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【クルマの通知表】心を豊かにする3列シート・ドライビングSUV、マツダCX-80のゆとりのパフォーマンス性能

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【クルマの通知表】心を豊かにする3列シート・ドライビングSUV、マツダCX-80のゆとりのパフォーマンス性能

上質を実感する作り込み。直6ディーゼルは全域パワフル&静粛

 CX-80は発売からこれまで何度も乗る機会があり、好感を抱いていた。今回、長期間借り出したので多くの知人に見せてみた。皆、評価は高い。外見をほめ、車内を見せるとさらにその上質さに驚く、というパターンがお決まりだ。3列シートによる利便性はもちろん、堂々たるサイズと華のある雰囲気は、CX-80の大きなセールスポイントだ。

【最新モデル試乗】マツダの新フラッグシップ、CX-80は圧倒的な快適性とドライビングプレジャーを追求。欧州プレミアムを射程に捉えた!

 ボディサイズは4990×1890×1710mm。車両感覚は把握しやすいものの大柄なため、それなりに気を遣う。だがエンジン縦置きFRベースの強みか、感覚としては意外と小回りが利くように感じる。

 各部の操作性も上々である。インパネ周囲にスイッチ類が非常にわかりやすく配置されている。しかもよく使う機能を手前にするなど、視認して操作しやすいように配慮したことがうかがえる。

 乗降性も良好だ。ロングホイールベース化に伴い、リアドアの開口幅がかなり大きいのが特徴で、3列目にアクセスしやすい。2列目の肩口にあるレバーを引くと背もたれが前に倒れるとともにスライドできるようになり、乗降のための空間が生まれる。足元に2段のステップを設けているのも親切だ。ミニバン並みとはいえないが制約のある中で頑張っている。

 もちろんキャビンスペースは余裕たっぷり。3列シートSUVが増えてきた中でも、CX-80の3列目は成人男性が座れる十分な空間が確保されている。3列目は平均身長+αの筆者が座ってもくつろげる。いわゆる体育座りのような体勢にはなるものの、頭上には若干ながら空間が残り、横方向の狭さも感じない。

 3列目はシートの作りや各種装備も入念である。座面や背もたれのクッション厚は十分に確保され、ヘッドレストもしっかりしている。さらに、専用の空調を備え、ドリンクホルダーを用意、USBタイプC端子までレイアウトしている。CX-80は快適な日常を送れるよう細部まで丁寧に配慮されている。さすがマツダのフラッグシップである。

走りはドライビングSUVらしく魅力たっぷり

 今回は東京→富山往復などのロングドライブを含め魅力と機能をチェックした。
 テスト車は本命といえる3.3リッターディーゼルのMHEV。このパワーユニットがなかなか味わい深いことを再認識した。2120kgという重量級の車体を不満なく走らせる動力性能と、ディーゼルであっても直6らしい官能的なサウンドと吹け上がりを実現している。初期のCX-60では少々気になったノイズや振動はだいぶ抑えられていた。

 この直6ディーゼルを存分に味わうには、積極的にシフトダウンするといい。それほど回さなくても、低回転から4000rpm近辺にかけてのフィーリングはなかなか美味だ。状況に応じてMHEVシステムがいろいろ制御していることもディスプレイを見るとよくわかる。スポーツモードを選択するとシフトアップの頻度が減り、減速時には自動的にシフトダウンするなど高回転を維持するようになる。

 8速ATはトルコンレス仕様。発進や低速での再加速時にはトルコン付きのほうがスムーズだと感じるが、普通に乗っていると、すぐに直結状態になり、アクセルを踏んだとおりにグンと加速する。このダイレクト感のある走りのために、マツダはあえてATをトルコンレスにしたのだ。

 8速ATは、いざ走りを楽しもうと思ったときにも、その思いに応えてくれる。シフトスピードは素早くマニュアルセレクトの楽しみは大きい。ATもまた初期のCX-60では気になるところだらけだったのに比べると別物になっている。

 ブレーキはマツダらしく踏力で減速度をコントロールする味付け。踏んだら踏んだだけ利く。それを理解したうえで乗ると、よさをより感じることができる。これもこのクルマに乗る醍醐味のひとつだ。

 乗り心地も好印象。クルマ自体が基本的に突き上げが強めな面は見受けられるが、スタッドレスタイヤを履くといくぶん硬さ感が緩和される。マッチングとしては悪くないように思う。

 足回りはしなやかな印象にしつけられている。高速道路を巡行していて、大きめの段差や継ぎ目を通過しても、大して影響を受けない。思ったよりもガツンと来たと感じるときもあったが、総じて初期のCX-60より大幅にスムーズ。大きな入力でも地響きするような伝わり方はしない。

 先進運転支援装備はマツダらしくドライバー優先の設定だ。必要以上には介入しない。強風の日も車線維持機能に任せて不安なく走行することができた。ただし、隣車線で先を走るクルマを同一車線と誤認することが何度かあった。これは少々気になった。

 CX-80は、ライバルにはない魅力をいくつも持ったドライビングSUVである。今後さらに完成度が高まることだろうが、現在でもその走り味に感心のあるユーザーの期待に十分に応える完成度を持っている。

通知表/マツダCX-80 XDハイブリッド・プレミアムスポーツ/価格:632万5000円

総合評価:74点

Final Comment
ライバルにない数々の個性の持ち主
まだ課題は残しているが現状でも満足感は高い

 CX-80は直6ティーゼル、縦置きFRベース、トルコンレスAT、3列シートなど、他車にはない魅力がある。一方、すべてをゼロから構築したため、熟成不足の点も散見される。それが配点に表れた。乗り心地や走りの面では若干の課題を残しているが、ホイールベースが長く、サスペンションに快適性重視のチューニングが施した結果、完成度は及第点に到達している。燃費は想像以上によかった。燃満タン時には航続可能距離の表示は、ゆうに1000kmを超える。

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みんなのコメント

53件
  • tak********
    記事の通りだと思いますよ、値段(安い)を考えれば非常に良く出来た車だと
    あまり売れてないようですが、人と被らないのも良いですね~
    いちいち過去のcx60と比較してネガティブキャンペーンを頑張ってる方が居ますが、初期型60と80は全く違う車だと理解された方が宜しいかと
    そもそも、嫌いなら無視すれば良いのに絡むのは御自身の何か充たされない鬱憤の解消にでもなるの?
  • pmn********
    今のままでは、CX-80も60も月間販売台数は達成できないのでは?。60で失ってしまった信用を取り戻す事が先決だったのでは。車の大きさや価格の問題も有ると思いますが、60のリコール8回は多すぎだし、内緒でサービスキャンペーンをしたり、購入者を蔑ろにしてしまった事の「ツケ」が回って来たのでは。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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