この記事をまとめると
◼︎走りが楽しいクロスオーバーSUVを紹介
なんちゃってヨンクだらけの今こそ乗りたい「悪路御用達」の男前国産SUV4選
◼︎今では人気の高いモデルでも初期モデルはイマイチだった
◼︎国産車でも走りの質感の高いモデルがラインアップされている
大人気のクロスオーバーSUVは見た目ばかりで走りがダメ?
1997年に、トヨタ自動車が「ワイルドbutフォーマル」というキャッチコピーとともに登場させた「ハリアー」。いわゆるクロスオーバーSUVのはしりとなる存在だった訳だが、まさかこのジャンルがこれほどまでに拡大するとは誰も予想しなかっただろう。
都会でハイセンスに普段使いができ、いざというときには悪路も走れる、というマルチパーパス性の高さが魅力だったわけだが、逆にいうと、良路も悪路も中途半端になると捉えられかねない。ハリアーは北米で廉価なFFモデルとして投入したことで、大きな成功を収めることになるのだが、それが中途半端感を助長することにもなってしまった。しかし、現代のクロスオーバーSUVの立ち位置は、当時とは大きく異なって来ている。
世界的にSUVが大きなブームとなっているのは周知のとおりだが、そのなかでクロスカントリー系SUVとスポーツ性の高さを謳うクーペSUVは異なったジャンルとして認識されるようになった。とくに「走り」を唱える場合は、クーペSUVをさらに走りに特化させる方向でクロスオーバー化させるのが一般的となって来ている。
そんなクロスオーバーSUVで実際に走りがいいモデルはどれになるのだろう。
形がスポーティだからと言って「走り」が高レベルであるとは言いきれないのは一般的なスポーツカーと同じだ。SUVである以上、最低地上高は高く、車体も大きい。重心が高くなって運動性能を追求しづらくなっているのは自動車の運動理論的に避けられない。そんなクロスオーバーSUVで走りがいいモデルは、実際どれなのだろうか。これまでの試乗経験から「走りの良さ」を認められるモデルをいくつか紹介しよう。
やはり欧州車の走りが際立っている。欧州モデルでいち早くクロスオーバーSUVを仕上げて来たのはポルシェ・カイエンだろう。カイエンは、VW(フォルクスワーゲン)ティグアンから派生したモデルで、ポルシェが手がける以上、「走り」にも相当にこだわっているはずだった。
しかし、登場初期のモデルにはサーキットの高速テストドライブで大きく期待を裏切られた。動力性能は高く、トップスピードは速さを示すものの、コーナーではアンダーステアが強くコントロールに苦しめられた。さらに攻め込むとロールオーバーモーメントが大きく横転モードに陥る。幸いポルシェはPSMという優れた電子制御システムを持っていたためPSMを作動させることで横転はしないが、速度が大きく落ち込むのは避けられない。加えてアジリティも低く、911やボクスターなど他のポルシェブランドのスポーツカーとの性能の乖離が大きかったと言える。
ポルシェがクロスオーバーSUVの走りを完成領域にまで引き上げられたのはマカンの登場まで待たなければならなかった。マカンはカイエンのネガティブな部分を修正し、低重心でアジリティに富んだ運動性の良さを示すことができたのだ。マカンがハイレベルに仕上がったのは、アウディがQ3でクロスオーバーSUVの走りの良さを大きく向上させたことに起因しているとも言える。Q3はサスペンションストロークが大きく、4輪の接地性に優れる。加えてクワトロシステムがAWDのトラクションの高さと旋回性を両立させ、ライントレース性の高い優れたハンドリング特性として完成させていたのである。
輸入車ばかりと思いきや国産車も大健闘していた
BMWはX5やX3を早い時期から投入してマーケットでは大きな成功を納めたが、走りの良さを完成良域にまで高めることができたのはX2の登場まで待たなければならなかった。X5は初期からBMWらしい走行性能を示していたが、軽快なハンドリングを活かせたのはX2が初めてと言える。今ではX3も進化したが、意外にもX4やX6といった走りに特化したはずのクーペSUVの方がコントロール限界を掴みにくく、BMWといえどもクロスオーバーSUVの走りを仕上げるのは苦労しているようだった。
メルセデス・ベンツはGLA、現行GクラスのAMGモデルなどがSUVらしからぬ運動性能的に優れた走りを実現し、さすが! と思わせられる。しかし、GLEやGLCなど重量が大きく、豪華な装備のモデルでは他社と同じように苦労していると感じさせられる。
では国産車はどうか。国産も現在人気を博しているのはほとんどがSUVと言っても過言ではない。「走りのいいSUV」は国産モデルにあるのか。
最新モデルでもっとも走りの良さを印象付けられたのは三菱エクリプスクロスPHEVだった。前後2モーターでS-AWCの電子制御ロジックが走りを決定づけるエクリプスクロスPHEVは、驚いたことにサーキットで抜群の運動性能を示したのである。まさにランエボ(ランサーエボリューション)の再来と思わせるような「意のままのコントロール性」を手に入れていた。
それが悪路でも発揮でき、ハンドリング面の仕上がりの良さは「流石」と思わせるレベルにあった。ただ、装着タイヤがエコタイヤでグリップレベルが低すぎ、そこは改善する必要がある。そして、新型アウトランダーPHEVはそうした部分もさらに磨き上げられ、「SUVでも走りを諦めない」姿勢を明確にしていると言える。後輪にもブレーキAYCを作動させ、高い旋回性を実現しただけでなく、とくにフラットダートでの意のままに扱える感覚、コントロールの自在度は「スポーツカーか!?」と思わせるほどの高いレベルに仕上がっている。
マツダはTVCMで盛んに「走りの退屈なクルマは作らない」と「Be a driver宣言」をしている。実際、CX-5などの走りは安定していて安心感は高いのだが、運転していて楽しいクルマだとはまったく思えない。ステアリングやエンジンなどレスポンスが鈍く、アジリティが低い。小気味良さとは無縁のような面白みのないクルマになってしまっている。実用性の高さ、コストパフォーマンスの良さ、デザインの秀逸さがあるだけに、走りを磨き上げないのはもったいない限りだ。
日産、スバル、トヨタ、ホンダのクロスオーバーSUVも、こうしたハイレベルな走りを実現したモデルと比べたら標準的だ。今後は走りの良さも磨き上げたSUVの登場が期待されるが、電動化の影響で当面は期待できないだろう。それだけに現行モデルで走りのいいモデルを認識しておくことは重要なのだ。
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2021トップ5は、N-BOX、ヤリス、ルーミー、スペーシア、タント。
合算ヤリス外すと、全部スライドドアのトールワゴンだ。