■ほぼボルトオンでイメージを一新したホンダ「レブル500」
現在のカスタムパーツカタログはダウンロードPDFなどが主流になりつつありますが、米国ハーレー・ダビッドソンにおいては、 “昭和時代の電話帳”ほどの厚さを誇る紙のカタログが社外パーツ・メーカーからリリースされています。
チョッパーマニアの目線で見たホンダ「レブル500」 カスタム次第で往年の名車へ変身か!?
それは、すなわち「その気になれば純正パーツを使わずとも一台のバイクを組み上げることが出来る」ことや「カスタムの自由度の高さ」を指し示しているのですが、日本や欧州のメーカーが生産する“アメリカン・モデル”をカスタムの素材として用いる場合、そう簡単にはいかないのが現実ではないでしょうか。
つまりはハーレー以外の車両にカスタムの手を施すには、より強く“創意工夫”が求められることになるのですが、その好例といえるのがここに紹介するホンダ「レブル」をベースにしたカスタムといえるかもしれません。 製作したのはタイのバンコクに拠点を置く“K-SPEED”というショップで同店は現在、日本でも静岡のGT-AXELや福岡のスピードモーターガレージをはじめとするショップと提携関係を結び、昨年末にパシフィコ横浜で開催されたYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWにも数台のカスタムを出展したのですが、その最大の特徴といえるのが“オリジナルパーツの展開”。日本から4300kmの距離を隔てたタイのカスタムが比較的、簡単に手に入れることが出来るのも大きな魅力です。
ここに紹介するタイのBangkok HOTROD CUSTOMSHOWに出展されたホンダ「レブル500」もK-SPEEDのオリジナル・カスタムパーツが組み込まれたもので、ヘッドライトカバーやフォークカバー、ラジエターカバーやタンクカバー、テールカウルなどがキット化されています。
ノーマル車両に“足し算”的にパーツを取り付けることでイメージを一新するアイデアはカスタム・ファンを唸らせるものとなっています。純正のフレームを活かしながらスタイルをガラリと変えるこうした手法は、250cc以上の排気量の車両で“車検”が存在する我が国、日本のカスタムシーンでも大いに参考になるのではないでしょうか。ちなみに純正フレームの加工ポイントはリアのサブフレームのカットのみとのことです。
■ボーダレス化されるカスタムの世界
たとえばカスタム・バイク、特にアメリカンの中心軸にあるチョッパーの場合、ビルダーやオーナーが「世界に一台のオリジナルであること」を求めるゆえ、ハンドメイドで造られたワンオフ(一品もの)パーツが珍重される傾向にあるのですが、作業時間の短縮や価格面などを考えるとやはりボルトオン・パーツにアドバンテージがあるのは明白です。
加えてあらかじめキット化されたものならば、カスタムをオーダーしたオーナーが完成の姿をイメージしやすいという利点もあります。
チョッパーの本場であるアメリカはもちろん、一部、日本のビルダーも今はオリジナルパーツを展開し、国境を越えて世界に流通させていますが、この先の未来は今回、ご紹介させて頂いたタイのK-SPEEDのビルダー、Tanadit氏のように東南アジアから世界に向けてカスタムパーツが多くリリースされる時代が到来するのかもしれません。またそうした際は関税などの影響により現地で恐ろしく高額となるハーレーや欧州車ではなく、日本製バイクやインドのエンフィールド用などが主役となる予感もあります。
今ではインターネットの普及によりクリック一つで世界中の様々な情報が簡単に手に入る時代となっていますが、今回、ご紹介させて頂いたK-SPEEDのレブルのように現実のカスタムの世界でも、あらゆる部分が益々ボーダレスになっていくのかもしれません。
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