車種別・最新情報 [2026.06.18 UP]
日産復活へ! 新型キックスは物欲を刺激する上質系コンパクトSUVに
文●内田俊一 写真●ユニット・コンパス
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日産は6月18日よりSUVのキックスの販売を開始する。価格は299万9700円から。生産は神奈川県の追浜工場で行われる。
第3世代e-POWERを初搭載
日産 キックス
初代の日産キックスはアクティブで使い勝手の良いコンパクトSUVとして、リオデジャネイロオリンピックに合わせてデビュー。そして2020年、e-POWERの投入とともに内外装のクオリティを一新し、日本にもe-POWER専用車として投入された。
日産日本マーケティング&セールスを担当する執行職の杉本 全氏は、「日産は今年4月に将来の方向性を示すビジョンを発表し、その中で、日産独自のハイブリッドシステムであるe-POWERを電動化技術の中核と据え、新型キックスは事業を支えるコアモデルと位置づけている」としたうえで、新型キックスは、「新開発の第3世代e-POWERを日本で初めて搭載し、電動化の価値をより多くのお客様にお届けする重要な戦略モデルだ。それと同時に、日産の成長に向けた重要な一歩となるモデル」と紹介し、大きなピラーモデルであることを強調。
左から、商品戦略やコンセプト概要プレゼンテーションした日産自動車 執行職 杉本 全氏、チーフプロダクトスペシャリスト 田中 聡氏、プログラムデザインダイレクター 楠 鉄平氏
そして、「お気に入りのスニーカーを履けば、自然と外に出かけたくなったり、いつもとは違ってよりアクティブな気分になったりもする。新型キックスも、そんな存在でありたいと考え、毎日の運転をより楽しく、そして遠出をより快適にする先進コンパクトSUVとしてデザイン、走り、快適性、その全てにおいて日産ならではのこだわりを詰め込んだ」と紹介。
また、「日産は電気自動車とe-POWERを合わせて、これまでにグローバルで350万台の電動車をお届けし、日本国内でもラインナップの約7割を占めるまでに成長。走りが気持ち良くて楽しい、滑らかで心地良い。こうした評価を多くのお客様からいただいている。新型キックスに搭載した第3世代e-POWERもまた、そうした日産のモーター駆動の進化の中で磨き上げてきた技術だ。さらに四輪制御技術e-4ORCEを搭載することで、ドライバーには思い通りの操作性、同乗者の方には安心感、快適さを提供する」とコメントした。
アメフトのヘルメットを意識したフロントデザイン
日産 キックス
新型キックスの商品コンセプトは、大人の遊び心を刺激するクルマとされた。「コンパクトサイズであるにもかかわらず妥協のないデザインや性能を実現することで、あらゆるシーンで活躍できる堅牢で多様なSUVを目指した」と述べるのは日産チーフプロダクトスペシャリストの田中聡だ。
それを実現するために3つのコアバリューを掲げた。まずは力強くダイナミック、かつ俊敏で軽快なデザインだ。日産プログラムデザインダイレクターの楠鉄平氏は、「従来のコンパクトSUVとしての親しみやすさは受け継ぎつつも、それ以外はゼロから考えるというビジョンとともに、新型キックスをデザインした」と語る。
そして一番のこだわりは、「いかに強くタフなSUVを作るかだった」という。そのタフさとはどういうものか。それは、「非常にソリッドでシンプルな塊で強さを表現。他のSUVと比べてもキャラクターラインをたくさん入れずにカプセルのような表現で塊の強さを、抑揚のあるフェンダーの張り出し感などで力強さを表現している」と楠氏。
一方で生産現場との調整は難しかった。キャラクターラインがパネルごとでずれるのはみっともないが、それ以上にリフレクション(面の光り方)がパネルごとでずれるのは非常に目立つのだ。「(ずれると)カプセルのようなリフレクションがきれいに通らないので、生産部門と何度も何度も話し合い、コンマ1ミリ単位のズレを調整しながら塊感のある強い表現にこだわった」と苦労を語る。
そのエクステリアデザインのコンセプトは、「タフ&アジャイル」で、「まるでアメフト選手のような、SUVとして力強くダイナミックでありながら軽快で俊敏なデザインを目指した」という。力強さは四隅いっぱいに配された大径タイヤや前述の抑揚のあるフェンダーで、また下回りをブラックアウトすることでSUVらしい軽快で俊敏な姿勢を強調した。
そして、アメフトのヘルメットからインスパイアされた先進的で大胆なフロントフェイスを採用し、「クルマ全体のシルエットとともにしっかりとプロテクトされた強さを表現している」と楠氏。リアは口の字型のグラフィックにテールライトを車幅いっぱいに配置することで踏ん張り感を強調。さらにテールライトはフロントとリンクした先進的なグラフィックにより、「個性を放っている」と述べる。また、テールゲート中央の車体色で残った部分は、「米国パスファインダーや先代キックスにも共通する、日産のSUVに一貫するプロテクト感のあるデザインだ」と説明した。
X、Xプラスグレードの下回りには、スニーカーのソールからインスピレーションを得た、特徴的なディンプルパターンを施すことで、「キックスという言葉が意味する、スニーカーから着想を得た、遊び心のある表現」とのことだった。
安心かつ使いやすさを重視して
日産 キックス
インテリアは、守られている安心感、そして心地良い開放感の両立を目指し、インストルメントパネルは水平基調で、「大黒柱のような強さと安心感を提供。一方で、肌に触れる部分には温かく肌触りの良いファブリックを使用することで、心地の良い開放的なインテリアにした」という。インストルメントパネルのテーブルトップは画面を操作する際のフィンガーレストとなっており、「温かく優しい素材で画面操作の際の安定性を向上させた」と説明。
また、先代と比較しフロントはカップルディスタンスを、リアはニールームを拡大。また、大型デュアルスクリーンを備えることによってドライバーと乗員の快適性をサポートし、直感的な使いやすさと快適性にこだわった。
弱点を潰し、完成度を磨き上げる
日産 キックス
2つ目のコアバリューである先進技術のキーは、第3世代e-POWERとe-4ORCEだ。
1.4リッターの発電特化型のエンジン(HR14DDe型)と5in1電動ユニットの第三世代e-POWERの組み合わせを日本市場初採用。エンジンの排気量は先代の1.2リッターから1.4リッターへ拡大し、パワーも82psから98psに、前輪駆動用モーターも136psから143psへと向上した。
同時に静粛性を大幅に向上させたとし、先代比で、「高速燃費を含めても10%以上向上(WLTC高速モード値で21.6km/lから23.8km/l)させるとともに、あらゆるシーンの発電時騒音を抑制(4.5dB改善)し、加速中でも会話できる静かさを実現した」と田中氏はいう。
日産 キックス
またプロパイロット等既存の技術に加えて、ユーザーからの要望が多かった、「側方・後方の運転支援システムも拡充」。360度の運転支援装備でユーザーの安全をさらにサポートする。
3つ目のコアバリューは快適性、利便性を向上したユーティリティ性能だ。先代キックスユーザーから多くの声があった後席空間の居住性を大きく進化。「大人でも余裕のある頭上高、快適な膝回り空間、室内幅を確保し、コンパクトSUVクラスナンバーワンの後席居住性を実現した」と田中氏。
日産 キックス
同時に声の多かった荷室についても、「荷室開口部と容量を拡大することにより、荷室の使い勝手を向上させご家族でのお出かけにも十分な広さを確保した」と述べ、パワーバックドアを採用するとともに、荷室内に100V AC電源が配され、緊急時の非常用電源としても活用できる。
日産 キックス
ボディサイズが若干拡大し、全長4290mm、全幅1760mm、全高1605mmから4365mm、1800mm、1615mm(e-4ORCEは1610mm)となったものの、それでもこのセグメントの中では街中でそれほどサイズを気にせず乗ることは可能だろう。さらにデザインや生産現場の努力の結果、見事に細かいチリの合わせにまで気を配り、高い品質感を持たせることができていたのは高く評価したい。
第3世代e-POWERやe-4ORCEの採用など、コンパクトカーの領域を拡大する新技術を搭載した新型キックスの登場で、コンパクトカーSUV市場はさらに活気づきそうだ。
日産 キックス
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みんなのコメント
分だけ、荷室容量が少し犠牲になるが
それでも、走りと快適性の面では魅力的。
降雪地に住むユーザーじゃ無くとも
選ぶ価値は十二分にある。