では伸び悩みました。この価格は現代の日本円に換算すると約1000万円程度に相当します。

 さらに、ジョン・デロリアン氏が薬物密売容疑で逮捕(のちに無罪)されたことが決定打となり、DMCは1982年に倒産。DMC-12は短命ながらも、その存在を強く印象づける伝説的なモデルとなりました。

約9600kmの極上コンディション、映画の記憶を継ぐ一台

 今回のオークションに出品された個体は、1981年式の初期モデルで、走行距離は6000マイル(約9600km)という非常に低い数値が表示されていました。

 新車時にはフロリダ州ポンパノビーチにある「Vista Volkswagen-BMW」に納入され、その後は長期間にわたって保管されていたとみられます。

 2018年から2019年にかけては、カリフォルニア州のハンティントンビーチにあるDMCにて約2万ドル相当の整備を受けており、再び走行可能な状態へと復帰しました。

 整備内容は広範囲に及び、ECUやエアフロー制御ユニット、点火系部品、ウォームアップレギュレーター、ラジエーター、燃料アキュムレータ、冷却ホース、クラッチスレーブシリンダーなどが交換されています。

 これに加え、足まわりについてもステアリングラックやショックアブソーバー、ブレーキキャリパー、パッド、ローターなどが刷新されました。

 ホイールは14インチと15インチのタービンスタイルのアルミホイールで、タイヤにはクーパーコブラのラジアルG/Tが装着されています。四輪すべてにディスクブレーキが採用され、制動性能もしっかり確保されています。

 エクステリアは、デロリアンの象徴とも言えるステンレススチールそのままの質感が生かされており、フロントとリアのファシアは2018年に再仕上げが施されています。

 ガルウイングドア、クワッドヘッドライト、ルーバー付きエンジンカバー、デュアルエキゾーストなど、DMC-12の特徴をしっかりと保持している点も評価できます。

 インテリアはグレーのレザーで統一され、バケットシートとドアトリムにかけて統一感あるデザインが印象的です。

 エアコン、パワーウィンドウ、セントラルロック、カセットステレオ、チルト&テレスコピックステアリングなど、当時としては充実した装備が揃っています。

 さらに、グローブボックスのフタには映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で「ドク」を演じたクリストファー・ロイド氏の直筆サインが施されており、映画ファンにとっては非常に価値ある一台といえるでしょう。

 オドメーターには約9600kmが表示され、現在の所有者が加えた走行距離は1600km未満と記録されています。

 付属書類にはウィンドウステッカー、オーナーズマニュアル、時代の販売資料、事故歴なしを証明するクリーンなCarfaxレポートなどが揃っており、コレクターズアイテムとしても申し分のない内容です。

※ ※ ※

 このように、極めて少ない走行距離と丁寧な整備履歴、さらに映画との関連性までも備えた1981年式デロリアン「DMC-12」は、2025年3月31日に5万8688ドル(日本円で約885万円)で落札されました。

 DMC-12は、自動車としてだけでなく、映画と文化の象徴として、これからも語り継がれていく存在となるに違いありません。

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みんなのコメント

11件
  • dar********
    デビューした当時の色々な自動車雑誌に取り上げられていたが、一般の自動車ファンの間では特に話題にもならずあまり盛り上がらなかった。その後、会社が倒産したと言うニュースは自動車雑誌の片隅に小さく載っていて、ひっそりと消えて行った感じだった。それから少しして映画の中のタイムマシン役として出ていたが、当時の観客でそれがどういう車かわかる人はほとんどいなかったと思う。
  • ***********
    30年以上前になるが、当時日本にはデロリアンが4台しかなかったそうだ。
    そのうちの1台が、ド田舎の我が町で自分の前を走っていた。
    あの時は実車を見ることができて感動した。(でもリアだけ)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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