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緊急事態にも”おもてなし” 新型LSはもっとも安全なレクサスだ

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緊急事態にも”おもてなし” 新型LSはもっとも安全なレクサスだ

10月頃に発売開始となるレクサスLS。そのLSの試乗会がおこなわれた。走りに関しては今後の公道試乗などのタイミングであらためてお伝えするとして、今回はレクサスLSの安全性にスポットを当ててみたい。なんせレクサスLSは日本のみならず世界をまたにかけるサルーンであり、新型では従来型のブラッシュアップのみならず"新しさ"が必要となる。そこで今回の試乗会で公にされた、レクサスLSの予防安全技術を西村直人氏が紹介しよう。

文:西村直人/写真:平野学、レクサス

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ベストカー2017年9月10日号より再録

■緊急事態にもきめ細やかな"おもてなし"

新型レクサスLS試乗会のメインは新たに搭載される先進技術を試すこと。数あるシステムのなかでも特に気になるポイントを、予防安全システムにも造詣が深い西村直人氏がレポート。

【ドライバー異常時停車支援システム(LTA連動型)】

運転中、急病で運転の継続ができなくなった場合にゆっくりと減速し、最終的に走行している車線内に完全停止させる機能。これは’16年3月29日に国土交通省が発表した世界初のガイドライン「ドライバー異常時対応システム」に則したものとして、今後、世界中から注目されるはず。

具体的には、LTA(レーントレーシングアシスト/光学式カメラで車線を認識し車線の中央を維持するような運転支援を行う)を使用中に、ドライバーによるステアリングやアクセル、ブレーキなどの操作がない状態が継続すると、警報ブザーとディスプレイ表示を伴いながらゆっくりと減速しドライバーに運転操作の再開が促される。

さらに、そのシステムからの呼びかけにドライバーが反応できない場合は、ドライバーの身体に異常が発生したと判断され、ハザードランプの点灯とホーンの活用(3Hzの反復)で周囲のクルマなどに異常を報知しつつ、車線内に完全停止させ二次的被害を抑制する。システムによる停止後は、ドアを解錠し自車外からの救助を容易にするとともに、緊急通報サービスである「ヘルプネット」への自動接続も行う。

メルセデスベンツEクラスにも、緩やかに減速して完全停止まで行う「アクティブエマージェンシーストップアシスト」があるが、新型LSではハザードランプを点灯させたり、ヘルプネットで救命・救護要請までを行ったりするという点で〝世界初〟となる。

■従来型の機能もブラッシュアップして搭載

【プリクラッシュセーフティ (歩行者注意喚起・アクティブ操舵回避支援)】

従来型のプリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)に加えて、歩行者の存在を大型ヘッドアップディスプレイに表示して「注意喚起」し、ブレーキ制御による減速と、自動でステアリングを操舵し回避を支援する「アクティブ操舵回避支援」を組み込んだ点が新しい。

また、この機能はガードレールなどの連続した構造物に対しても働く。とはいえステアリング回避ありきの先進運転支援技術ではなく、ブレーキ制御だけでは衝突の可能性が高く、さらにステアリング操舵制御によって衝突を回避できるとシステムが判断した場合にのみ機能するもので、ドライバーが操舵を行えば操舵回避支援は介入しない。

今回は、自車速度65km/hで歩行者ダミーに対する注意喚起、そして最終的にその歩行者との衝突をブレーキとステアリング操作で回避支援するシナリオを体感した。ダミーとの距離が約35mにまで近づくと警報ブザーが鳴り、約0.5秒後に自動ブレーキ制御が入るも、ブレーキ制御だけでは衝突不可避……。と思った次の瞬間、ステアリングが右に50度程度、自動的に急速操舵され、ギリギリ(距離は5cm程度)で歩行者ダミーとの衝突を回避することができた。

ちなみに当機能の確かさは「Fスポーツ」が上。装着タイヤの違い(Fスポは後輪が275/40R20)と、ブレーキ容量の違いに加え「レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)」の装着によるもの。

このほか、新型LSには「パーキングサポートブレーキ」、「フロントクロストラフィックアラート」(FCTA)、「ロードサインアシスト」(RSA)、「レクサス・コドライブ」としてLTAと協調する「レーンチェンジアシスト」(LCA)などが装備され、360度の全方位で高度な運転支援環境を実現する。

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