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カタチに「不釣り合い」な速さ! ボルボEX90と技術を共有 ポールスター3へ試乗 内装も強み

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カタチに「不釣り合い」な速さ! ボルボEX90と技術を共有 ポールスター3へ試乗 内装も強み

プラットフォームはボルボEX90と共有

「SUVですが、スポーツカーのように運転できます」。ポールスターのWEBサイトを訪ねると、大胆なキャッチコピーで出迎えられる。

【画像】ボルボEX90と技術を共有 ポールスター3 選ぶならどれ? 競合クラスの電動SUV 全138枚

大げさな表現なのか確かめる前に、まずは概要から確認していこう。ボディサイズは、全長が4900mm、全幅が1968mm、全高は1614mm。かなりの体積だが、路上に停めてみるとそこまで巨大には感じられない。

ポールスターで共通するデザインの特徴といえるが、上品で、大型SUVだと強く主張しているわけではない。美しいと感じるかどうかは人それぞれだとしても、BMW iXやポルシェ・カイエンなど、同クラスの競合とは一線を画すように映る。

プラットフォームは、ボルボEX90と共有する、バッテリーEV専用のSPA2。CATL社製の駆動用バッテリーは107kWhで、駆動用モーターは1基か2基を選べる。ヒートポンプ式のエアコンが標準装備される。

トルクベクタリング機能も備わり、ブレーキ制御ではない本気なもの。片側のリアタイヤへ100%のトルクを伝達できる、デュアルクラッチ・システムがリアアクスルへ実装されている。

航続距離は、最長で627km。オプションのパフォーマンス・パッケージを選ぶと、高まる動力性能と引き換えに560kmへ短くなる。急速充電能力は、最大250kW。最短30分で、残量10%から80%へ回復できる。

広く上質な車内はストロングポイント

ドアを開いて運転席へ座ると、2段に別れたダッシュボードいっぱいに広がるエアコンの送風口と、落ち着いたウッドパネルが印象的だった。クロスはリサイクル素材で、クロームメッキはマット仕上げ。シンプルかつ上質で、スカンジナビアの息吹を感じる。

ステアリングホイールの奥に見える小さなメーター用モニターで、スピードと航続距離は確認できる。オプションで、ヘッドアップ・ディスプレイも追加できる。

ダッシュボード中央には、例に漏れず大きなタッチモニター。カーナビだけでなく、エアコンもこの画面で操作する。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。

ステアリングホイールの位置は、筆者の好みではもう少し下げたいところだが、運転姿勢は快適。空間にも余裕がある。後席側もゆったり。低めのルーフラインに、ガラスルーフが組まれているにも関わらず、高身長の大人でも窮屈さはないだろう。

荷室容量は484L。ボルボのように、フロアを分割できる仕切りが備わる。ボンネット側には、充電ケーブルをしまうのに丁度いい収納が設けられている。インテリアの水準や空間のゆとりは、3のストロングポイントに数えられるだろう。

そして走りも素晴らしい。発進した直後から、違和感なく馴染めるはず。

見た目に不釣り合いなほど速い 乗り心地滑らか

主に時間を割いた試乗車は、パフォーマンス・パッケージが組まれたロングレンジ・デュアルモーターで、最高出力は通常より27ps増しの517ps。エアサスペンションも引き締まる。

0-100km/h加速は4.7秒と鋭く、見た目に不釣り合いなほど速い。しかし、控えめなアクセルレスポンスでパワーの立ち上がりが優しく、運転はしやすい。

オプションの付かないツインモーター仕様も運転したが、筆者はこちらの方が好ましく感じた。最高出力は490psとまったく不足なく、0-100km/h加速は5.0秒。柔らかいサスペンションもうれしい。

回生ブレーキは、惰性走行できるオフ状態と、ワンペダルドライブできる強さ、その中間の3段階から選べる。ステアリングホイール裏のパドルから切り替えられ、真ん中の効きが最も扱いやすいと感じた。

デュアルチャンバーのエアスプリング、ステアリング、パワーデリバリーは、それぞれ個別に調整可能。試乗したスペイン・マドリードの市街地や高速道路では、1番マイルドな設定が快適で直感的なようだった。

ホイールは22インチと巨大だが、乗り心地は充分滑らか。パフォーマンス・パッケージの場合、荒れた路面ではバタバタと細かな揺れは伝わるが。

全体的に洗練されているものの、唯一気になった点がノイズ。風切り音や転がり音は、他ブランドの競合モデルより若干目立つかもしれない。

有能で魅力的 オススメできる大型・電動SUV

キャッチコピーで主張する、スポーツカーのようというのは大げさかも。サスペンションとステアリングホイールをタイトに設定し、ワインディングを飛ばしてみたが、あくまでも運転しやすい大型・電動SUVといった印象だった。

2584kgの車重を考えれば、身のこなしは軽快。グリップ力も高い。多くのライバルより敏捷にカーブを縫っていけ、運転する充足感もある。デュアルクラッチのトルクベクタリング機能が、脱出加速をしっかりアシストする。僅かなテールスライドも誘える。

だが、適度な重み付けのステアリングホイールへ伝わる感触は希薄。かなりドライバー志向にあるSUVといえるが、ベンチマークといえるポルシェ・タイカン・スポーツツーリスモには届いていないだろう。

とはいえ、筆者は3を気に入った。特徴的なスタイリングやインテリア、上質な走り、航続距離や標準装備を踏まえると、コストパフォーマンスや魅力は相当高い。スポーツカーだと期待しなければ、運転も楽しめる。有能でオススメできる1台といえそうだ。

ポールスター3 ロングレンジ・デュアルモーター・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約8万1500ポンド(約1646万円)
全長:4900mm
全幅:1968mm
全高:1614mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.7秒
航続距離:560km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2584kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:107kWh(実容量)
急速充電能力:250kW
最高出力:517ps
最大トルク:92.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

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