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第4世代に進化した“走りのハッチバック” BMW新型「1シリーズ」はどうなった? 走って感じた「120」の進化とは

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第4世代に進化した“走りのハッチバック” BMW新型「1シリーズ」はどうなった? 走って感じた「120」の進化とは

FWDとしての技術的な熟成はかなり進んだ

 BMWの「1シリーズ」が4世代目に進化しました。

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 新しいモデルの話の前に少し歴史を振り返ってみましょう。

BMWのラインナップに1シリーズが登場したのは2004年で、E46型「3シリーズ・コンパクト」の後継として生まれました。

 E87型1シリーズはハッチバックスタイルでしたが、他社がみなFWD(前輪駆動)を採用しているのに対し、エンジンを縦に置いたRWD(後輪駆動)にしたのはBMWらしいところでした。1シリーズハッチバックの派生車種としてE88型「カブリオレ」、E82型2ドア「クーペ」もありました。

2011年に2世代目になりF20型と呼ばれる1シリーズになりましたが、フロントに縦置きしたエンジンでRWDする形式は踏襲しました。

 筆者は初代のE87型、2世代目のF20型も乗っていましたが、1.5リッター3気筒エンジンがフロントアクスルより後ろにマウントされ、前後の重量バランスが50対50どころか車検証では48対52という前後バランスにより、雪道でのハンドリング性能はアンダーステアを感じない抜群の良さを味わえました。

F40型と呼ばれる3世代目でFWDに大変換しました。登場したのは2019年のことです。

 このとき筆者が開発陣に「なぜ走り味の良いRWDを捨ててFWDにしたのか?」と質問をしました。彼らの答えは「1シリーズユーザーの80%は自分のクルマの駆動輪の位置を知らない」つまりFWDかRWDかにこだわりはないということ。もうひとつは「コンパクトカーでも室内は広い方が良い」というリクエストがたくさんあったといいます。

「駆けぬける歓び」を標榜するBMWとはいえ、運転席の足元を広く、後席のレッグルームも広く、ラッゲージスペースも広くすることにテーマを置いてつくったわけです。

 そのためUKLと呼ばれるコンパクトカー向けに横置きエンジンでリアスペースを広く設計したプラットフォームを採用しました。UKL1は主にMINI系に採用し、UKL2は主に1シリーズに使いました。

そして2024年秋に、4世代目となるF70型の新型1シリーズが誕生しました。

 FWDとしては2世代目ですが、2シリーズ「アクティブツアラー」、「グランツアラー」、「グランクーペ」、「X1」、「X2」などBMWのFWDのバリエーションが多いので、FWDとしての技術的な熟成はかなり進んだようです。

ドライバーに負担を掛けないハンドリング性能

 特に最新の1シリーズは普通に走っているときはもちろん、多少速度を上げた程度ではFWDかRWDかを意識する必要がない、ドライバーに負担を掛けないハンドリング性能に仕上がっています。

 コーナリングしながらアクセルペダルを踏み込んでいくと、当然加速もしますがFWDらしいアンダーステアを感じる覚悟していると、リアタイヤがしっかりしたRWDのような感覚で走れるのです。RWDが好きな筆者のようなドライバーでも、FWDから来る不満を持つことがない、気持ちの良いドライブフィールを味わえます。

 1シリーズはCセグメントのコンパクトカーですが、上級車についている装備はフルに揃えられるところが嬉しいです。

 例えばACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)は最近多くのクルマに装着されているので、長距離ドライブなどでは重宝していると思います。さらに渋滞時にはアクセル、ブレーキから足が解放されるだけでなく、ハンドルから手を放しても車線をキープしながら、前車に追従していってくれるドライビング・アシスト・プロフェッショナルもテクノロジーパッケージを選べば付いてきます。

ACCで渋滞の中を走行中、◯中央分離帯のある自動車専用道、◯先行車がいる、◯時速60km以下という3つの条件が揃ったら(このときインパネ内に表示が出る)、ハンドルから手を放すことでスポークの上が緑色に点灯しハンズフリーを持続できます(前の世代のACCは緑色が点灯してから手を放した)。

 ただしドライバーは前方を見ていることが必須条件になるので、インパネ内の赤外線カメラで目を監視されているため、よそ見をしているとクルマから注意されます。

今回試乗したのは「BMW120」というネーミングですが、3気筒ターボ付きの1.5リッターエンジンです。最大トルク240Nm/1500-4400rpm、最高出力115kW(156ps)/5000rpmを発揮するため、1460kgの車重を引っ張っていくには十分です。

今回から48Vのマイルドハイブリッドになったため、エンジンのスタートもセルモーターの音は聞こえず、ヌルヌルッという感じで掛かります。ゆっくり減速していくと、クルマが停止する前にエンジンが止まり燃費を稼いでくれます。ちょっと心配になりますが、ブレーキを放すことでエンジンはまたヌルヌルッとすぐに掛かるので心配は要りません。

低回転域からトルクは太いので、高いギアでアクセルペダルをゆっくり踏み込んでいったときの加速感と伸びの良さは気持ちがいいです。

ダッシュボードの上には最新のBMWらしくカーブドディスプレイがレイアウトされ、これまた最新のオペレーティングシステム9がインストールされています。画面内のアプリから様々な操作ができるので、ほとんどスマホ感覚で操作できるため若い人には説明なしで操作できるでしょう。

とは言っても昔のBMWを懐かしむ世代にも馴染むところはたくさんあります。筆者が気に入ったのは、アウタードアハンドルがバータイプだということ。インナードアのグリップの位置がドアの前方でなく中央付近にあること。このふたつだけでもドアの開閉がスマートにできるから嬉しいです。

3シリーズの価格が高くなってしまったいま、この1シリーズの販売が伸びるのは間違いないでしょう。

BMW 120
BMW 120

・車両本体価格(消費税込):478万円
・オプション込み車両価格(消費税込):561万7000円
・全長:4370mm
・全幅:1800mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1460kg
・エンジン形式:直列3気筒ターボ
・排気量:1498cc
・エンジン最高出力:156ps/5000rpm
・エンジン最大トルク:240Nm/1500−4400rpm
・燃費(WLTC):16.8km/L
・駆動方式:FF
・変速機:7速DCT

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みんなのコメント

1件
  • cha********
    理論的にFRが良いと分かってても、実際には乗っても駆動輪がどこにあるか分からないエセFR信者が多いという事ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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