9月末、F1は新型コロナウイルスの影響によって複数のグランプリが開催中止となったことに対処する形で、11月にカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでグランプリを初開催することを発表した。
さらに交渉の結果、F1は2023年から2032年までの10年間、カタールでグランプリを開催する長期契約も締結。中東でのF1のレースはこれで4つ目ということになった。
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しかし、ロサイル・インターナショナル・サーキットでのF1開催には、同地でレースを行なっているMotoGPのライダーたちからは、否定的な声も上がっている。
「F1が僕らと同じサーキットを走る姿を見るのは興味深いよ」
「F1は結構好きでフォローしている。彼らが僕たちも走っているサーキットを走る姿を見たら、ラップタイムの違いや、コーナースピードの違いが実感できて、とても印象的だろう。MotoGPも走っているコースでF1が走ると、違った印象があるんだ」
フランコ・モルビデリ(ヤマハ)はそう好意的な見方を語る。しかしその一方で、「(カタールにF1が来ると聞いて)最初に考えたことは、路面はバンピーになっていくだろうなということだった」とも認めており、これには他のライダーも同意している。
「悪いニュースだ」
そう語るのは、アプリリアのアレイシ・エスパルガロだ。
「カタールは大好きなサーキットなんだ。でも、F1がグリップや何もかもを破壊してしまうだろう。観戦する人たちにとっては嬉しいだろうね。MotoGPとF1を両方見ることができるなんで、素晴らしいことだ」
「このトラックは今は路面がとてもフラットで凄く良い。彼らがこの路面を壊しすぎないことを願っているよ」
MotoGPライダーは、F1とMotoGPを両方開催するサーキットについては、これまでも路面コンディションが悪化すると不満をこぼしてきた。F1マシンの発する強烈なダウンフォースによって、路面には大きな負荷がかかり、凹凸ができてしまうのだ。レッドブルリンクや、カタルニア・サーキットなどでは、毎年のようにライダーから不満が発せられている。
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ペトロナス・ヤマハSRT)はF1カタールGP開催の報せを受け、「残念だ。F1はこのトラックにバンプを作って、僕らにとってコースを台無しにしてしまうだろう」と語っている。
「彼らはコーナーを高速で走っていくけど、僕たちライダーにとってみれば、20台のマシンが同じラインを駆け抜けていくのは良くないことなんだ。だけど、多くのレースをしようと思えば、カタールで開催するのも仕方のないことだろう」
ただ、MotoGPライダー達にも希望は残されている。2023年以降の開催サーキットはまだ未定だからだ。将来的にカタール国内に、ロサイル・インターナショナル・サーキット以外の”F1専用”サーキットを建設すれば、ライダー達は路面コンディションの悪化に気を揉む必要はなくなるだろう。
F1のカタールGPは2021年11月19日~21日に開催され、次回のMotoGPカタールGPは、2022年3月4日~6日にかけて行なわれる予定だ。
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来年からF1の車体はグラウンドエフェクト型になるけど、その影響はどうなるんだろう。詳しく知りたい。