開発はスズキが主導 整ったプロポーション
こちらは、スズキeビターラではなく、トヨタ・アーバンクルーザー。AUTOCARの読者ならご存知かもしれないが、この2台は兄弟モデルとなる。
【画像】スズキが開発主導の新型EV トヨタ・アーバンクルーザー 近似サイズのEVたち 全142枚
実は英国では、2000年代後半にアーバンクルーザーという名のモデルが売られていた。日本では、トヨタ・イストと呼ばれていたクロスオーバーだ。大きなインパクトを与えたわけではないが、振り返ってみると、時代を先取りした存在だったように思う。
新しいアーバンクルーザーは、開発をスズキが主導。駆動用バッテリーはリン酸鉄リチウム系で、47.8kWhか59.8kWhの容量を選択可能。シングルモーターは174psの前輪駆動、ツインモーターでは183psの四輪駆動となる。シングルの144ps版もある。
大きなホイールがボディの四隅に配され、ボディのプロポーションは好印象。だがスタイリングに、強い印象を残すような個性はないように思う。eビターラと異なり、最近のトヨタ車らしく、ハンマーヘッドと呼ばれるフロントマスクを得ているが。
やや狭めの車内 反応が遅いタッチモニター
インテリアも、eビターラと共有。基本的にはモノトーンの世界で、兄弟ではグロスブラックのパネルで覆われるエリアが、サテン・グレーのパネルに置き換わっている。適度に上級感があって悪くない。全体的な内装に、高級感があるとはいえないけれど。
フロントシートはやや小ぶり。調整域は広く、丁度良い運転姿勢は探せるはず。リアシートはスライド可能だが、乗員空間を優先させると、荷室は限定的になる。このクラスでは、狭い側といっていいだろう。
ダッシュボード上には、メーター用モニターとインフォテインメント用のタッチモニターが一体になった、パネルが鎮座。ただし、システムの反応は遅い。運転支援システムやシートヒーターの操作にも、タッチモニターへ触れる必要がある。
シングルでも活発 快適性と操縦性の好バランス
発進加速は、シングルモーター版でも充分活発。アクセルとブレーキのペダルの反応は漸進的で、回生ブレーキの効きは少し癖があるものの、3段階から選択可能。センターコンソールのボタンで、惰性走行モードも選べる。ワンペダルドライブには対応しない。
市街地では、快適性と操縦性のバランスが好ましい。グリップ力に不足はなく、ステアリングホイールの重み付けは妥当で、カーブが連続する区間でも運転しやすい。このクラスでは、運転が楽しい部類に入るだろう。
サスペンションは、硬すぎず柔らかすぎず。減衰特性も好印象で、乗り心地は快適と呼べる。ただし、高速道路の速度域になると風切り音が目立ちだす。
気になったのが、運転支援システム。車線維持支援の介入が積極的で、制限速度警告は過敏。ドライバー監視機能も、顔によって制御が変化する様子。これらはタッチモニターでオフにできるが、反応が遅く、ここでもヤキモキする。
強みは信頼性と顧客対応力 競争は楽ではない
試乗時の電費は、5.6km/kWhとまずまず。カタログ値で426kmという航続距離は、際立つ数字ではない。急速充電は47.8kWhの駆動用バッテリーで最大80kW、59.8kWhで125kWと、速いわけではない。
そのかわりトヨタとスズキは、信頼性と顧客対応力で定評がある。ディーラーでの点検・整備を条件に、最長10年間か96万kmまで、バッテリー容量の70%以上が保証されることが心強い。
価格は、先行して決まったオランダ(ネザーランド)では、約3万3000ユーロ(約541万円)からとのこと。同クラスのライバルより、お手頃にはなりそうだ。
かくして新しいアーバンクルーザーが、確かなインパクトを与えることは難しいかもしれない。運転は楽しいといえるが、車内は広くなく、内装の高級感は高くなく、タッチモニターの反応は遅い。待ち受ける競争は、楽ではないように思う。
◯:快適性と操縦性の丁度いいバランス 滑らかなパワー感と回生ブレーキ 充実の保証内容
△:安っぽい内装 狭めの車内空間 バッテリーEVとして技術的な特徴が弱い 動きの遅いタッチモニター
トヨタ・アーバンクルーザー 61kWh FWD(欧州仕様)のスペック
英国価格:約3万1000ポンド(約604万円/予想)
全長:4285mm
全幅:1800mm
全高:1640mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.7秒
航続距離:426km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1839kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:59.8kWh
急速充電能力:125kW(DC)
最高出力:174ps
最大トルク:19.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)
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